水がたくさん出るのは、私が水を愛しているからです。』 ところが一方で、彼の書いたものはとても観念的に構成されているので、理解するのは容易ではありません。でもタルコフスキーが自分自身を象徴主義者の類とみなしていたとは思えません。
水と、光と、霧と、闇と、火の、タルコフスキー独特の詩的宇宙が、『ノスタルジア』では、従来のカラー作品の深く渋い色彩美にイタリア撮影技術の艶と鮮かさを加えて映像美の極致に達したといえよう。 その証拠と言っては何ですが、わたしの前に腰かけていた方は居眠りしていました。さらに、「鏡」の主人公の少年はスターリン時代を生きていたと考えられるため、その体制への秘かな批判も込められていたのではないかと思います。それでも観終えた後、何か心に残るものがあったため、いずれもう1度観てみたいと思いました。わたしが30年近く前に観て以来大好きな映画の1つが、アンドレイ・タルコフスキー監督の傑作「鏡」です。その女性はタルコフスキー自身を思わせる主人公の母親で、西側の普通の映画ではこういうシーンはあまりないと思います。映画大好き(*^-^*)1年に300本くらい観るので、その中でもオススメのものを紹介しています。あなたの映画選びに是非役立ててくださいね☆© 2020 シネマスター|映画レビューサイト All rights reserved.即ち、いわゆるスターシステムによりかからずに映画を撮ったのがタルコフスキーだったと言えるでしょう。他の作品では例えば『惑星ソラリス』がバッハの有名なオルガン曲を使用していますが、「鏡」も音楽が印象的です。ロシアは自然豊かな土地なので、タルコフスキーもそういうなかで育ったようです。文芸座地下で、同じくタルコフスキーの作品「ストーカー」との2本立てでした。さらに、タルコフスキーは祖先に優れた詩人がいたため、その詩の朗読がナレーションで「鏡」のなかに出てきます。そういったことがあったからか、ソ連を離れた後の作品は芸術性という点で今一つの感があります。せっかちな方には向かない作品だとは思いますが、ぜひ、時にはゆっくり人間について思考したり、自然の美しさに浸ったりしてみてください。タルコフスキー監督は旧ソ連で生まれ、活躍した後、晩年、ソ連から出国して亡命を宣言しました。我々は普段、雨や水たまりなどを何気なく眺めていますが、タルコフスキーの映画のなかでそれを見ると、こんなに深い意味を持ったものだったのか、と驚きます。映画に限らず文学も、現代人がせっかちになのを反映して、じっくり人間心理や情景を描写することがなくなってしまいました。タルコフスキーの傑作「惑星ソラリス」には来日当時に撮影した首都高からの映像があり、初めてTVで観た際に吃驚したものです。「鏡」の色彩に関しては、火の色以外はさほどではありませんが、それだけに火の赤色が目立ちます。そのために冗長と言われることも多いのですが、それは耐えるべき長さであって、決して冗長ではないと思います。タルコフスキーにはかなり熱心なファンの方が多いらしく、以前雑誌で、タルコフスキーの作品がお好きだという批評家の方のお話を読んだことがあります。また、彼は日本とのつながりも深く、「鏡」のチラシに、黒澤明がタルコフスキーを高く評価しているという話が載っていました。そのときには最初のときと異なり、何となくその作品の意味がわかるように感じました。「鏡」における俳優の演技も特筆ものですが、それ以上に映像が詩的で、シナリオがよくできているいうことが強く感じられます。なぜ足を運んだかというと、その頃読んだ夏目漱石の遺作「明暗」の文庫版の解説で大江健三郎がタルコフスキー作品の水の使い方に言及していたからでした。旧ソ連では商業的な成功を考える必要がなかったため、タルコフスキーはひたすら自己の芸術的信念に基づいた作品を撮ることができたようです。タルコフスキーの作品はいずれの作品も極めて重苦しく、軽快さはあまり感じられませんが、特に「鏡」はズシリと重い作品です。タルコフスキーは、ソ連当局からの検閲にかなり怒っていたらしく、それが亡命の理由だったようです。タルコフスキー作品は「ローラーとバイオリン」以外はいずれもかなり長い作品。
アンドレイはドメニコに関心を示すが、エウジェニアはアンドレイとドメニコのやりとりに巻き込まれることに苛立ちを覚え、二人の元を去る。 ドメニコは住処の廃屋にアンドレイを招くが、天井からはたえず水が滴っており、壁には「1+1=1」という奇妙な数式が書かれていた。 ソビエト連邦を、そして20世紀を代表する映画監督、「映像の詩人」ことアンドレイ・タルコフスキー(1932-1986年)の作品をテーマにした哲学カフェです。タルコフスキーは、本作以外にも「惑星ソラリス」や「サクリファイス」など、映画史に残る作品を遺しています。 スヤスヤ…スヤスヤ…やべえ、すっかり寝てしまった。せっかく渋谷のイメージフォーラムまで出向いてきたのに、1800円損しちまったよ。だって眠いんだもん、タルコフスキーの映画って。概括的にいって、彼の映画の特徴は以下のようなものである。 アンドレイ・タルコフスキー監督の映画「鏡」を解説していきます。タルコフスキー作品は難解とも言われますが、現代の商業主義の構図では決して撮れない名画を数多く残しています。ロシアの美しい自然、この監督ならではの水を使ったシーン、雨が降るシーンは必見。 しかし、そのゾーンに、非常線を掻い潜り足を踏み入れる「ストーカー(案内人/密猟者)」という人々がいた。何と言いますか。一筋縄ではいかない作品を作り出す監督だと思います。「経験主義は忘れるんです。奇跡には通用しません。聖ペテロも溺れかけた。」ソビエト連邦を、そして20世紀を代表する映画監督、「映像の詩人」ことアンドレイ・タルコフスキー(1932-1986年)の作品をテーマにした哲学カフェです。「ストーカー」(1979年、ソ連、アンドレイ・タルコフスキー監督、163分)タルコフスキーは、本作以外にも「惑星ソラリス」や「サクリファイス」など、映画史に残る作品を遺しています。ある地域に「何か」が起こり、住民が消え失せ、軍隊が派遣されるが、誰も帰ってこない。政府はその地域(ゾーン)を厳重に封鎖した。そんなストーカーのひとりに、ある日、二人の男がゾーンの道案内を頼むのだった・・・。皆さんはご覧になって何を見て、何を感じ、どう読み解きましたか?今回は、タルコフスキーが1979年に撮影したSF映画「ストーカー」をテーマに皆さんと対話したいと思います。原作は、こちらもソ連を代表するSF作家ストルガツキー兄弟の『路端のピクニック』です。「人間が希望を持てる場所は地上にはない。ここだけが最後に遺された、人間が希望を持てる場所なんです。」2020年4月4日(土)14:00~16:00 を予定しておりましたが、コロナウイルス感染拡大で延期します。 鏡 (ЗЕРКАЛО)BS11、毎週土曜日の午後8時からの枠で、「特選映画劇場」が放送されている。毎月の第1週を除いて、過去に岩波ホールで上映された作品がここで観られる。先週放映されたのは、私が最も敬愛するアンドレイ・タルコフスキー監督の『鏡』であった。