虫垂炎は、虫垂に化膿性の炎症が起こる病気です。虫垂は、盲腸(右下腹部の小腸から大腸につながった下の部分)の先に突き出た5〜10㎝ほどの先端が閉じた突起物で、長さ6〜8㎝、太さは鉛筆程度です。虫垂 … ④発熱 症状出現順序は虫垂炎診断のポイント これらの 症状の発生順序は虫垂炎の診断において極めて重要 です。 典型的な虫垂炎では次の順番で症状が出現します。 ①心窩部・臍周辺の漠然とした痛み. 気になるワードで検索! 検索: 全てのカテゴリー. ③右下腹部に痛みが移動. 田中くんは家に帰って横になっていましたが、お腹の痛みに加えて少し気持ち悪い感じも出てきました。気持ち悪さのために一回嘔吐をしました。夜になってもお腹の痛みは治まらず、微熱だった体温も38℃を超えるようになりました。子供(小児)は腹痛を訴えることが多く急性虫垂炎を心配されることもあると思います。急性虫垂炎が再発すると腹痛などの症状が現れます。抗生物質による治療後の再発率はどのくらいなのでしょうか。急性虫垂炎になると、腹痛をきっかけに気付くことが多いです。架空の例で考えていきましょう。CT検査の方法の一つに造影剤を使用する造影CT検査があります。造影CT検査は造影剤を注射で体の中に入れCT検査をします。造影剤は血管や腸管の形をはっきりさせる効果があります。虫垂炎になると炎症が起きているので血液の流れが増えています。血流が増えているところは造影剤によりはっきりとした画像としてとらえることができます。妊娠中の急性虫垂炎の疑われる患者さんに使う検査は以下のものです。ガイドラインはすべての病気に対して作成されているわけではありません。ガイドラインが作成されていない病気は多いです。ガイドラインが作成されていない病気には、まれな病気で未解明な部分が多いものや、多くの人がかかる病気でもすでに長年にわたり十分安全な治療が行えているものなどがあります。ガイドラインがないからといって手探りで場当たり的な診療を行っているわけではないので安心してください。海外の学会が作成した急性虫垂炎のガイドラインもありそれらを用いることもあります。将来は急性虫垂炎の治療や予防などについてさらに新しい知見が積み重ねられて急性虫垂炎に特化したガイドラインが作成されるかもしれません。またお腹の筋肉の下にある腹膜という場所に虫垂炎の炎症が及ぶことも腹痛の原因ですが、子宮によって腹膜が引き伸されて虫垂と腹膜の距離が大きくなると、腹膜への影響が少ないので急性虫垂炎に特徴的な症状が出にくいことがあります。医師同士の会話で「アッペの可能性について調べています」「アッペの可能性は?」などのやりとりがあればそれは「急性虫垂炎」の可能性を調べていることです。過去の報告によると5-38%の確率で再発が起るとされています。再発した場合は腹痛などの症状が現れ再び手術か抗生物質による治療が必要になります。急性虫垂炎の治療には手術と抗生物質による治療があります。手術は炎症を起こしている虫垂を取り除きます。抗生物質による治療は「虫垂炎を散らす」とも呼ばれます。それぞれの治療法について解説します。昔は診断技術が発達していなかったので急性虫垂炎は遅れて発見されることが多かったようです。このため虫垂炎の炎症がつながっている盲腸まで広がっていることは珍しくなかったようです。このために急性虫垂炎は盲腸炎と呼ばれていたという経緯があるようです。早期の急性虫垂炎は手術と抗生剤による治療のどちらも選べる場合があります。どちらが良いかは議論があるところでその優劣は単純に言えません。虫垂炎は徐々にお腹が痛くなる病気です。昼間は様子をみていて夜になっても腹痛が改善しないので夜に受診を希望される人もいます。夜間は特定の診療科を受診することが難しくなります。夜などは救急外来などを受診すれば検査などをして調べてもらえます。腹痛・発熱・嘔吐(おうと)が急性虫垂炎によく現れる症状です。腹痛・発熱・嘔吐は他の病気でも現れる症状ですが、急性虫垂炎で現れる発熱・腹痛・嘔吐には特徴があります。超音波検査は放射線を使わないので放射線による影響はありません。このため妊婦や小児など放射線の影響が懸念される場合には特に有効な検査になります。この再発率を高いと感じるか低いと感じるかは一人ひとりの考え方により異なると思いますが、治療法を選ぶ際にはここで示した再発率なども判断材料にしてみてください。