パラサイト 半地下の家族. 映像化された「21世紀の資本」は怖かった。 民主主義が消滅する未来をみたからだ。 欲望はやがて独裁をうむ。 独裁ほど 資本主義との相性が良いものはないだろう。 この映画は私を試している。 — 堀潤 (ジャーナリスト/キャスター) 2020年7月24日鑑賞映画『21世紀の資本』『海底47m 古代マヤの死の迷宮』『waves ウェイブス』『war ウォー! 映画『ピース・ニッポン』は、7月14日(土)より 新宿バルト9ほかにて全国ロードショー。 製作した期間8年。日本の四季の絶景を圧倒的な美しさと迫力で映画化しました。 “一期一会&#8221 …鉄道、大量生産、鉱山資源など、世界中に広がる産業革命は、1914年とうとう世界大戦を引き起こします。第一次世界大戦は、愛国心を煽った資本の取り合いの戦争でした。現在、IT企業の凄まじい上昇は、タックスヘイブンを利用した大金を稼げる仕組みを作り上げています。税金を支払わない企業と国税局との対立です。そんな未来を迎えないために、まずは資本に興味を持ち、仕組みを知り、国のトップを自分たちで選びましょう。途端に、国家が経済を管理する社会主義国になった東ドイツの人々は戸惑い、西ドイツに逃げようとします。当時は、自由競争で個人や企業が利益を追求できる資本主義が指示されていたからです。ベルリンの壁が崩壊する1989年までの間、多くの市民が逃亡の際、命を落としてきました。医療制度の見直し、平等な学校教育、労働者のための福利厚生など平等性が求められます。勤勉さと努力で、豊かな生活も地位も築ける世の中。中産階級の誕生です。今作『21世紀の資本』の映像化にあたり、著者ピケティが自ら監修をし出演も果たします。誰もが理解出来るように、難しい数式などは使用せず映画や小説、ポップカルチャーを取り入れ映像で表現しました。先進国のシェアが低下し、中国を中心とした新興国のシェアが上昇。世界経済の勢力図が変化していきます。資本主義は、貴族など一部の金持ちがはびこっていた格差社会から、自由な経済活動で中産階級が出現することで、所得格差が縮まり所得分布が平等な社会になるとされていました。ところで、この映画の中で大変興味深い実験結果が紹介されています。カリフォルニア大学の心理学教授が行った、人生ゲームを使った実験です。日本を離れアジアに飛んだ空族の映画制作の核心を明かすメイキング・ドキュメンタリー映画『潜行一千里』。 富田克也監督作品『バンコクナイツ』の撮影の旅を追った映画『潜行一千里』は、12月16日(土)より新 …そして現代、資本主義国では格差問題が深刻化しています。ピケティは宣言します。「18世紀から19世紀にかけて起こった凄まじい格差社会が、今まさに復活しているのだ」と。1987年上映された映画『ウォール街』は、世界の金融市場の中心地、アメリカ・ウォール街を舞台に、若手商社マンによる企業買収の実態を描いた社会派金融サスペンスです。ハイパーインフレと呼ばれる状態は、樽一杯に紙幣を詰めてもパン一斤すら買えませんでした。Copyright © 2020 Cinemarche1948年から勃発したイスラエルとアラブ諸国の中東戦争は、約30年間にも及びました。第四次中東戦争を機にアラブ産油国からの石油が高騰し、世界で高インフレが起こります。2008年、アメリカの投資銀行、リーマン・ブラザーズ・ホールディングが破綻。世界規模の金融危機となったリーマンショックです。映画化では700ページを超える本書の内容をぎゅっと凝縮。資本の観点から過去300年の世界の歴史を時系列に並べ、当時の資料映像を挟みながら、著書のピケティをはじめ、様々な専門家が分かり易く解説してくれます。イギリスでは、18世紀中頃から産業改革が進みます。産業改革は資本主義生産様式を確立させますが、労働者は無権利で保証がなく、やはり格差を生み出します。