?配信と劇場で同時公開 行定勲監督が語る観客への新しい映画の届け方ニコール役のスカーレット・ヨハンソンは、じつはこの『マリッジ・ストーリー』の撮影に入る直前に、自身も離婚の問題に直面していた。2013年に結ばれ、2番目の夫となったフランス人ジャーナリスト、ロマン・ドリアックとの間に1児をもうけたスカーレットは、2017年に彼との離婚が成立。バームバック監督とのミーティングで、スカーレットは離婚で悩む心情を吐露したという。まさに彼女自身の当時の境遇が、ニコール役と一致。バームバックだけでなく、スカーレットにとっても“自分をさらけ出した”作品になっているのだ。劇中、弁護士に相談するシーンで、ニコールは徐々に感情を乱し、最後は涙ながらに複雑な思いを訴える。長いワンショットで撮られたこのシーンは、本作でも最大の見どころであるのと同時に、スカーレットのこれまでの演技の集大成という気がする。近年はマーベルのブラック・ウィドウ役や、『LUCY/ルーシー』(14年)などアクション女優としての印象が強いスカーレットだが、『モンタナの風に抱かれて』(98年)など子役時代から発揮し続けてきた彼女の才能を、改めて認識させられるのだ。これらの長所と短所が伏線として、その後のストーリーの重要なポイントで生かされていたりする。冒頭で二人の個性を知った我々観客は、彼らの行きつ戻りつする心の揺れを一緒に味わい、じんわりと胸を熱くしてしまうのである。『運び屋』『グラン・トリノ』のイーストウッドは“表と裏”!その関連性と魅力に迫る倉科カナ、出戻り父・伊勢谷友介に手を焼くが川本家を繋ぎ止めたのは“食事”だった小栗旬主演の伝説のドラマ『BORDER』続編がいよいよ放送!前作を振り返っておこうミス・ストイック女優・広瀬すず その成長ぶり、まさにちはやぶる シンガーソングライターとしての活動がメインのランディではあるが、映画/テレビドラマの分野でも優れた実績を上げている。 ジュリアード出身のアダム・ドライバーが『マリッジ・ストーリー』で響かせた美声。 【圧巻の歌唱力を誇る俳優vol.3】 By YUKI TOMINAGA 2020年1月22日 つまり歌詞がチャーリーとニコールの心情にさりげなく、しかし強烈にリンクするのだ。 その思いを、マイクを握って表現するアダム・ドライバーの熱唱は、おそらく『マリッジ・ストーリー』の中でももっとも忘れがたい時間になるはずだ。 ディズニー/ピクサー映画で友情讃歌を歌っているオジサン。ノスタルジックなアメリカの風景を美しいオーケストラ音楽で彩るマエストロ。シニカルな歌詞で世の中を風刺する頑固オヤジ……。人によって、これほど印象が異なるアーティストも珍しいかもしれない。このように、アメリカを代表する作曲家/シンガーソングライターのランディ・ニューマンは、多才でユニークな人物である。「セイル・アウェイ」や「ショート・ピープル」など、ランディの辛辣なユーモアが炸裂する歌は、発表当時物議を醸すこともあったという。しかし、彼は“あえてイヤな奴を演じて歌う”というスタイルで、アメリカの「影の部分」に鋭く迫ったり、シニカルな歌詞を通して「人間というのは(自分も含めて)こんなものです」と自虐的に分析したりする、人間観察力と洞察力に優れたストーリーテラー的なアーティストと言えるだろう。伯父/叔父のアルフレッド・ニューマン(『慕情』『王様と私』ほか)、エミール・ニューマン(『我等の生涯の最良の年」『ジャンヌ・ダーク』ほか)、ライオネル・ニューマン(『紳士は金髪がお好き』『ハロー・ドーリー!』ほか)は映画音楽界の伝説的存在で、従弟らのデヴィッド・ニューマン(『ギャラクシー・クエスト』)、トーマス・ニューマン(『007 スカイフォール』)、ジョーイ・ニューマン(『チョコレートドーナツ』)も映画音楽家。さらに従妹のマリア・ニューマンは作曲家/ヴァイオリニストという、名門音楽家一族“ニューマン・ファミリー”の一員であるランディは、ソングライターとしてキャリアをスタートさせた。プーチン大統領を題材にした「Putin」や、テレビシリーズ『名探偵モンク』(2002年~2009年)のテーマソング「It’s a Jungle Out There」を収録した2017年のアルバム「Dark Matter」でもランディのシニカルなユーモアは健在なので、辛口のジョークと数々の示唆に満ちた詞の世界を是非一度味わって頂きたいと思う。この作品でコラボレートして意気投合した二人は、今回『マリッジ・ストーリー』(2019年)で再びタッグを組み、作曲賞を含む6部門でアカデミー賞にノミネートされた。そしてランディは『トイ・ストーリー4』(2019年)の挿入歌でも歌曲賞にノミネートされている。ランディの音楽は、夫婦の言い争いのシーンなどではほとんど使われておらず、日常の何気ないシーンで流れることで、そこに特別な意味を与えているように聞こえるのが興味深い。日常の穏やかな時間に交わされるやり取りや、ちょっとした行動の中に、チャーリーとニコールの心の優しさや、息子への愛情が現れているのだと示唆しているかのように——。自身のソロ作でロマンティックな曲も多数発表しているランディらしい、ベテランの技が光る美しいメロディのスコアである。