急性虫垂炎は虫垂に炎症が起きたり細菌が感染したりする病気です。虫垂に炎症が起きる原因についてはまだ不明な部分もあります。糞石(便のかたまり)や異物が虫垂と大腸のつなぎ目を塞ぐことが原因の一つと分かっています。しかし急性虫垂炎になった全ての人が糞石などを原因としている訳ではなく、むしろ原因がわからない場合の方が多いです。急性虫垂炎は診断をするのにいくつかの検査を用います。検査により急性虫垂炎かどうかや重症度を推定することができます。腸炎などが原因の腹痛はお腹をさすってあげると痛みが和らいで落ち着いたりしますが、急性虫垂炎ではお腹を触られることをいやがることが多いです。急性虫垂炎を見分けるには普段の腹痛とは違うかを観察することが大事です。急性虫垂炎は時間の経過とともに病状が重くなります。右下腹部の激しい腹痛、特にみぞおちから右下腹部に移動する痛みを感じたら、医療機関に早めにいって診察などを受けることが大事です。急性虫垂炎の治療には手術と抗生物質による治療があります。それぞれの治療法にはメリットとデメリットがあります。デメリットは手術による合併症が一定の確率で合併症が起きることや手術の傷跡が残ることなどです。また抗生物質では入院しなくてもよいことがありますが、手術では入院が必要になります。妊娠中に急性虫垂炎が疑われた場合はどう検査を進めていくのでしょうか。検査と(赤ちゃん(胎児)への関係性も気になるところです。急性虫垂炎は治療は手術が主体ですが抗生物質でも治療することができます。抗生物質による治療は「薬で散らす」と言われることもあります。虫垂で起きている感染を抑えることを期待した治療です。問診では症状や今までにかかった病気、食事の内容、定期的に飲んでいる薬などの質問に答えます。問診にできるだけ詳しく答えることで診断に早くたどり着くことができます。急性虫垂炎などの腸の病気を扱うのは消化器内科や消化器外科、一般外科などです。平日の昼間などはこれらの診療科を受診してください。「治療法は手術と抗生物質のどちらでも可能な段階です。これから手術と抗生物質による治療の説明をしますのでどちらかを選んでください」心配した家族が田中くんを病院に連れて行きました。医師から急性虫垂炎と説明があり、入院が必要であると告げられ、治療法について説明もされました。右下腹部が痛くなり調べてみると急性虫垂炎の症状と似ていることがわかりました。こんなときは何科を受診すればいいのでしょうか?身体診察では腹部を触ったり姿勢を変えたりして痛みの状況を確認します。成人の虫垂炎の診察ではいくつかの特徴的な症状が現れます。しかし、小児の場合は年齢によって虫垂の位置がまだ成人の位置になかったり痛みを正確に伝えられないため診断が難しくなることがあります。身体診察では腹部を触ったり姿勢を変えたりして痛みの様子を確認します。妊娠中は子宮が大きくなっている関係で身体診察で急性虫垂炎の特徴がでにくいことがあります。抗生物質による治療で約7割の人は完治します。一方で約3割の人は抗生物質の効果が弱く手術が必要になります。小児(子供)の急性虫垂炎の治療は手術と抗生物質による治療です。小児は急性虫垂炎の発見が遅れることが多いので重症化することが多いです。そのため手術が行われることが多いです。 24歳男性です。2/25に虫垂炎と診断され抗生剤での治療をしています。CTでは虫垂は腫れていますが血…7年前に虫垂炎になり、薬で散らしました。昨日より右へそ脇から右下腹がズキズキと痛いです昨日よりは…15歳です。5/5から虫垂炎で入院しています。抗生剤による点滴をしています。血液検査の結果は良くな…腹膜刺激徴候が明らかな場合や、画像検査で虫垂が1cm以上に腫大して虫垂の壁構造の破綻や膿瘍がある場合は、虫垂炎が蜂窩織炎性や壊疸性まで進んだことを意味しており、緊急手術が必要です。早期に手術を行った場合、死亡率は1%未満と非常に低く、入院期間も1週間程度ですみます。虫垂炎の原因はまだ完全にはわかっていませんが、糞便(糞石)や異物、リンパ組織の過形成、まれには腫瘍などで虫垂の入り目がふさがったり、狭くなることがきっかけになると考えられています。これにより、虫垂の内圧が上昇して血行が悪くなり、そこに細菌が進入して感染を起こし、急性の炎症が起こると考えられています。急性虫垂炎の病期は、前述したように大きく3段階に分かれており、軽いほうからカタル性、蜂窩織炎性、壊疽性と分類されています。