一方、薫は律子と卒業後の話をして、薫は律子が先生が似合うと言った。薫は親戚中から祖父と伯父が通った東京の医大に行くのが当たり前といわれてるが・・・。それを見ていた律子はサックスはどうかと提案し「それだー!」と落ち着く。淳一がトランペットを吹くとすごい迫力。律子の父・勉がウッドベースを弾き、千太郎がドラムを叩き3人のセッションが始まった。数日後、薫は10年ぶりに佐世保につくと、高校へ向かった。律子が母校の教師になっていたことを丸尾から聞いていたのだ。律子は突然薫がきてびっくりしていた。学校が休みのジャズの練習日、律子はプレゼントのスティックを用意していたが、千太郎はなんと百合香を地下室に連れてきた。そのあと淳一が来て百合香に気付くと「ここは部外者は立入禁止じゃなかったのか?」と彼女のほうを見た。薫は志望校の医大に合格し、律子は地元の国立大学に合格した。卒業式で千太郎の名前は呼ばれなかった。薫は千太郎にバカにされたのが悔しいが、律子から「2人のセッションが聞きたい」といわれたのはドキドキしたので「モーニン」を練習する。《親に捨てられたのも、養父のことも、今度の事故もおまえのせいはない》薫は号泣した。薫が千太郎を抱きしめると千太郎も堰を切ったように泣きじゃくった。律子とは3年生で別々のクラスになり、受験勉強もあって会話がなくなった。薫は千太郎がいなくなって一番つらいはずの律子を支えてあげることができなかった。だから、千太郎は家の中に居場所がない人間の気持ちがわかる。薫は自分が恥ずかしくなり泣いた。千太郎が首にぶら下げているロザリオはこの教会で生まれた証だった。薫は百合香から借りた写真を律子に見せた。そこには黒い僧衣をまとった千太郎が映っていた。千太郎は律子に、やりたくもないロックバンドを引き受けたこと、一生ものと思っていた薫との友情を失ってしまったこと、取返しのつかないことをしたと伝えステージを去ろうとする。しかし2人の会話を舞台裏で薫が聞いていた。そんな薫が転向先の高校で出会ったのは、誰もが恐れる不良・千太郎と、その幼馴染の律子。律子に導かれ訪れた地下室で、荒らしく、けれども自由で楽しそうにドラムを叩く千太郎とジャズに、薫は心を奪われる。GIベビーは捨て子だと蔑まれイジメの対象になった。千太郎の友達は律子だけで小学1年生から一匹狼だった。そんなとき川渕夫婦はあきらめていた子宝に恵まれ、4人も生まれた。次第に養父は千太郎を遠ざけるようになった。養母は子育てと家事で忙しく千太郎を気に掛ける余裕はなかった。10年前、父を亡くし親戚に預けられた薫は、家の中で居場所を見つけられないでいた。唯一、ピアノを弾いているときだけが孤独を忘れられる時間だった。千太郎から「ビクビクしないで飛び込め」といわれ薫は、思い切り指のおもむくまま、デタラメにピアノを弾く。4人とも面白そうで、薫は笑いが止まらない。こんな感覚初めてで楽しくて仕方がない。ドラム演奏が終わり子供たちが帰ると、千太郎が薫と律子に気付いて呆然としている。目が合って数秒後、千太郎がニッと笑って口を開くと一瞬で10年前の3人に戻った。その後2人は病院に戻って朝を迎えた。薫が目覚めると隣に千太郎の姿が消えていた。薫はムカエレコードに戻り、千太郎に律子からだと言ってステッィクを渡して帰ろうとしたが、薫の顔色を見て心配した千太郎が自宅に招いて食事させた。西見家の食卓とはまるで違う、みんなでワイワイ食べる食事。淳一と百合香の関係を知っていたのか?と千太郎から聞かれ薫が認めると「浮かれていたオレを笑っていたのか?」と疑ってきたので「君はガサツだ」と言い返してしまう。売り言葉に買い言葉で千太郎が「ガサツなオレと都会者のお前とは釣り合わない」と言い残し去っていった。薫は絶交されたと思い深く傷ついた。★以上、映画「坂道のアポロン」原作の最終話までネタバレ+その後(番外編)もネタバレでした。薫が律子に謝りたくてムカエレコードに行くと定休日だったが、千太郎の妹の幸子がいて糸電話で遊びことに。幸子が店内、薫が外。幸子によると律子は夕飯の支度中だそうだ。映画「坂道のアポロン」の原作は、「のマンガがすごい! 淳一がアドリブで演奏した曲目は、チェット・ベイカー『But Not For Me』「…だそうだ、ボン。お前らその気になったらいつでも相談しろ!