環境省は4日未明、世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県、沖縄県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が登録を延期するよう勧告したと発表した。6月24日か さあ、世界へ 奄美大島、徳之島、沖縄本島北部及び西表島 目指せ! 環境省は4日未明、世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県、沖縄県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が登録を延期するよう勧告したと発表した。6月24日から中東バーレーンで開かれるユネスコ世界遺産委員会で最終審査があるが、勧告通りに決まれば、今年の登録は見送られることになる。一方、生態系の基準はそれぞれの地域で推薦地が分断されていることなどから「持続可能性に重大な懸念がある」として「合致しない」と否定。生物多様性に関しては、沖縄島北部にある旧米軍北部訓練場を推薦地に含めるなど、保護の強化を条件に基準をクリアする可能性を示した。選定した推薦地について、遺産の価値を持たない地域の排除も含めた再検討や、北部訓練場の統合、私有地の取得など推薦書の見直しが求められたほか、保護管理について、希少種を襲う野生化した猫(ノネコ)に関する対策に加えて、生物多様性を脅かす他の外来種にも対策を拡大することや、観光地の適切な管理などを課題に挙げた。日本の世界自然遺産は1993年の白神山地(青森、秋田)と屋久島(鹿児島)、2005年の知床(北海道)、11年の小笠原諸島(東京)の4件。今のところ奄美・沖縄の他に推薦の予定はなく、国内最後の候補地とされている。奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 日本列島の南端、約1200キロにわたって弧状に点在する琉球列島の一部。大陸との分離・結合を繰り返した地史などによって生物が独自の進化を遂げ、希少種や固有種も含め多様な動植物が生息・生育している。アマミノクロウサギやヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなど、候補地の4地域に分布する陸生動植物の86種がIUCNのレッドリストに記載された絶滅危惧種。そのうち固有種が70種を占める。世界遺産委員会では、諮問機関が登録を勧告した文化遺産候補の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)の審査も行われる。IUCNの勧告は、▽登録▽情報照会▽登録延期▽不登録―の4段階。登録延期は下から2番目の厳しい評価で、推薦書の本質的な見直しが求められる。日本推薦の自然遺産候補地が登録以外の勧告を受けるのは初めて。政府は2017年2月、ユネスコ世界遺産センターに「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の推薦書を提出。推薦区域は▽奄美大島 1万1544ヘクタール▽徳之島 2434ヘクタール▽沖縄島北部 5133ヘクタール▽西表島 1万8835ヘクタール―の計3万7946ヘクタール。同年10月にIUCNが現地調査を行った。世界遺産委員会では委員国21カ国が勧告を踏まえて審議する。登録延期が正式に決まれば、推薦書を出し直した後、再びIUCNの現地調査を経て審査を受ける必要があり、登録は早くても数年後に持ち越される。勧告では、日本が世界遺産に相当する価値として推薦書で示した「生態系」「生物多様性」の二つの評価基準について、生物が独自の進化を遂げたことや、固有種や絶滅危惧種の多さには評価を示した。 サイト内の記事・写真・その他の著作権は沖縄タイムス社が所有・管理しています。許可なく複写・転載することは固くお断りいたします。二つの評価基準のうち「生態系」では、推薦した計約3万8千ヘクタールが24区域に分断され、本島北部や徳之島では飛び地も多いため「基準に合致しない」とした。「生物多様性」は絶滅危惧種や固有種の多さを高評価。2016年に返還された北部訓練場の一部を推薦地に加えるなど全体的な区域の見直しや再構成をすれば「基準に合致する可能性がある」と評した。政府が17年2月に提出した推薦書には北部訓練場の返還地を対象に含んでおらず、今年7月をめどにやんばる国立公園に編入し、将来的には自然遺産に組み込む方針だった。推薦地に隣接する北部訓練場の影響について奥田課長は「マイナスに働いたとは理解していない」と話した。【東京】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は4日(現地時間3日)、政府が世界自然遺産に推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)について、推薦書の抜本的な改定を求め「登録延期」を勧告した。政府が4日発表した。最終的な登録の可否は、6月24日から7月4日までバーレーンである世界遺産委員会で決まる。今年の登録は厳しい見通し。政府と県は勧告を精査し、6月8日までにユネスコへ追加資料を出すことも検討する。今夏の世界遺産委の正式審査で延期が決まれば、環境省は「生物多様性」に重点を置いて推薦書を改定して再提出する方針。