労働者の地位向上を求めストライキが頻発します。映画『怒りの葡萄』(1940)に見られるような、農業不況の折、機械化で儲けようとする資本家たちが、貧困農民層を立ち退かせるという横暴ぶりも、自国の経済を衰退させていきました。資産を持てば持つほど、他人のために平等に分けるという行為には至らず、さらに資産を増やそうとしてしまいます。太鼓と笛の音、盆唄が聞こえてくる。自然と体が踊りだす。心が躍りだす。それは先祖代々受け継がれてきた魂の音。 2011年3月11日、東日本大震災。未曾有の震災は、多くの人の命を奪い、また積み上げて来た土 …金持ち役は、たまたまスタート時点からサイコロを2個持っていただけなのに、ゲームに勝ったのは自分の実力であるかのように傲慢な態度をみせます。自分は他人より優秀であると勘違いしているようでした。これはとても怖い心理です。19世紀初めのパリでは、ブルジョア層と民衆の貧富の差が大きく、絶対王政に苦しむ民衆が平等と自由を求め革命が続きます。その時代を描き出した映画には『レ・ミゼラブル』(2012)が挙げられます。格差社会を逃れようと多くの難民がオーストラリアやカナダへと向かいました。しかし、待っていたのは、植民地における奴隷制度、広大な土地を所有する金持ちの支配でした。人々の怒りは、差別や移民叩き、政治デモへと向けられます。これは、時代が逆戻りしている状態です。ジャーナリストの池上彰氏も、本作に寄せたコメントの中で「まずは、映画で現実を直視しよう」と言っています。ロンドンでは、経済の停滞と物価の上昇が併存。失業率は増加するのに、賃金や物価は値上がりし、抗議デモが激しさを増します。財政破綻の末、国際通貨基金から融資を受けることに。「ドイツ国民よ立ち上がれ」。そのファシズムは、1939年、世界を巻き込む第二次世界大戦の火種となりました。俗にいうオイルショックを経験し、世界はグローバル化していきます。アメリカは、日本車の参入で自国の産業開発に失敗。アメリカ資本独占の時代が衰退へと向かいます。フランスの経済学者トマ・ピケティの著書「21世紀の資本」を映像化した社会派ドキュメンタリー映画。フランスの経済学者であるトマ・ピケティは、パリの経済学校教授であり、2002年にはフランス最優秀若手経済学者賞を受賞しています。軽快な映画音楽は、フランスのエレクトロポップデュオ『エール』のジャン=ブノワ・ダンケルが担当しています。日本の資本主義は、明治維新以降とされています。日本では「一億総中流」という言葉が盛んに使用されたように、他国に比べると貧富の差を抑え、社会保障等で貧困を減らしてきたように見えます。資本の肥やし期、バブルは一気にはじけます。1930年前後、アメリカニューヨークを皮切りに起こった世界恐慌。ウォール街の株価大暴落、金融崩壊、貿易戦争による倒産、失業が襲い掛かります。ITの発達で、ますます失業率が高まるであろう未来に、資本の平等を考え直さないととんでもない格差社会が待っているのです。ピケティが実証した資本主義社会の諸問題を、世界中の著名な経済学者や歴史家、評論家の証言を加え、映像化しています。映画『プライドと偏見』(2005)に見られるように、18世紀のイギリスでは女性に相続権はなく、豊かな財政の男と結婚するのが幸せとされていました。身分の差が問われる時代です。今世紀最大のベストセラー経済書『21世紀の資本』。著者のトマ・ピケティが自ら解説で登場し、本の内容を映像化した『21世紀の資本』を紹介しました。金持ち役と一般市民役にわかれ、人生ゲームをスタートさせます。金持ち役は、最初からサイコロを2個振ることができます。サイコロを振れば振るほど、人生に差が出来ていきます。この問題は、個人の力ではどうにも出来ないものであり、社会全体で取り組まなければならない大きな問題です。1961年、ドイツのベルリンに突如、東西を隔てる壁が建てられました。