お前らの式は俺が面倒見てやるけんな!」ピアノは薫、ドラムは千太郎、ベースは律子の父・迎勉、そしてトランペットは千太郎が兄貴と慕う大学生・淳一。今度は…新しく胸に灯った薫への恋では同じ失敗はしない、と律子は強く思った。自分を慕ってくるお嬢様の百合香と付き合うものの、最後は相手のことを大切に思って1人東京に戻ろうとします。(確かに、うち薫さんと一緒におるとすごく安心できるし、楽しかし…)「今度は、ちゃんと言いたいんです。今うちが一番大事にしたいのはあなたですって」「くそっ、なんで毎回こんな試練受けなきゃならないんだ。全く…忌々しい坂道だ」そんな薫に対して「格好つけすぎや、ばーか」と笑って返す千太郎。「坂道のアポロン」を読んでいると「ああ、こんなふうに強く結びついた相棒がいるってなんて素敵なんだろう」と思わされました。最初は一方通行だらけで「叶わない恋の切なさ」が胸を突いた薫たちの恋愛事情。失恋に涙を流しつつも、誰かを恨まず「これからも支えていこう」「相手の恋を応援しよう」をする登場人物たちのいじらしさには温かい気持ちになりました。そんな薫にとって人生で初めての親友・千太郎と、自由に音楽に身を任せられる「ムカエレコード」地下の練習場は、かけがえのない居場所。おまけに律子には自分(薫)が百合香のことを好きだと勘違いされてしまう。自分を遠巻きにする連中とは違って、真正面からぶつかってくる無二の親友・薫。3人が写真を巡ってじゃれあっていると、ベースを運んできた勉が現れた。また、今回のあらすじ・ネタバレではあまり触れませんでしたが、淳一と百合香の恋愛も素敵でした。一方、周囲から恐れられていて友達のいなかった千太郎にとっても、薫は特別な存在だ。一時は「あ、律子は遠距離恋愛に耐えられず彼氏つくったんだ…」と切ない気持ちにさせられましたが、本心では律子も薫もずっと相手を想い続けていたんですよね。「あ、そうだ、去年の結婚式出られんですみませんでした。薫君には手紙で謝ったとばってん。俺もセッションに参加して、一緒に祝いたかった…」(律子って呼んでた。そういうことか。俺だけが、時間を止めていた。本当はもうとっくに終わってたんだ…)(君に聴いてもらうために、誰にも内緒でこっそり練習してきたんだ。このロマンチックな曲で、少しでも律っちゃんに幸せな気持ちになってもらいたい)数年を経て再会したにも関わらず、薫と千太郎との友情はあの頃から何も変わっていない。敷かれたレールから外れて夢を追い長崎へと戻ってきた薫は律子とも再会し、ついに結ばれる。しかし、千太郎への劣等感からか「律子から好かれている」と自信を持つことができない。坂道ばかりの長崎で、太陽のような男に出会い、薫の青春が幕を開ける。一方、その千太郎は偶然出会った美人の2年生・深堀百合香に一目惚れ。初恋に戸惑う。「今すぐ…答えを出さなくていいんだ。俺にとって律っちゃんは世界一かわいい女の子だよって、それだけ言いたかったんだ」一方、長崎に残していた律子とは文通こそしているものの、久しく会ってはいない。>>見放題動画は充実の180,000本!<<学生運動から逃げて大学もやめた将来性ゼロの淳一はどこか危険な香りのする色男。偶然、淳一の部屋に百合香がいるところを見てしまった千太郎は失恋。(はあ…自分がわからん…。今日、うちなんで薫さんのこと気にしたり、あがんドキドキしたっちゃろ)「あはっ、何言いよるっちゃろうね千太郎。薫さんはもう東京の人とにね。すぐ東京に帰るとやろ?」「百合香さんに聴かせるために練習したっちゃろ?これ…予行演習ね!?」ピアノで奏でる曲目は『いつか王子様が(Some Day My Prince Will Come)』(わかっとった、あん女には手が届かんことぐらい、わかっとった…はずやっか)「ああ、このシーンではこの曲が流れていたのか」と思うと、作品の世界により深く入れたような気がして心地よくなります。飛び込みでトランペットを吹きだした淳一とセッションして、久々に薫の胸は躍った。最終話と番外編では数年越しに薫と律子が身も心も結ばれ、子供まで設けるというハッピーエンドが待っていて本当に良かった!寂しさと孤独感の表れか、クリスチャンである千太郎は、いつも首に母の形見かもしれないロザリオをつけている。