シロップは彼女が何か言うのをしばらく待ってみたが微かな呼吸音しか聞こえず、既にかれんの携帯電話に出た彼の正体に気付いているはずの彼女に確信を与えてやることにした。 ココ、ナッツ、ミルクの故郷である妖精の国。国民と「ドリームコレット」を守るために高い壁で覆われているが、ナイトメアに騙されたナッツによって守りが崩壊した。クロスオーバー作品では全て『GoGo!』のコスチュームで登場し、『5』のコスチュームは回想シーンでの登場のみである。時空を問わずあらゆる世界の価値あるものを「保護する」という名目で強奪し、強奪して得たものは本拠地である博物館に永遠に保管して展示するため、実質的には凶悪な盗賊集団である。また、価値があるものならば人間や動物も強奪する対象であり、パルミエ王国の国王であるココとナッツも強奪の対象になっている。NewStage以降は更に増えるプリキュアの中で突出した活躍をするシーンは殆ど見られなくなっている。NewStage2では他のプリキュアと共に結晶にされているが、影との戦闘で敗北したため、唯一妖精の姿で結晶化している。この場所がエターナルに狙われたことにより、プリキュアたちはふたたび戦いに身を投じる。ヨーロッパ風の町並みや学園のある町並が舞台になっているが、こまちの家や神社、デパートなど日本の風景で描かれている場所もある。なお、町名は一貫して語られなかった。以下、本項目では『Yes!プリキュア5』を『プリキュア5』または『5』、『Yes!プリキュア5GoGo!』を『GoGo!』と略記する。第31話でガマオが職務放棄し、その後もギリンマとアラクネアが殉職したことに伴い、上層部から部署の解散を命じられ、残された下層の社員たちは全員新部署へと移され、部署の責任者であるブンビーは降格される形で新部署に異動される。それぞれ救出されて体力が回復すると、キュアローズガーデンの鍵の1つでもあるカードをのぞみたちに託し、自国に帰還していった。しかし、そのカードがあればいつでも連絡をとることができる。メインターゲットである女児向けのフィギュア玩具として、本作品より「キュアドール!」シリーズの展開が新たに開始された。前年まで展開されていたドール玩具「プリキュアスタイル」シリーズとは異なり四頭身ほどのデフォルメ体型となっており、変身後のみならず変身前の6人、それにサブキャラクターも同シリーズで商品化された。両作品とも、単行本化されていなかったが、プリキュアシリーズ10周年となかよし創刊60周年を記念し、「プリキュアコレクション」と銘打ってワイドKCなかよしより発行が決まり、2015年1月6日に『Yes!プリキュア5』が、2015年2月6日に『Go!Go!』が、それぞれ全1巻で発行されている。5人とも「サンクルミエール学園」に通う中学生である。学年により左胸にある桜の花びら形のワッペンの色が異なり、1年生は黄緑、2年生は赤、3年生は青である。私服はプリキュアのイメージカラーとほぼ同色の服を着用している。ココとナッツを正式に王位に就かせる承認権をもつ。また、「キュアローズガーデン」への扉を開く4つの鍵を持っている。『GoGo!』におけるプリキュアの敵対組織。謎の仮面の館長を首領とする組織であり、西洋風の洋館のような博物館を本拠地にしている。シロップは過去に「運び屋」として在籍していた。シリーズで初めて「巨大化したアイテムを使う」というスタイルの技を持つ。これは東映の変身少女アニメ作品として初の試みである。通常の必殺技は『5』の一般の敵であるコワイナーは、ナイトメアの戦士と同じく必殺技が効かない、あるいはかわされることもある。エターナルのコレクションリストに記載されている世界の価値あるものを捜索および強奪を主な任務にしているメンバーたち。立場の地位はみな(ブンビーを除く)ほぼ同等ではあるが、休暇の取得可否などの待遇はそれぞれの業績によって異なる実力主義の組織構図である。のぞみたちの通う中学校にして、女子校。本項ではプリキュア関係者以外の一般人を紹介する。エターナルの襲撃をうけて傷つき、「パルミン」に姿を変えて人間界をさまよっている。なお、4人とも第1回からアイキャッチ(Bパート開始前)には揃って登場している。前作まではプリキュアの必殺技には専用のBGMが存在したが、本作品では数パターンのBGMが用意され、状況に応じて使用するBGMを変えるという手法になった。