ご安心ください。 入賞していることからも、問題は一切ないシーンです。ジャンルは……アドベンチャー兼ミニゲーム集、というところでしょうか。 “オモテ”と“ウラ”の世界を行き来しつつ、住人の悩み事を解決していく感じのお話。プレイした全員が全員ツクラー候補生というわけではないでしょうけれども、「自分でもこうした作品をツクりたい!」と思わせられるような作品を周知してくれるという意味で、こうしたコンテストは有意義・有意味だと思います。また、ユーモラスなキャラクターたちも魅力的です。 クスリとさせられるような見せ方・セリフもGoodでしたね。ちなみにこれらの作品は、3DS用の無料ソフト「RPGツクールフェスプレイヤー」でプレイが可能です。 是非遊んでみてください。ゲームとしては手堅く、ユーザービリティーに関する配慮も感じられる作りとなっていて、全体的に高水準な印象です。 ネタや遊びも割と豊富。いずれも短時間で遊べますし、それに伴ってゲームプレイもサクサク進行。 次へ進むヒントもわかりやすく用意されていたりと、手軽さと楽しさを凝縮したような印象ですね。他方、ストーリーも秀逸でした。 そこかしこに伏線や謎を散りばめてあるので、「これはもしや?」「やっぱりそうだったか……」「なるほど、そう来たか!」などと、今回プレイしたタイトルの中では最も楽しませてもらいました。 クライマックスの演出も非常にGood!さりとて、徹頭徹尾ふざけた、あるいは“そういう”ゲームかというとそうでもなく、テーマ性メッセージ性も感じられる作品になっています。最優秀賞受賞者には賞金100万円が贈られるという、「RPGツクールフェス」を使った作品コンテストの結果発表が、先ごろ行われました。“王道と非王道の禁断の融合”を標榜し、また、大作と自身も述べている通り、今回の入賞作品の中ではダントツにクリアまでのプレイ時間が想定される作品です。さて、タイトルに“第一回”と書いたように、既に第二回コンテストの開催も決定しているようですし、気になった方はこれを機に自分の思い描いた作品で名乗りを上げてみてはどうでしょうか。ストーリーに関しては……正直、あまり触れないほうが実際にプレイした時のインパクトに繋がるかと思うので、ふわふわっとだけ書くと、主人公らの目的意識や行動は概ね“王道”、構成する設定の一部や展開は“非王道”といったところでしょうか。それらは経験から引き出されたものである(と思われる)以上、真似や模倣しつつ自分のモノにするのは簡単にはいかないと思います。 しかしそれでも、参考にするのは決して無駄ではない……とも。私はフェスから久しく遠ざかっていたので、入賞作品のほとんどを知らなかったんですが、プレイしてみて納得。 それぞれに良さを出しつつ、遊べるゲームになっているものばかりでした。悪魔を忌み嫌う男と、悪魔が出会った時、何が起こるか? ……こちらはキャラや演出、ストーリーで魅せるタイプのRPG。 特にキャラの見(魅)せ方に秀でていたかなと。しかし、この連鎖を意識的に狙っていくことで戦闘時間は目に見えて減少。 ボスですらもあっという間に葬ることだってできるようになっています。実は、これらの作品の中で唯一、コンテスト開催前にプレイしていた作品でもあります。 当時は発売直後くらいだったのもあり、生き生きとしたキャラたちの挙動やセリフを印象に強く残したのを覚えています。ちなみにマルチエンド搭載ですが、難解な条件があるわけでもないのも○。 キャラ描写や演出について、ツクラーには見るべきところがあると思います。システム面・シナリオ面のどちらもハイレベルでユニークな作品であり、個人的にオススメな作品でもあります。 しかし、ヒロインよりもニコ(♂)のほうがかわいいってどういうことなんだ……。私はツクラーを名乗れるほどじゃない……というか、世に広く公開した作品が現時点でない(身内におしつけたことはある)ので、このように感想を書き連ねるのも色んな意味でどうかと思いつつも、プレイした意義を感じたので記事にしました。……ということで、入賞・受賞作品をひととおりプレイしてみての感想でした。 個人的に特に刺さったのは、既に書いたとおり「ホワイトアウト」と「人生げーむ★救世主版」ですかね。 次点で「ワタシはネコである」かな。