問題点は、ベースステーションの付け外しがものすごく面倒なこと。高い位置に固定した土台にベースステーションを取り付ける際、ねじったり押し込んだりといった作業が必要なのだが、これが結構難しい。場所を確保したら、次に2個のベースステーションを対角、かつ高い位置に固定する必要がある。ベースステーションは、ヘッドセットやコントローラーの空間位置を正確に読み取るためのセンサーで、正しくセットしないとルームスケールを実現できない。筆者のように賃貸物件に住んでいる人にはこの方法は難しく、違う手段を探すほかなかった。筆者は最初、この方法を選ぶつもりでいたのだが、先述の天井へのダメージや、長期の使用によって跡が残る可能性が頭をよぎった。十分妥協できるアイデアなのだが、もう少し冴えた手がないだろうか?もっとも、6×6メートルというと、和室で言うと20畳ほどの広さになるので、なかなか実現は難しい。ちなみに初代ベースステーションでも最大だと6畳強の広さになる。横から見たところ。ピンも十分出ているように見える(実際の固定時は3本釘のピンを使用したが、こちらでも十分に固定できるのを確かめている)© THIRDWAVE CORP. All Rights Reserved.ベースステーションの土台。ネジ用の穴が2つ空いており、そこにピンを差し込む。PC用からスマートフォン、ゲーム機などで様々なVRヘッドセットが発売される中、HTC VIVEは部屋全体をプレイ空間にする“ルームスケール”を実現できるのが特徴だ。最大で対角5メートルのスペースを自由に移動でき、広いVR空間を実際に移動できることで、高い没入感を実現している。つまりHTC VIVEを購入して自宅でルームスケールを楽しむためには、それだけの場所の確保が要る。雲台が要るならカメラの三脚でいいんじゃないかと思われそうだが、三脚だと高さが足りなかったり、値段が高価だったりするので、ライトスタンドと雲台のセットの方が適している。ベースステーションの裏側には、カメラの雲台に取り付けられるネジ穴が空いているので、この組み合わせで取り付けできる。筆者の仕事部屋は、元々さほど広くないうえにデスクや書棚もあり、ルームスケールの最小の広さを取るのもギリギリだった。そのため、より広いスペースを確保できる案を探した。筆者は色々な設置方法を検討した後、見た目にも機能的にもスッキリする方法で取り付けができた。その検討の経緯を含めて、取り付けの様子をご紹介したい。壁をコンコンと叩いて、奥に空洞のような響きが感じられれば概ね刺せるが、硬く響かない部分には大抵刺さらない。対角で2メートル以上の高さに刺せる場所を探し、ベースステーションを固定した。ルームスケールのサイズは、最大だと対角5メートルだが、最小でも2×1.5メートルのスペースが必要だ。範囲内に物があったりして、長方形がへこむような形は許されない。さらに実際のプレイにおいては、腕を大きく動かすようなVRコンテンツもあるため、前後左右にプラス数十センチメートルの余裕と、手を上に伸ばしても問題ない程度の高さも欲しい。土台を壁の高い位置に取り付けた。あまり端過ぎるとピンをきちんと刺せなくなるので、少しだけ余裕をもって取り付けたい。壁の穴開けを回避する方法の中では最も手軽で、価格はライトスタンド2台分で数千円から入手できる。ライトスタンドと雲台をセットにしてHTC VIVE用をうたっている商品も多数販売されており、安心して購入できるのもメリットだ。またHTC VIVEを使わない時に片づけやすいというのもありがたい。第2案は、長い突っ張りポールを用意して、床から天井へ縦に伸ばす方法。これにポールに固定するタイプの雲台を使えば、ベースステーションを天井近くの高い位置に固定できる、という発想だ。紹介した3つの案は、それぞれにメリットとデメリットがある。筆者はピン止めを選んだが、他の場所に持ち出す可能性があるならライトスタンドは重宝するだろうし、部屋に十分な広さがあるなら突っ張り棒の方が楽で安全に取り付けられると思う。最後に電源の取り付けが必要。電源ケーブルはおよそ2メートルなので、配線も事前に確認しておくこと。あまり壁に力を加えるとピンの穴が破損してしまう危険性があり、力が要るのに慎重な作業が求められる。