転校続きの対人関係がストレスになり、すぐに吐いてしまう癖のある薫が出会ったのは、学校でも「札付きのワル」として有名なクラスメイト・川渕千太郎。「おい、聞こえるか。そっちも今居心地よかやろうけど、外に出てくれば楽しかことのいっぱい待っとるばい。音楽に夢中になったり、人ば好きになったり、笑ったりケンカしたり、そがんことば一緒に楽しめる友達ば見つけたり…」下に4人の兄妹がいる千太郎の家は大家族。父は出ていったため、母と千太郎が子供たちの面倒を見ている。西見家の跡取りである薫は医者になり病院を継がなければならないのだから…。4人は赤ちゃんにはサックスを吹かせてはどうかと話しながら、久しぶりのセッションを始める。「俺…男らしさは足りないかもしれないけど、律ちゃんのこと好きな気持ちは誰にも負けない。それだけは、自信あるよ…」「坂道のアポロン」を語るうえで外せないのは、なんといってもジャズ!千太郎はそのことに気づきもしないが、律子を見つめていた薫にはすぐにわかった。今回は漫画「坂道のアポロン」のあらすじ・ネタバレ・感想などをお届けしました。律子や千太郎は基本的にごりごりの方言で話すのですが、方言ならではの温かみや可愛らしさを感じられて素敵です。「もちろん、楽しかことばっかりじゃなくて、悲しかことや辛かことも起こるやろう。でも、そん時は父ちゃんか、母ちゃんか、俺が、絶対お前の味方になってやるけん、安心して出てきてよかとぞ」となると、誰もが気になるのは「これ、どんな曲なんだろう?」ということ。落ち込んでいたときには支えてくれて、自身をなくした時には励ましてくれて、一番大事に想ってくれている人…。ただでさえ自分を川渕家における『異物』だと感じていた千太郎は、後悔と責任感から抜け殻のようになってしまっていた。千太郎は見つからなかったが、話が伝わって東京の出版社に勤めている淳一とは再会できた。「そう言うと思って、写真の裏に住所と島への行き方書いといたわ。全く…人の人生ってわかんないものね。だから面白いのよね」読んでいて「これは本当に少女漫画か?」と思うほど、「坂道のアポロン」では薫と千太郎の友情が色濃く描かれていました。船乗りの父親の都合で、高校1年生の西見薫は佐世保の学校へと転校してきた。現代が舞台の少女漫画に慣れていた感覚からすると、それがとても新鮮で良かったです。一方、律子はいつのまにか薫のことを目で追うようになっている自分に気づく。勝手にオルガンを弾いた不届きものを怒りに、神父様が走ってくる。その後も、淳一は同棲を始めた百合香をあえて束縛せず「自由に生きろ」と言って寂しがらせるのですが、最後は出ていこうとした百合香を電車のホームで「行くな!」と引き留めて元鞘。これぞ「駆け落ち!」といえる淳一の衝動的な行動には痺れました。思わず「坂道のアポロン」のサントラが欲しくなること間違いなしです!寂しそうな顔から驚きの表情へと変わった律子に、薫は微笑みかける。少しトラブルはあったものの、淳一が機転と歌声でカバーし、パーティーは成功。高校生だった薫が大学を卒業し医者になるほど時が経っているにも関わらず、あの頃と同じ音楽と笑顔とメンバーがそこにある。それは、思い出の曲。親友と出会った頃から何度もセッションしてきた曲。私の場合、もともとジャズは「詳しくないけどなんかいいよね」という印象だったのですが、漫画「坂道のアポロン」を読んでからは「ジャズ大好き!」に変わりました(笑)神父姿の千太郎がドラムをたたき、勉がベースを爪弾き、薫がピアノを奏で、律子が歌う。薫たちジャズバンドの周辺では、一方通行だらけの恋が進行していた。薫は千太郎と協力して淳一を羽交い絞めにし、双子の写真を手に入れる。百合香は学生運動から離れて地元に帰ってきた淳一と事実上の恋人関係になった。アメリカ人とのハーフである千太郎はもともと教会に捨てられていた孤児であり、川渕夫妻にとっては養子。あれだけ何年も一生懸命に探したのに、いざ親友の目の前に現れる時には、思い出の曲をピアノの演奏して呼び寄せるという気取った方法をとった薫。「久しぶりだね、律ちゃん。綺麗になったね。短い髪もよく似合ってるよ」(…あれ、何やってんだ、俺。俺が今まで、ひたすら望んできたことは…)驚く淳一をよそに、律子の腹の前にかがみこんだ千太郎がまだ見ぬ子どもに語りかけ始めた。「なんや、えらいまた盛り上がっとるな。