制作費は約35万ドル(当時の日本円で約1億2600万円)という超低予算、撮影日数はわずか2週間ほどの短期間で製作された。陪審員8番の熱意と理路整然とした推理によって、当初は少年の有罪を信じきっていた陪審員たちの心にも徐々に変化が訪れる。父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、陪審員が評決に達するまで一室で議論する様子を描く。原作者のレジナルド・ローズが、テレビドラマ版の翌年(1955年)に本作品を舞台用に脚色した。それ以来、広く上演されている。女性の役者がキャスティングされる場合、『12 Angry Jurors』(12人の怒れる陪審員)や『12 Angry Women』(12人の怒れる女)と改題されるなど、様々な脚色がされるケースもある。法廷に提出された証拠や証言は被告人である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。全陪審員一致で有罪になると思われたところ、ただ一人、陪審員8番だけが少年の無罪を主張する。彼は他の陪審員たちに、固定観念に囚われずに証拠の疑わしい点を一つ一つ再検証することを要求する。本作品の発端は、レジナルド・ローズが実際に殺人事件の陪審員を務めたことである。その約1ヶ月後には、本作の構想・執筆に取りかかったという。 作中には、陪審員の1人が「陪審員制度がいかに優れた制度か」を語るシーンがあり、アメリカの陪審員制度や民主主義を肯定するメッセージ性のある作品となっています。実際に、圧倒的不利な「11対1」という状況を変えるのは"市民の声"でした。さらに、差別や偏見の問題が今よりも一層深刻だった中で、移民やスラム出身者の立場を描いているところは、アメリカの社会問題を取り上げた作品だと言えます。© 笑うメディア クレイジー All Rights Reserved.ニューヨークの裁判所。そこに集められた12人の陪審員が審議するのは、父親を刺殺したとして第1級殺人罪に問われているスラム街の少年。疑うべきところはないように思えたこの事件に、11人の陪審員は有罪投票。しかしただ1人、建築家の陪審員8番(故ヘンリー・フォンダ)が意義を唱えます。有罪となれば死刑となってしまう少年のために、陪審員8番はもっと考えたいと他の陪審員に訴えるのでした。残りの陪審員も、彼の理路整然とした語りによって心が揺らいでいきます。ヘンリー・フォンダは、『怒りの葡萄(1963年)』、『荒野の決闘(1947年)』などで知られ、当時アメリカでは映画俳優として不動の地位を築いていました。ハンサムで生真面目なイメージがあるヘンリー・フォンダが陪審員8番役を演じたことによって、陪審員8番の「ヒーロー性」をより印象づけたと言っても過言ではありません。実際に陪審員8番は、2003年にAFI(アメリカ映画協会)が選んだ「アメリカ映画100年のヒーローベスト100」で28位にランクインしています。陪審員8番の言葉をきっかけに始まった議論が進むにつれ、他11人それぞれの人間性や抱える背景が見えてくるようになります。映画の終わりまで名前がなく番号で呼ばれる彼らの人生が、96分間の陪審員室の中で明らかになっていき、さらには単純かと思われた事件の印象も変わっていきます。見ず知らずの他人と殺人事件を裁くという重圧のある空気感の中、公平な視点を持って勇気のある行動をした陪審員8番。彼は、自分以外が有罪を主張する"反論しにくい"雰囲気の中で、ただ1人無罪に投票します。被告の少年がスラム街に住んでいることが判断に大きく影響していたのではないかと考えた陪審員8番は、「偏見はいつも真実に影を曇らせるものだ」と有罪を簡単に決めてしまうことを拒み、感情ではなく論理的に検証していこうとしました。このように、「たった一言の勇気」によって多くの人間の気持ちや人生が変化することから、同作は「法廷もの」としてだけではなく「人間ドラマ」として評価されています。日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)12人の陪審員による審議の様子を描いた密室劇。シドニー・ルメットが監督を務め、レジナルド・ローズ脚本のテレビドラマを映画化。1票の重さを理解できずに参加する者がいたり、たった1人の意見によって今までの議論が一転したりと陪審制度の長所や短所についてうまく描かれています。また、密室で事件の真相を追求しながら進む緊張感の中で、12人それぞれの人間性も見事に表現されています。アメリカのCBS放送で1954年にテレビドラマとし放送され、作者のレジナルド・ローズが殺人事件の陪審員を務めた経験から書きあげた『十二人の怒れる男』。テレビドラマとしては、プライムタイム・エミー賞で3冠に輝き、映画も第7回ベルリン国際映画祭金熊賞と国際カトリック映画事務局賞を受賞しました。世界各国で愛され続ける名作『十二人の怒れる男』をぜひご堪能ください。 密室劇の金字塔として、1959年の公開から色褪せることのない名作『十二人の怒れる男』。人間模様として、また当時のアメリカ社会や陪審員制度を考える上でも興味深い法廷ものです。今回は、そんな『十二人の怒れる男』の魅力について徹底解説します。 「12人の優しい日本人」という映画を見ました。大好きな三谷幸喜さんの製作した映画だからーという理由で見たのですが、昔見たヘンリー・フォンダ主演「12人の怒れる男」と関係があるということで、まずこの「12人の怒れる男」をまとめてみました。 『十二人の怒れる男』(じゅうににんのいかれるおとこ、 12 Angry Men )は、1954年製作のアメリカのテレビドラマ。またそのリメイクである1957年製作のアメリカ映画。これらを原作にして制作された舞台作品。原作はレジナルド・ローズ。
十二人の怒れる男(1957)の映画レビューを投稿する 言わずと知れた名作 (投稿日:2019年9月2日) 私が語らずとも、その素晴らしさは皆さんが語ってくれている。 この映画は陪審員ものとして有名な“12人の怒れる男”のリメイクであるロシア映画だ。 リメイクだけあってプロットそのものはほとんど同じ。育ての親をナイフで殺害した容疑の少年の、有罪か無罪かの最終判断が陪審員の手にゆだねられた。
映画『十二人の怒れる男(1957)』ネタバレ感想・解説・考察を書いています!「十二人の怒れる男」は陪審制度をテーマに人の意見の移り変わりを描いた作品で、「法廷もの」の中ではかなりの傑作映画 …
舞台はアメリカ・ニューヨークの陪審員室です。12人の陪審員たちが世間話をしている場面からはじまります。夏の暑い日で予定もつまっているから早く家に帰りたいと思っている人ばかりです。審議はすぐに終わるだろうと思われていました。被告はスラム街に住む17歳の少年で、裁判の内容からも有罪は決定的だろうと誰もが思っていたからです。12人から評決をとったところ11対1となり判決はでませんでした。陪審員性の規則として全員一致でなければ判決を出すことができないのです。陪審員8番だ …
『12人の怒れる男』 (12にんのいかれるおとこ、12) は、2007年のロシアのドラマ・サスペンス映画。『十二人の怒れる男』を現代のロシアに舞台を置き換えてリメイクした作品である。 ニキータ・ミハルコフ監督作。. 第64回 ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品された。