取り付けたらもう二度と外したくないと思う。穴が目立たないピンはいろいろあるが、針1本で固定する画びょうタイプのものは固定力が低いので注意。ベースステーションは通電中、かすかに振動しているため、使っているうちに落下してくる可能性がある。できる限り強力に固定しておきたい。針2本、ないし3本で固定するタイプのピンは、ピン1か所あたり2~4kgくらいの耐荷重と書かれているものが多い。ベースステーションはキロ単位の重さがあるわけではないし、取り付けの土台には2か所の穴があるので、これらのピンなら安心だろうと考えた。ただしピンが使えるのは石膏ボード、またはベニヤ板のような薄い木板の部分だけ。筆者のマンションでは、梁の部分の一部がコンクリートになっているようで、ピンが刺さらない部分があった。また必要なのもピンだけなので、費用が数百円程度で済むというのが素晴らしい。もし引っ越すことになって取り外すとしても、2メートル以上の高さにある画びょうより小さな穴など誰も気づかないだろう。注意すべき点は、天井がそれなりにしっかりした素材であること。薄い木の板や石膏ボードだと、突っ張りポールの力で破損させてしまう可能性がある。かといってしっかり固定できないと、地震の時に外れて倒れたりする危険性が出てくる。ところが、取り付けて起動したところ、ベースステーションのファームウェアアップデートが必要と言われ、すぐに取り外すことになった。ファームウェアアップデートに関しては、PCに届く長いUSBケーブルを用意する、Bluetooth接続を使う、といった方法があるので、予め何かしら対応策を用意しておくといい。第3案は、製品に付属のネジ止め用土台を壁にピンで止めるというもの。ホームセンターや100円ショップなどで、「穴が目立たないフック」等の名前として売られているものがあり、このピンを使って固定してしまおうというアイデアだ。探せばピンのみで販売されているものもある。筆者はこれで数か月使用しており、今もガッチリと固定されている(とはいえ時々チェックした方がいいとは思う)。見た目もスマートで、無駄なスペースを一切使わないので、ベースステーションをいちいち片付けたりするのが面倒だという人にも向いている。ここからが今回の本題。HTC VIVEのマニュアルに書かれているベースステーションの設置方法を見ると、壁にネジ止めせよと書いてある。同梱されているネジはかなり大きく、壁に大きなネジ穴を開けてしまうことになる。天井まで届く長い突っ張りポールは必要だが、きちんと固定できれば安定性が高く、足場の専有面積もかなり小さくて済む。費用的にもライトスタンドを使う場合と変わらないか、より安上がりなものもある。HTC VIVEのセットアップにおいて、多くの人が頭を悩ませるのが、このベースステーションの設置なのだ。さらにベースステーションを追加することで、最大10×10メートルまで拡張可能とされている。欠点は、ライトスタンドを置く場所を部屋の端に空けておく必要があること。ライトスタンドの支柱より後ろはルームスケールには使えなくなるため、プレイスペースが少し狭くなってしまう。またライトスタンドと比べると、一度固定すると外すのが面倒という欠点もある(邪魔にならないなら常設してしまってもいいとは思う)。第1案は、カメラのストロボを固定するために使う「ライトスタンド」に、カメラを固定するための雲台を取り付け、ベースステーションを高い位置に固定するという方法。先日発売されたHTC VIVE Proでは、センサーとなるベースステーションが2.0にバージョンアップし、ルームスケールのサイズが最大6×6メートル(対角でおよそ10メートル)となった。 可視光をフィルターするため、センサーはLighthouseベースステーションから送られる赤外線の光を簡単に感知できます。 オリジナルのVive と非常に似ていますが、Proのなめらかなカバーの下にまるで蜘蛛の巣のようなフォトダイオードが搭載されています。 * VIVE Pro Eyeは4台のSteamVR™ベースステーション2.0ユニットを使用して最大10m x 10mのプレイエリアをサポート、 2台のSteamVR™ベースステーション2.0ユニットの標準セットアップでは最大7m x 7mのプレイエリアをサポート