米英仏の統治する資本主義の西ドイツと、ソ連が統治する社会主義の東ドイツに分けられたドイツ。金融緩和で、カードローンを始め借金が気軽に出来る時代へ。さらにグローバル化で、より安くより早く買えるカード支払いは、借金の膨らみで返済不能へと陥ります。2017年9月2日(土)より、ポレポレ東中野にて上映が行われる映画『ひいくんのあるく町』。 大学の卒業制作として制作されたこの作品は、町を巡回する1人の人物に焦点を当てながら、囁くように、今の日本各地 …資本の成長率(年4~6%)は、経済の成長率(年1.6%~)よりも高いという調査結果も出ています。社会権力の集中です。映画の予告でピケティは言います。「21世紀は恐ろしい時代に突入する。それは、歴史が証明している」と。世界恐慌は資本主義国の経済に大きな打撃を与えました。植民地を持つ大国イギリス、フランスはブロック経済を、日本など植民地を持たない国は新たな資源を求め侵略行為に走りました。アートを凌駕し、ファッションそして音楽をも刺激する天才アーティスト、バスキア。 没後30年を迎え、その秘密に迫るドキュメンタリー映画が誕生しました。 バスキアが注目を集める前の1970~80年代ニュー …フランスに住む『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティも、ベルリンの壁の崩壊で受けた衝撃は忘れられないと言います。戦いに勝ったアメリカは、一攫千金を狙った成金たちが裕福層にのし上がります。酒の密輸に株の売買、銀行マンの悪徳取引。映画『華麗なるギャッツビー』(2013)状態です。しかし、日本も他人事ではないのです。高齢化や地域格差、ひとり親世帯の所得差、教育格差、情報格差と、貧困層の拡大が問題となっています。メディアを利用し、政治界に顔を利かせのし上がった、第45代アメリカ大統領。資本主義が生んだ怪物、あの男が君臨します。「21世紀の資本」は、35カ国で翻訳され、経済学書としては異例の300万部という売り上げを記録しています。日本でも2014年に発売されブームとなりました。静かなクーデター。資本主義のもと、市民が権力を持ち個人の自由を尊重する民主主義を利用し、一部のエリートがお金で政治を買うようになります。「頑張れば誰でも金持ちになれる」。それはウソです。一般人は、働いても賃金は上がらず、国からの充分な補償も受けられず、税金は上がるばかり。会社に所属しながらもフリーランスのような安定しない暮らしです。時を同じくしてドイツでは、第一次世界大戦の敗北により多額の戦争賠償を支払わされ、貧困に陥いっていました。18世紀のヨーロッパでは、一部の貴族が資本を蓄え国を支配していました。出世も結婚もお金次第。金貸しで資金を増やし、土地を買い占め、資本と権力は代々相続されました。1981年、アメリカではレーガンが第40代アメリカ大統領に就任。スト参加者をクビにするなど、労働者への厳しい政策を打ち立てます。第二次世界大戦は、1945年終戦を迎えます。多くの犠牲を払い人々は、互いの人間性を尊重し合う啓蒙主義に目覚めます。資本を破壊し、国債の価値を下げ、社会の力関係を変えました。大規模なインフラ政策に乗り出したのが、1931年大統領に就任したルーズベルトです。地域開発に力を入れ、雇用と経済成長を促しました。1933年、アドルフ・ヒトラーが首相へ就任。ナチズムにより国民のあらゆる活動を統治し、義務付けることで結束をはかりました。世の中に渦巻く格差社会への不満や政治不信。現代の資本主義の実態がわかる『21世紀の資本』を紹介します。映画『エリジウム』(2013)では、資本家が住む豊かなスペースコロニー「エリジウム」と、荒廃した地球に住む貧困層に分けられた世界を描いています。世界は高度経済成長期へと移り変わます。資源開発、技術革新、豊富な労働力、貯蓄率の向上、人々は快適な生活を手に入れたかのようでした。 7月31日(金)公開.