それでは、『夢十夜』の続きです。 ⑦すると白い着物を着た大きな男が、自分の後《うし》ろへ来て、鋏《はさみ》と櫛《くし》を持って自分の頭を眺め出した。自分は薄い髭《ひげ》を捩《ひね》って、どうだろう物になるだろうかと尋ねた。白い男は、何《な》にも云わずに、手に持った� 夢十夜の第六夜に出てきます、『大自在の妙境』の妙境という字は、みょうきょうと読みますか?学校の先生がみょうと呼んでいた記憶があるのですが、まちがえですか? 「あの鑿と槌の使い方を見たまえ。大自在の妙境に達している」と云った。 運慶は今太い眉を一寸の高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯を竪(たて)に返すや否や斜すに、上から槌を打ち下した。堅い木を一と刻みに削って、厚い木屑が槌の声に応じて飛んだと思ったら、小鼻のおっ開いた怒り鼻� それでは『夢十夜』の続きです。 ④そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を彫《ほ》るのかね。へえそうかね。私《わっし》ゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた」と云った男がある。 「どうも強そうですね。なんだってえますぜ。昔から誰が強いって、仁王ほど強い人あ無�

6 「第五夜」 この「第五夜」で印象的なのは、何といっても音の鮮やかさです。「第五夜」は音の鮮やかに響い ている話なのです。登場する音を全て並べてみましょう。 「棒の様な剣をするりと抜き掛けた。 「ラマナを夢見る」~夢十夜・前編 .

私は時々「ラマナの夢」を見ることがある。 ただ実際には「夢見る頻度」としては、「山としてのアルナーチャラ」や「ラマナアシュラム」が登場するケースの方が遙かに多い。 その場合いかにも夢にありがちな「アルナーチャラのお姿や建物の様子が実� 夏目漱石「夢十夜」を読む.