もうセッションの始まっとるかと思うたばい」最初は「千太郎のことが好きなはず…」と戸惑っていた律子だったが、時が経つほど自分の本心に気づいていく。「西見?ああ…あんたか、律子にしつこく手紙ば出してきよるとは。やめてもらえんですか、彼女も迷惑しとります」「そらもう、花婿候補大募集中やんなリッコ。それとも先約ありか」今日は4人でセッションする会。勉の車に乗っている律子を、薫が迎えに行く。薫に言われてやっと律子から好かれていたことに気づいた千太郎が、不器用に言葉を詰まらせながら律子を振ったのだ。薫と千太郎との絆は何物にも代えがたいものであり、2人にとってその友情は「恋心」よりもよっぽど重要だったように思われます。クラシックピアノしか弾けなかった薫だったが、ドラムの千太郎に乗せられて、いつしかどっぷりとジャズにハマっていく。しかし、その律子が子供のころからずっと好きだったのは幼馴染の千太郎。評判に反して豪快で正義漢な千太郎や、千太郎の幼馴染・迎律子と接していくうちに、薫は息苦しさを感じなくなっていく。いつも肌身離さず身につけていたロザリオすら置いて、千太郎はどこかへと消えてしまっていた。そう言って淳一はちょいちょいと薫を手招きし、こっそりと耳元につぶやく。自分の孤独感や弱さをすべて受け入れて、まるで我がことのように喜び悲しんでくれる無二の親友。番外編で描かれた「最終話のその後」では、淳一や薫に子供まで出来ている。「俺があいつに敵うわけないんだよ…。顔だって男前だし、中身だって男らしくて…明るくて…言うことないじゃないか。律ちゃんは、あいつと一緒にいた方がきっと…」そして、そんな登場人物が救われていく様子もまたイイんですよね。覚悟を決めた薫はジャズの練習場になっている「ムカエレコード」の地下に律子を呼び出した。「すまん、俺、今までお前の気持ちに気づかんで…知らんうちに無神経なこと言うてお前のことば傷つけてしもうたかもしれん。悪かった。でも、その…なんちゅうか、俺は、お前の気持ちには…」写真には、赤ちゃんながら百合香によく似た美人な顔立ちの双子が写っている。「聞こえる?楽しかろ?早う出てきて一緒に混ざらんね。みんなで待っとるけんね」葉書に電話番号を見つけた薫はドキドキしながら律子に電話をかけるが、出たのは聞きなれない男の声。川渕家はとても仲の良い家族だが、千太郎もまた心の奥底では家の中に居場所がないと感じていた。大好きなピアノも自由には弾けず、孤独で窮屈な暮らしをしていた。時には衝突しつつも、薫にとって千太郎は(もしかしたら律子よりも)大切な存在になっていく。「引き止めてほしかった!」という百合香を淳一が抱きしめるシーンには昭和ロマンが漂っていて素敵でした。見どころ満載の「坂道のアポロン」ですが、とりわけ終わり方が素敵でした。薫は代々医者家系である西見家の跡取り息子であり、佐世保で居候している伯父の家も金持ちだからだ。友達の結婚式の時のものだと言われて渡された写真の中に、見覚えのある人物が写っている。「こりゃ、大きゅうなったら絶世の美人になるばい。俺が保証する」「千、何がおかしいんだよ。俺は真面目に君のことを忘れようとしてるのに。なあ、どこいっちまったんだよ…」その文通も返事の間隔がだんだん長くなっていて、最初は便箋に2,3枚だった手紙も、今では葉書になってしまっている。幸い千太郎は軽傷だったが、たまたま後ろに乗せていた妹の幸子は意識不明の重体。律子の頬から顔を離したところで限界を超えて、薫は熱に倒れてしまった。熱で倒れそうになりながらも薫は律子を追いかけて、そして言った。同じ孤独を抱えた薫と過ごす時間は、千太郎にとってもかけがえのないものだった。「なんで…俺はこう、自分のいちばん守りたかもんば、自分で傷つけてしまうとやろうか。神様…俺は、一体なんのために生まれてきたとですか…」いつしか薫はそばかす顔の女の子・律子にほのかな恋心を抱くようになる。最初こそ少しぎこちなかった薫と律子だったが、千太郎のおせっかいのおかげか、自然な恋人関係に落ち着いていった。大勢の子供たちや温かい住民に囲まれ、千太郎は生き生きとしている。教会の扉を開け、その姿を見つけた千太郎はニヤリと笑って言った。母親は薫がまだ幼かったころに子供を置いて消えたと聞かされている。律子の気持ちは変えられなかったが、薫は気持ちを伝えたことを後悔はしなかった。