かつては虫垂炎との診断が得られれば、すべて手術していました。しかし最近では、薬物療法が進歩し、カタル性のものについては、抗生物質による内科的治療で治るようになっています。よく「虫垂炎をちらす」といういい方をしますが、これは薬剤で炎症を緩和することを指します。ただし、薬物療法の場合、10~20%の割合で再発します。虫垂炎は、一般には「盲腸」あるいは「盲腸炎」という通称で知られていますが、これは昔、虫垂炎の発見が遅れ、炎症が盲腸まで広がった状態で発見されたケースが多かったためです。(執筆者:北海道大学大学院薬学研究院臨床病態解析学教授 武田 宏司)急に激しい腹痛を訴え、外科的な治療を必要とする病気を総称して「急性腹症」といいますが、虫垂炎はそのなかでも最も頻度の高いもので、15人に1人が一生に一度この病気にかかるといわれます。虫垂炎の発症のピークは10~20代ですが、小児や高齢者も含めてどの年齢層でもみられます。男女差はありません。腹痛、食欲不振、発熱、吐き気、嘔吐が主な症状です。典型的な経過としては、上腹部やへそのまわりが突然痛み出し、次に発熱、吐き気や嘔吐、食欲不振が起こります。数時間もすると吐き気は止まり、数時間から24時間以内に痛みが右下腹部に移ってきます。この部分を押して離した時に痛みがひどくなります(反跳痛、ブルンベルグ徴候)。ただ、このような典型的な症状を示すことは決して多くなく、半数程度にすぎません。典型的な虫垂炎の場合は、診断は症状、おなかの所見、血液検査から臨床的に行います。所見が非典型的または不確かな場合、とくに訴えのあいまいな子どもや精神障害者、炎症の進行にもかかわらず症状や発熱、白血球増多などの現れにくい高齢者では、腹部超音波検査やCT検査で虫垂の形態的な変化を確認して診断することがあります。これらの画像検査は、ある程度炎症が進行した虫垂炎の診断に有効で、大きくはれた虫垂や虫垂壁の肥厚を確認します。また、虫垂内部の糞石や、虫垂のまわりのうみ(膿瘍)や腹水、腸管の麻痺像も確認できます。それぞれの方法には、メリット、デメリットがありますので、手術を受ける場合には、医師の説明を十分に聞いてから選択することが大事です。手術方法としては、従来から行われている「開腹手術」と、「腹腔鏡を用いる手術」の2通りがあります。まず、開腹手術ですが、これには「交差切開法」と「傍腹直筋切開法」があります。交差切開法は傷が目立たないのが利点です。一方、傍腹直筋切開法は、おなかのなかにうみがたまっていた場合でも、その方向に切開する長さを延長できるのが特徴です。虫垂炎は、虫垂に化膿性の炎症が起こる病気です。虫垂は、盲腸(右下腹部の小腸から大腸につながった下の部分)の先に突き出た5~10cmほどの先端が閉じた突起物で、長さ6~8cm、太さは鉛筆程度です。虫垂は、リンパ組織が集まっているため、免疫に関与するともいわれていますが、少なくとも成人では不要と考えられている臓器です。採血では、炎症の程度を表す白血球数や反応蛋白(CRP)の値が問題となります。炎症が起こると、早期に白血球が増加し、急性虫垂炎の場合では約90%の人で10000/μ以上の値を示すといわれます。この値も治療の方法を決定するひとつの指針となります。高齢者では反応が出にくいことがあります。腹腔鏡による手術は、おなかに小さな穴をあけるだけですから、傷が極めて小さく、入院期間も2~3日で短くてすみます。 虫垂炎は米国における突然の重度の腹痛および腹部手術の最も一般的な原因です。5%以上の人が生涯のある時点で虫垂炎を発症します。虫垂炎は、青年期と20代で起こることが最も多いのですが、どの年齢でも発生します。 胃腸炎と虫垂炎(盲腸) 食あたりなど、嘔吐や下痢、腹痛といった消化器症状の多い時期となってきました。 胃腸炎 についての診療案内、 ウイルス性胃腸炎について コラムを以前書きましたが、今回はその胃腸炎と区別のつきづらい虫垂炎について記載します。 ②悪心・嘔吐・食欲不振. 急性虫垂炎(盲腸)で手術後、まさかの再入院…遺残膿瘍に:その4 . close. 急性虫垂炎はいわゆる「盲腸」のことです。急性虫垂炎は虫垂に炎症が起こったり細菌が感染したりする病気です。急性虫垂炎は重症化すると腸に穴が開いて腹膜炎を起こすことがある油断ならない病気で …