中にはレアなマスや別マップが存在していて、とてもとても1周しただけでは回収しきれないアレコレが膨大に詰め込まれています。システム的には特筆すべき点はないものの、その反面、キャラの魅力に全力を注いでいるのが感じられます。 と同時に、まぁ、なんというか、これらの作品の中では最もリビドーが反映されている作品かな、とも……。“救世主に大切なのは『自己啓発』で自分の能力を高めて『人脈作り』で頼れる仲間の絆をツクること!”とのことで、ダイスを振って様々なイベントが待つマスへ進出し、己の能力を高めたり、最後に待ち受ける敵との戦いに備えて仲間づくりや装備の調達などを行っていきます。戦闘の被ダメージによって直接的にやられる(=死亡する)ことはないですが、例によって上まで積み上げてしまうと即ゲームオーバー(ただしその場でコンティニュー可)なので、どの程度まで積み上げるか……を考えるようになると、もう本作にどっぷりな証拠でしょうね。“本格落ちものパズル×王道RPG”とのことで、戦闘シーンは自作の落ち物パズルになっているというユニークなゲーム。ただ、一部のギミックの仕様や、終盤のザコ敵なんかは「うーん……」となる部分もあるものの、前者に関しては発想の転換でどうにかなりそうなレベルですし、後者も無理はないバランスではあるのでさしたる欠点でもないでしょう。この手のパズルには付きものの「連鎖」が本作にも搭載されていて、これがいい感じに機能していますね。 基本的にはチマチマ消していってもいいんですが、それだと戦闘時間がかかりすぎるバランスにはなっています。また、戦闘中に敵に与えた与ダメージによって取得金が変動するのもいいですね。 お金は魔法を強化するなどに使うのですが、与ダメージが報酬に関連づいている以上、魔法の強化と報酬の増額が正のサイクルになっているのが◎。そして最後になりましたが、入賞されたみなさん、おめでとうございます!この記事では、入賞作品をプレイした感想なんかを書いてみようかなと。“救世主版”ということで、最終的には魔王との決戦が待っているんですが、正直なところ、もっとダイスを転がして遊んでいたかったな……という程度には本編の内容が充実。“ハートフル・ハナコメディ”とのことで、トイレの花子さんモチーフのアドベンチャー。 基本的にはテキストを読み進めて楽しむタイプのゲームです。まぁ、本心を言うと「自分がツクらなくても、彼らがもっといいものを・いい形でツクってくれるだろう」とか思っちゃうタチなのでアレですが、こうして他のツクールユーザー(ツクラー)の人たちの作品をプレイすると、少なからず触発されたり何らかの刺激を受けるのも事実で。ミニゲーム集ということで、本編で起きる問題の解決にはたいていミニゲームが付随。 サムネのような釣りだけでなく、パズル的なものや、自作戦闘的なものなど、実に様々なミニゲームが詰まっています。ゲームとしてはオーソドックスなRPGですが、それゆえに、いわゆるJRPG的というかストーリー主導型RPGというか、そうした物語を軸にした楽しみ方ができる作品です。タイトルからもわかる通り、すごろくないしボードゲームタイプの作品です。それぞれに個性が光り、やはり全般的に演出がいいものが多かったように思います。ネタやノリはともかく、ゲームとしては万民向けですし、ツクラーとしては特にユーザビリティーの面で参考になる部分が多いのではないでしょうか。 キャラも立っていますし、コミカルな掛け合いに注目。そんなツクラー未満な私の印象ですと、やはりこうした作品からは学ぶべきところが多いなぁと強く感じます。 ユーザーへの配慮であるとか、キャラの動かし方であるとかシステムの構築とか……。完成させるのはとても大変ですが、その分、完成した時の喜びや、反応をもらえたときの嬉しさはひとしおですので。ボードゲームとしての完成度もさることながら、純粋にゲームとして遊んでいて楽しく、リプレイアビリティー(リプレイ性)も入賞作品の中ではトップ。 こういうゲームが好きならば、長く楽しめるんじゃないかなと。よって、報酬のために敵をオーバーキル気味に倒すなど、RPG的な楽しみにも結びつけているのはすごく良かったと思います。パズル自体は2個以上の同色の宝石(作中では魔石)がくっつくと消えるタイプで、それほど難解なルールではありませんが、このパズルをうまくRPGの戦闘に落とし込んでいると思います。