再びIUCNの調査を受ける必要があるため、最速でも次の審査は20年夏になる。一方、江戸時代を中心としたキリスト教禁制の歴史を伝える「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)について、ユネスコの諮問機関は世界文化遺産に登録するよう勧告した。 !世界自然遺産!奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の4地域が推薦候補地として選定されました。沖縄県は、鹿児島県の奄美大島、徳之島とともに、沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録を目指しています。 沖縄の世界遺産(せかいいさん) 沖縄では、「城」という字をあてて「グスク、グシク」と読みます。 グスクがつくられ始めた時期はよくわかっていませんが、15世紀ごろには建物もできてお城として完成 … 【東京】政府は1日、世界自然遺産登録を目指していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦をいったん取り下げることを閣議了解した。今夏の登録は断念し、最短で2020年夏の登録を目指す。 世界自然遺産候補地 ~奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島~ 奄美大島や徳之島をおおう国内最大規模の亜熱帯照葉樹の森。 年間降水量3,000mmにもおよぶ恵みの水にたたえられた湿潤な森は、大陸との結合・分離を繰り返した地史を反映し、多くの固有種を育んできました。 1.1 奄美群島の概要とこれまでの登録に向けた動き; 2 奄美・沖縄など観光資源が、世界自然遺産登録されることの効果3つ. 2.1 効果1:地域の知名度が高まり、観光客が増える; 2.2 効果2:地域のブランド力が向上する
環境省は4日未明、世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県、沖縄県)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が登録を延期するよう勧告したと発表した。6月24日から中東バーレーンで開かれるユネスコ世界遺産委員会で最終審査があるが、勧告通りに決まれば、今年の登録は見送られることになる。一方、生態系の基準はそれぞれの地域で推薦地が分断されていることなどから「持続可能性に重大な懸念がある」として「合致しない」と否定。生物多様性に関しては、沖縄島北部にある旧米軍北部訓練場を推薦地に含めるなど、保護の強化を条件に基準をクリアする可能性を示した。選定した推薦地について、遺産の価値を持たない地域の排除も含めた再検討や、北部訓練場の統合、私有地の取得など推薦書の見直しが求められたほか、保護管理について、希少種を襲う野生化した猫(ノネコ)に関する対策に加えて、生物多様性を脅かす他の外来種にも対策を拡大することや、観光地の適切な管理などを課題に挙げた。日本の世界自然遺産は1993年の白神山地(青森、秋田)と屋久島(鹿児島)、2005年の知床(北海道)、11年の小笠原諸島(東京)の4件。今のところ奄美・沖縄の他に推薦の予定はなく、国内最後の候補地とされている。奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 日本列島の南端、約1200キロにわたって弧状に点在する琉球列島の一部。大陸との分離・結合を繰り返した地史などによって生物が独自の進化を遂げ、希少種や固有種も含め多様な動植物が生息・生育している。アマミノクロウサギやヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなど、候補地の4地域に分布する陸生動植物の86種がIUCNのレッドリストに記載された絶滅危惧種。そのうち固有種が70種を占める。世界遺産委員会では、諮問機関が登録を勧告した文化遺産候補の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)の審査も行われる。IUCNの勧告は、▽登録▽情報照会▽登録延期▽不登録―の4段階。登録延期は下から2番目の厳しい評価で、推薦書の本質的な見直しが求められる。日本推薦の自然遺産候補地が登録以外の勧告を受けるのは初めて。政府は2017年2月、ユネスコ世界遺産センターに「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の推薦書を提出。推薦区域は▽奄美大島 1万1544ヘクタール▽徳之島 2434ヘクタール▽沖縄島北部 5133ヘクタール▽西表島 1万8835ヘクタール―の計3万7946ヘクタール。同年10月にIUCNが現地調査を行った。世界遺産委員会では委員国21カ国が勧告を踏まえて審議する。登録延期が正式に決まれば、推薦書を出し直した後、再びIUCNの現地調査を経て審査を受ける必要があり、登録は早くても数年後に持ち越される。勧告では、日本が世界遺産に相当する価値として推薦書で示した「生態系」「生物多様性」の二つの評価基準について、生物が独自の進化を遂げたことや、固有種や絶滅危惧種の多さには評価を示した。