ただし、合体技のBGMは従来通り専用のものとなっている。『プリキュア5』の時点ではナイトメアによって壊滅状態にあったが、『GoGo!』以降は国民たちの尽力により復興している。その後、クロスオーバー映画では完全に元に戻っている。青いバラの力によって強力な戦闘力を持ち、初登場時に敵幹部の1人であるスコルプを圧倒し、一瞬で消滅させている。反面、防御技は持っておらず、また変身自体で大きく力を消耗してしまうため、ダメージを受けたり長期戦になると、戦闘中に力尽きてミルクの姿に戻ってしまうなど守りに弱点を抱える。ただし、ココやナッツのように強い衝撃を受けただけで元の姿に戻ることはない。従来の携帯型コミューンはプラスチック部の製造費がかかる金型が大幅に縮小された腕時計タイプ「ピンキーキャッチュ」に。通信機能が売りだったノートPC型コミューン(プリティコミューン、スプラッシュコミューンなど)は価格が1万円だったが、従来の携帯型コミューンのバーコードスキャン機能を移植、さらに小型化で「ドリームコレット」はプレイバリューを維持しつつ定価を半額まで下げる。どちらもマーベラスエンターテイメントよりリリース(映画除く)。「5」以降プリキュアTVシリーズのDVDは1巻あたり3話収録となった(ただし最終巻付近の巻は4話収録になる巻もある)。なお、エターナルのメンバーは基本的には有毒生物をモチーフとしている。いずれのメンバーも身体の一部を変化させることができる。ナイトメアの幹部であるブンビーが管理している部署で、ギリンマ、ガマオ、アラクネアなどが配属されている。また、カワリーノも部署の監査役及びブンビーの直属の上司として足を運ぶことが多い。度重なる部下の殉職を受けてブンビーの部署が解散したことに伴い、第31話から組織を再編して登場したナイトメアの新しい部署。デスパライアが最も信頼している部署であり、上級幹部のブラッディとハデーニャの他に、解散した部署から移動したブンビーが配属する。また、カワリーノも部署の監査役として足を運ぶことが多い。主要の幹部たちが使用する円卓のテーブルに、それを囲うように下層の社員たちが使用するテーブルが無数に配置されており、部署の空間からデスパライアのホログラムが映し出される。なお、幹部の地位から降格されたブンビーは下層の社員らと同じテーブルに配置されている。
Yes!

プリキュア5

Cure Aqua VS Arachnea! みんなはその正体についてアレコレと考えてみましたが、話す機会もなかったのでちゃんとした結論が出ません。 自分の名前さえ名乗らなかった彼女の正体を、ドーナツ国王は青いバラの力を持つ戦士ではないかと思っていましたが、シロップはエターナルの新戦力でないかと疑っていました。 HD!
第23回『シロップが裏切った!?』 シロップってどうなのよ。 そんな今回のお話は… シロップは、自分の正体が分からなくて寂しがっていたの。 だからココは、必ずローズガーデンを見つけて、シロップの過去を見つけだすと約束したの。 プリキュア5たちは、シロップを迎えにエターナルにやって来た。すると失敗続きで後のないネバタコスが現れ、巨大な怪物の姿に変身する。シロップの救出をココに任せ、プリキュア5はネバタコスに、ミルキィローズはアナコンディに戦いを挑む。 Precure 5 Episode 18 - Save Precure from quicksand! 夢原のぞみは、明朝のバイトや夕飯を食べずに待ってくれているであろう家族のことなんて忘れて、今夜はこのままナッツハウスに泊まってしまおうかなどと考えだしていた。彼はかっとなって通話終了のボタンを押そうとしたが、ナッツの物悲しそうな目を見ると躊躇ってしまい、そのうちにうららの方から電話が切られた。彼がすぐそこにいる。まず何て言おう、どんな話をしよう。再会を、彼は喜んでくれるだろうか。ココの返事など最初からどうでもよかった。沈黙が彼女の行く手を妨害することのないように、先手を打っただけ。彼は首を横に振った。うららの口から聞くまでは、それを認めたくはなかったのだ。部屋の中を見回しながらシロップが尋ねる。どこもかしこも綺麗に整頓されてあって、いかにもかれんらしい部屋だ。