船橋市をホームタウンとする「千葉ジェッツふなばし」(以下千葉ジェッツ、船橋市習志野台7、tel 047-461-5611)は5月25日、取締役会で会長の島田慎二さんと社長の米盛勇哉さんの退任、千葉ジェッツの親会社「ミクシィ」の執行役員スポーツ事業本部・本部長でもある田村征也さんの社長 … 会長になった島田氏は、Bリーグ、国内のスポーツビジネス業界においても「敏腕社長」と知られた存在だ。2012年2月、当時赤字経営だったチームの社長に就任すると、旅行会社やコンサルティング会社を起業・経営してきた手腕を千葉ジェッツでも発揮。すぐさま黒字経営に転換するとともに事業を拡大させていった。「こういった取り組みで、海外での露出が増えて、海外展開する日本企業からのスポンサーシップがあるかもしれないし、さらに現地の海外企業からのスポンサーシップを獲得できる可能性もある」(米盛氏)入社半年での就任も異例だが、年齢もまだ29歳と若い。実際、チームスタッフの多くは米盛氏より年上だ。千葉ジェッツの社長に就任した米盛勇哉氏(写真左)と前社長の島田慎二氏。学生時代はシューティングガードとしてプレーしていた米盛氏。活気づいてきていたバスケットボール、スポーツ業界に関わりたいという思いから、島田氏と知り合い、千葉ジェッツに加わることとなった。千葉ジェッツは、8月20日に開いた第9期の通期決算会見にて、売上高が前期比24%増の約17億6000万円、経常利益は同比12%増の約1億円だったと発表している。最終利益は、初の1億円超になった。「(年齢に)しっかり配慮する必要があるとは思う。ただ、今後は島田前社長のやっていたリーダーシップ経営ではなく、社員と一緒になって組織を作っていくように調整していきたい。私が強く指示するというよりは、一緒になって事業を運営していくと考えており、年齢はあまり問題にならないと思っている」(米盛氏)バスケットボール男子・Bリーグの千葉ジェッツふなばしは8月21日、島田慎二社長(48)が会長のポストに退き、副社長だった米盛勇哉氏が新社長に「昇格」したことを発表した。前日20日の取締役会で承認された。島田・新会長と米盛・新社長は共に代表権を持つ「ダブル代表」体制をとる。イメージとしては、現在サッカー・Jリーグのコンサドーレ札幌に所属するタイ代表チャナティップを見るために、多くのタイ人観光客が札幌を訪れているようなものだろう。米盛氏は、現在はチームに所属していないが、アジア枠の外国人選手の獲得も視野に入れている。アジア人選手を加えることで、訪日インバウンドで外国人旅行客に試合を「観光」してもらいたい意図がある。一方、島田氏はチーム強化でも辣腕を発揮し、日本代表の司令塔である富樫勇樹選手を中心に据え、3大会連続で天皇杯全日本バスケットボール選手権大会を優勝している。また、島田氏の頭の中には、後継者を育てる上で、副社長のままで経験することと、社長として経験することは全く違うという考えがあった。しかし、自分自身が前面に立ってチーム経営を引っ張っていくことに不安を感じ始めていた。島田氏は米盛氏が加わって以降、経営の現場への同席や、経営判断の考え方を伝えるなどのコミュニケーションを通じて、「後継者」育成につとめてきた。「本来であれば早いとは思う。ただ、彼が後継者でいくべきだろうと明確に決め、あとは時期だけだった。1年、2年一緒に社長、副社長としてやった後なのか、すぐなのかと(悩んだ)。米盛社長は29歳。慶應義塾大学商学部を卒業後、野村證券や香港系投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズジャパンで活躍。2019年4月から千葉ジェッツの取締役副社長に就任していた。これまで強烈なリーダーシップを発揮してきた島田・新会長もまだ代表権を持つとはいえ、千葉ジェッツは新たなフェーズに入っていくことになる。スポーツ業界では珍しい20代の新社長が、千葉ジェッツをどう引っ張っていくのか。千葉ジェッツの新シーズンは10月5日に始まる。その礎はなんだ?となると、1つは資金力。経営力がないと戦っていけない。もう1つは(メインで使用する)アリーナがすでに満員(約5000人)になっている中で、大きな箱を持って事業規模を拡大することが必要不可欠だった。 「千葉ジェッツをより千葉ジェッツらしくしていきたい」千葉ジェッツは8月20日に行われた取締役会で、29歳の米盛勇哉を新たな代表取締役社長とすることを決めた。同日付けで米盛が新社長となり、島田慎二は代表取締役会長となっている。島田は、今回の社長交 バスケットボール男子・bリーグの千葉ジェッツふなばしは8月21日、島田慎二社長(48)が会長のポストに退き、副社長だった米盛勇哉氏が新社長に「昇格」したことを発表した。前日20日の取締役会で承認された。島田・新会長と米盛・新社長は共に代表 この度千葉ジェッツふなばしでは、2019年8月20日開催の定時取締役会において、代表取締役 社長の異動(追加選任)および社長交代について決議 島田が例に挙げたのは、2016年のオフに決断した大野篤史ヘッドコーチの抜擢だった。「アシスタントの経験しかない大野をヘッドコーチに据えたのと同じで、誰もが最初は経験がありません。センス、力量があるのであれば、どんどん機会を与えていくのが良いと思いました」千葉ジェッツは8月20日に行われた取締役会で、29歳の米盛勇哉を新たな代表取締役社長とすることを決めた。同日付けで米盛が新社長となり、島田慎二は代表取締役会長となっている。島田は、今回の社長交代についてこう語る。「100年続くクラブとなることを考えた時、礎を作ることはできてもずっといることはできない。これからバスケット界が成長する中で、資金力や経営力がないと上で戦うのは難しい。自信を持ってバトンを渡せる経営者が必要だった」島田は社長としての7年半、強烈な統率力でのリーダーシップ経営で千葉ジェッツを経営面でも戦力面でも日本バスケ界のトップへと引き上げてきた。数年後に迎える1万人規模の新アリーナの完成を見据えた安定成長を目指すフェイズを担う米盛は、「組織の規模拡大に備えて組織のレベルアップ、再構築を進めていきたい。これまでの挑戦者のマインドを持ちながら、常に上を目指していく。千葉ジェッツがより千葉ジェッツらしくなる、そういったことを目指していきたい」と抱負を語った。そこから数カ月での社長就任となったが、決断のタイミングについて島田はこう説明する。「経営者はやらないと育たない。経営者に据えて、私が支えていくのがジェッツの未来にとっては良いと判断した。ジェッツが良いうちに、勢いがあるうちに交代したいと考えていた。今はチーム力も事業規模も非常に良い状況。米盛も現場で経験を積めるし、私も支えられる」米盛は1989年鹿児島県生まれ。慶応義塾大学を卒業した後、野村證券と投資ファンドに務めて今年3月に千葉ジェッツに『後継者候補』として入社した。