『マリッジ・ストーリー』は、ある夫婦の離婚のプロセスを描いた物語ということで、ランディはパーソナルな内容に合わせて、慎ましやかな室内オーケストラ音楽を作曲している。『トイ・ストーリー』シリーズなどでのスケール感のある音楽に比べて、ストリングスや木管楽器などが少人数で演奏されているため、チャーリー(アダム・ドライヴァー)とニコール(スカーレット・ヨハンソン)の内面がデリケートに描かれたスコアになっている。近年はディズニー/ピクサー映画の仕事が多かったランディを、久々に実写映画の世界へ呼び戻したのが、『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』(2017年)の鬼才ノア・バームバック監督だった。第92回アカデミー賞では、ランディと共に従弟のトーマスも『1917 命をかけた伝令』(2019年)で作曲賞にノミネートされている。ニューマン・ファミリーの従兄弟同士が顔を揃える作曲賞の行方にもご注目頂きたい。1968年にデビューアルバムをリリースし、今日まで11枚のスタジオアルバムを発表。ユーモアとペーソスを交えて世の中(特にアメリカ社会)を風刺してみせる独特な作風と、優れたメロディセンス、伯父/叔父譲りの編曲テクニックでファンに長年愛されている。シンガーソングライターとしての活動がメインのランディではあるが、映画/テレビドラマの分野でも優れた実績を上げている。今日まで30本前後の作品で音楽を担当し、アカデミー賞の作曲賞・歌曲賞に20回以上ノミネート。『モンスターズ・インク』(2001年)と『トイ・ストーリー3』(2010年)で歌曲賞を受賞している。 ツイステッドワンダーランドの オープニング映像にも使用されている主題歌 「Piece of my world」 ツイステッドワンダーランドの世界観に とてもよく合っている曲で 気がつくと頭の中を回っています。 Piece of my world歌詞耳コピ! 歌詞が気になって仕方ないのですが、 『マリッジ・ストーリー』と『トイ・ストーリー4』で第92回アカデミー賞の作曲賞・歌曲賞にノミネート. 「皆が思いやりや想像力をもつ」という事を伝えたい 『君が世界のはじまり』ふくだももこ監督常識に囚われると真実は見えてこない――脚本家・古沢良太が『コンフィデンスマンJP』に仕掛けたもの園子温監督&冨手麻妙に聞く『アンチポルノ』の世界。冨手がヌードになれた理由とは?単に相手のことが愛せなくなったから、別れるのではない。別れを決意しても、やはり最高のパートナーではなかったかと後悔する…。ある意味、よくあるカップルの心のすれ違いに感情移入するうえで、ノア・バームバックは絶妙な“掴み”で勝負する。映画のオープニングで、チャーリーとニコール、それぞれの長所と短所を相手が説明するシークエンスが、そのあまりのテンポの良さが観る者の心を掴むのだ。「求められているのは、好きなときに好きな作品を観られること」広報担当者が語るNetflixの原点そんなバームバックの演出に応えるのが、主演二人だが、彼らはともにキャリアで最高レベルの演技を披露していると断言してもいい。チャーリーから見たニコールは、「負けず嫌い」「贈り物のセンスがいい」「僕を放っておいてくれる」など。ニコールから見たチャーリーは、「私の機嫌が悪くても耐え、私に罪悪感を抱かせない」「メニューが決められない」、そして(同じく)「負けず嫌い」といった具合。浜辺美波、信頼できる北村匠海との初キスに「お世話になりました」『キャプテン・マーベル』とは一体何者?90年代カルチャー、女性キャラ誕生の背景まで解説!同じくチャーリー役のアダム・ドライバーも『スター・ウォーズ』シリーズのカイロ・レン役が有名であるものの、個性あふれる演技派としてキャリアを積んできた。ノア・バームバック監督とは『フランシス・ハ』、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』、『マイヤーウィッツ家の人々』(17年)で組んでいるので、監督の分身的存在とも言える。ニコールや息子ヘンリーへの思いと、自分の仕事と葛藤する姿を、時に熱く、時にとぼけた味わいも織り交ぜながら表現するアダムの妙演は、全編にわたって、こちらも忘れがたいインパクトを残す。あえて1か所、挙げるなら“歌”のシーンだろう。アダムが歌う曲は『Being Alive』。ブロードウェイの伝説的存在、スティーヴン・ソンドハイムのミュージカル『カンパニー』の1曲で、バーブラ・ストライサンドら多くのアーティストにカヴァーされ、ドラマ『glee/グリー』などでも使われた名曲だ。『カンパニー』でもクライマックスで歌われ、愛の真実を突きつける役割を果たしている。つまり歌詞がチャーリーとニコールの心情にさりげなく、しかし強烈にリンクするのだ。その思いを、マイクを握って表現するアダム・ドライバーの熱唱は、おそらく『マリッジ・ストーリー』の中でももっとも忘れがたい時間になるはずだ。HBOの本領発揮、傑作ドラマ『チェルノブイリ』が暴く原発事故の真相高い身体能力と確かな演技力で役柄にリアリティを与える俳優・佐藤健の魅力『二人ノ世界』W主演 永瀬正敏×土居志央梨はヒーローものやSF映画に興味あり!