本棚には難しそうな医学書がずらりと並び、机の脇に置かれたノートの数から、かれんが医者になる為にどれだけ勉強をしてきたのかが分かる。しかし、健康だけが取り柄のような彼女に幻聴が聞こえる方が、よっぽど都合がいいなどという考えはさっぱり思いつかなかった。液晶画面に表示された名前がシロップの知らないものであったなら、彼はそっと電話を戻すつもりでいた。のぞみ達からの電話であれば、用件だけ聞いて後からかれんに伝えればいい。そう思っていた。そこで言葉は途切れ、シロップはしばらく続く言葉を待ったが、彼女はそれを言うつもりはないようだった。階段を振り返ったココと目が合っても、のぞみが期待していたようなものは何も得られなかった。先ほどまで高鳴っていた心臓の鼓動も、途端に緩やかになる。商品や小物は撤去されてしまっているが、ほとんど昔のままの状態に戻ったナッツハウス。街の喧騒とはかけ離れた静かな夜と綺麗な月明かりが、彼女をノスタルジックな気分にさせる。手の感触だけを頼りに掴んだのは携帯電話と形状のよく似たキュアモであり、それは壊れたおもちゃのように音も出さなければ光を明滅させることもない。彼は乱暴にキュアモをかばんの中に戻すと、今度こそ何度も着信音を鳴らして自己の存在を主張している携帯電話を手に取った。電話の向こうで、彼女が息を呑むのが分かった。シロップは彼女が何か言うのをしばらく待ってみたが微かな呼吸音しか聞こえず、既にかれんの携帯電話に出た彼の正体に気付いているはずの彼女に確信を与えてやることにした。その声は、記憶にあるものと少し違っていた。昔はもっと透き通るような高い声で、明るい喋り方のはずだった。あのナッツハウスで、夏木りんはアクセサリー関連の仕事に就きたいという夢を見つけた。ナッツが彼の携帯電話を奪おうと近づいてきた。シロップは軽い身のこなしで彼をかわしながら、受話部は耳に押し当て続けていた。ナッツの眉がぴくりと動いた。彼を見つけたときは敢えて何も聞かなかったが、ナッツがこまちに会おうとしていたことくらい分かる。そこでどんなやりとりが交わされたかを知りたいとは思わないが、うららの取ったという行動に対する彼らの反応には興味があった。うららがどんな表情をして、何を思ったか、それはわからない。驚いていることには間違いないだろうが、その驚きが喜びによるものか、それ以外の感情によるものかさえ、電話越しでは知ることはできない。二人が玄関に入ると、水滴が連続的に壁や床を叩く音が廊下の奥から聞こえてきた。そのほかには、人の話し声どころか風が窓を揺らす音すら聞こえない。そこにもやはり彼女の姿はなく、ミルクだけがベッドで横になっていた。胸の辺りで閊えているものの正体が彼には分かっていたから、吐き出すことも飲み込むこともできず、フラストレーションは溜まるばかり。それが分かると、さっきまで心配でならなかったというのに、意地の悪い考えでシロップの頭はいっぱいになった。そして、今の彼はその感情を抑える気分にはなれなかった。記憶がどれほどあてにならず、美化されていたかを思い知ったシロップは、ふっと息を吐いた。誰もいないリビングを覗いてから、シロップは一応のノックを済ませてかれんの部屋の扉を開けた。のぞみはナッツハウスを出ると、駆け足でそこを離れた。自分の気持ちや行動が理解できないで、嫌な気分になる。シロップはその目から視線を逸らさないで、送話部に向かって静かに告げる。いつの間にかナッツがリビングに入ってきて、訝しがるように彼を見ていた。時代の流れと共に物事が変化していくことに、のぞみは慣れてしまっていた。ナッツハウスだって、ナイトメアとの戦いが終わりココ達がパルミエ王国に戻る以前に使っていた建物は、彼女たちがそこでかけがえのない時間を過ごしたことなど知るはずもない誰かに借りられている。そして、みんなで夢を叶えようと約束したのに、水無月かれんは医者になる夢を叶えるためにナッツハウスを去っていった。「同窓会の会場に使っていいよって、かれんさんから鍵を渡されたの」どうして隠れていなければいけないのか、ばからしく思えてきたのぞみは堂々と彼らの前に姿を現すことにした。「クレープ王女……。楽しい食事会のはずがこんなことになってしまって、すまない」「ココ国王のせいじゃないクク。クレープは自分の意思で招待を受けたクク」もしかすると、うららは自分のことをかれんの恋人と思ったのかもしれない。そんな想像をして勝手に面白がり、口元を緩める。体を起こそうとしたミルクを制して、ナッツは傍にあった椅子に腰かけた。「今日が大学の卒業式だったらしいミル。あんなこともあって、きっと疲れてるミル」春日野うららに歌手デビューの話が持ち上がったとき、のぞみ達は嬉しさのあまり彼女が悩んでいることなど知りもしないで追いつめてしまった。ところが、春日野うららの名前が目に入った途端、シロップはそれまで考えていたシナリオなど忘れて通話ボタンを押していた。受話部を耳から離して電話が切られるまでの間、うららが何か言ったような気がしないでもなかったが、もはやシロップにとっては取るに足らないことのように思えた。不気味なほど静かすぎる夜も、一人にしてほしいのにわざわざ暗闇の中で彼女を照らし出す月明かりも、好きになれなかった。のぞみは足音を立てないようにして階段を降りていった。彼の声が近づくにつれて心臓の脈打つ音が、体の外にまで漏れているのではないかというくらい激しくなる。リビングに入るのと、音の発信源を突き止めたのはほぼ同時だった。ソファに置き去りにされた、かれんのかばん。その中で初期設定のままの着信音が、鳴り続けている。かれんは相変わらずシャワーを浴びているらしい。つまり、扉の向こうで電子機器などを操作する者もないはずだ。髪が伸び、化粧もして落ち着いた服を着たのぞみの姿を、ココはしばらく見つめていた。水無月邸に帰る道すがら、ナッツにこれまでの経緯を説明したシロップは、話しながら心の内に奇妙な感情がこみ上げてきて、それを抑えるのに苦労していた。彼はその質問には答えず、リビングの扉の方を振り返った。かれんが風呂から上がってくる様子はない。「そうだな……。もしかしたら、シロップが見つけてくれているかもしれない。一旦かれんの家に戻ってみよう」ナッツの性格を熟知しているミルクは素直に頭を枕の上に乗せると、そのままの姿勢で微笑んだ。屋上から自分の生まれ育った街を眺めながら、のぞみは誰でもいいからこの場所を訪れてくれないかなと期待して、無為な時間を過ごしていた。廊下に出たシロップを引き留めたのは、リビングから聞こえる妙な音。彼らがさきほど玄関から入ってきたとき、それはたしかに聞こえなかった。下の階から声が聞こえたとき、のぞみはそれを幻聴と決めつけようとした。もしも彼が近くにいるのだとしたら、それはあまりにも都合が良すぎると思ったから。こんな当たり障りのない会話をするくらいだったら、今日のところは帰って勉強でもしていた方がましだ。せっかくの再会なのに、自分の嫌なところを彼に見せたくない。それからの沈黙は、二人にとって果てしなく長い時間のように感じられた。お互いの呼吸の音と、虫の鳴き声だけがその空間に響く。思いがけない男の声に、彼女はきっと携帯電話の画面を確認したのだろう。やや間があって、うららは事務的な口調で尋ねた。森閑とした屋敷は、先ほどまでの印象とは打って変わって彼らの侵入を拒絶しているように思えた。のぞみは何てことないといった様子で笑顔を繕い、ナッツハウスの鍵を彼に見せた。投函された手紙を勝手に読むのと同じくらい、携帯電話に登録された連絡相手を知ろうとするのは禁忌であるという情報を、シロップはテレビから得ていた。しかし、今は緊急事態である。罪悪感と一緒に、かばんから携帯電話を取り出そうとする。「……そうだ。こんなときに不謹慎かもしれないけど、縁談の話は……」そんなことも分からないのかと、シロップは彼女の勘の鈍さを軽蔑した。昔は色んなことに気の利く人のいい性分だったのに、今では彼女の声や話し方の些細な癖まで彼を苛々させる。

『Yes!プリキュア5』(イエス・プリキュア・ファイブ)は、東映アニメーション制作のTVアニメ作品。『プリキュアシリーズ』第4作にして3代目のプリキュアである。 本項目では第5作にあたる『Yes!プリキュア5GoGo!』(イエス・プリキュア・ファイブ・ゴーゴー)についても解説する。 第1話『復活! プリキュア5!』第2話『のぞみとココ 悩める再会』第3話『運び屋シロップの友達』第4話『うららの台本を届けろ!』第5話『生徒会長かれんへの手紙』第6話『ドーナツ国王目覚める! プリキュア流砂から救う!キュアアクアVSアラクネア!Yes!