売上=単価×客数としたときに、本当にマクドナルドは客数、モスバーガーは単価を重視しているのでしょうか。 これを確認するために、両社の既存店の客数と客単価の推移(平成21年度対比)を見てみます。 まずは、それぞれの業績をまとめます。 モスバーガーの業績については以下のようになっています。 2015年3月期の売上高は、660億円ということで最高を記録。 しかし. 2019年3月期の通期決算でモスバーガーの営業利益は8割以上下落した。その後は業績が回復傾向にあるが、去年の食中毒事故の影響もあり予断を許さない。一方でマクドナルドは完全復活を果たし、売上高も順調に伸びている。両社の分かれ目の理由はなんだろうか。 モスバーガーとマクドナルドの戦略から【ポジショニング戦略】を学ぼう. モスバーガーとマクドナルドの売上分析をします . 日本マクドナルドとモスバーガーを展開するモスフードサービスの業績比較。2008年の売上はマクドナルド約4,000億円、モスバーガー623億円。2016年はマクドナルド2,266億円、モスバーガー711億円と … マクドナルドについて4、5年前までは業績が低迷していましたが、今は見事のv字回復を果たすことができました。 マクドナルドの売上高が減少した分、kfcやモスバーガーの売上高が増加しているかというと、そうではありません。kfcやモスバーガーの売上高は、横ばいです。 以上のことから、次のように推測できます。 競合(モスバーガー)よりも低コストであることは間違いないですが、単純なコストリーダーシップ戦略とは言えなさそうです。マクドナルドは低(100円)~高価格(400円超)まで価格帯が広いのに対し、モスバーガーは中価格帯(300円)以上が中心ですが、主力商品で比べると商品単価には大きな差がありません。両社がどんな戦い方をしているか知るために、コスト構造の違いを見ていきます。マクドナルドの成功要因(なぜV字回復したのか)をまとめると次のようになります。ここからは店舗の売上高(会社ではなく、店舗がどのくらい売上をあげているのか)について分析していきます。他方で、モスバーガーは一時的に客単価や客数を増やせても長続きしていません。また平成30年度が落ち込んでいるのは食中毒事件の影響ですね。マクドナルドとモスバーガーを比較すると、こんなイメージではないでしょうか。もちろん、人によってはモスよりもマックの方が好きという方もいると思いますが、いったん仮置きです。今回の分析は、「ここらへんのイメージって本当なの?」を検証することにあります。本当にマクドナルドは客数重視、モスバーガーは客単価重視なのでしょうか。そんなファストフード業界ですが、「うまい」「やすい」「はやい」のどこに重きを置くかは、お店によって特色が出ます。マクドナルドは「60秒サービス(60秒以内に商品が提供できないとハンバーガー無料券がもらえるキャンペーン)」というものをやっていました。ということで、本当にFC比率が高いのか、または、ロイヤリティ率が高いのか確認しました。ここから推察するに、マクドナルドは客回転率を高めることで売上を上げていそうです。果たしてモスバーガーが完全復活するのにどのくらいの時間が必要となるのでしょうか。。。両社を比較すると、マクドナルドの圧勝です。「こんなに差があったの?」というくらいの差です。マクドナルド恐るべし。モスバーガーが「うまい」を重視した差別化戦略は分かりやすいですが、マクドナルドは本当にコストリーダーシップ戦略といえるのでしょうか。これを確認するために、両社の既存店の客数と客単価の推移(平成21年度対比)を見てみます。マクドナルドは前述の『食の安全性』問題を契機に、客数重視から客単価重視(正確には客単価も重視)に戦略を見直しているように思えます。客単価が先行して100(平成21年度水準)を超えました。有価証券報告書にデータが記載されていたマクドナルドについて、もう少し詳しく見ていきましょう。果たして、マクドナルドは規模化よるコストリーダーシップ戦略をとっているのでしょうか。規模が効きそうな「広告宣伝費」や「販売促進費」、「研究開発費」などは圧倒的に割合が小さいですね。これまでの内容からマクドナルドの戦略をまとめると、次のとおりです。別の観点からも、マクドナルドのオペレーション(以下、「OP」という)の強さが見えてきます。 モスバーガー1号店が東京・成増に誕生したのは1972年で、今年で45年になる。 これまで消費者は、善かれあしかれ、マクドナルドに対するモスバーガーという視線でハンバーガー店をとらえてきただろう。 直営店が886店舗、FC加盟店が2024店舗という内訳になっています。マクドナルドとモスバーガーの今後についてはどうなるのでしょうか。モスバーガーはマクドナルドを意識して、「差別化」を行ってきました。若干右肩下がりであることから、店舗数はどんどんと少なくなっていることが分かります。また、食中毒が発生したことによるブランドイメージも若干低下してしまったのが痛手になっています。モスバーガーは店舗も徐々に縮小、売上高も微減と言ったところです。一方で、モスバーガーの店舗は直営店が313店舗、FC加盟店舗が1,073店舗で、合計で1,386店舗となっています。ですが、マクドナルドがここまで成長を遂げてきたのはいくつか理由があります。新型コロナウイルスの影響下でもある程度の売上は担保されるでしょう。まず、1店舗当たりで叩き出せる売上が格段に違うということです。現在でも多くの店舗があるイメージですが、果たして経営は順調なのでしょうか。ここ5年間で1,000億円ほど売上高が上昇しています。かなりの成長を見せていますね。モスバーガーは規模を縮小しているのに対して、マクドナルドは規模拡大に向かっています。一方モスバーガーの経常利益率は1%です。同じような業種でも経常利益率にここまで差が出るのです。FC店の割合が多くなると、利益率は出やすいです。店舗管理が不便になるのがデメリットではありますが、利益率重視で運営するという方針なのでしょう。また、注文されてから商品を作るというのもハンバーガーチェーン店としては珍しいでしょう。モスバーガーはマクドナルドと比べても4分の1程度の売上規模となっています。マクドナルドはここ5年間で大きな成長を遂げていることがわかりますね。マクドナルドの2019年12月期経常利益率は9.75%です。飲食店であればこのぐらいの水準であると言えるでしょう。最近では、サラリーマン層を取り入れるため、ディナーメニューを開発したりもしています。ここ数年で店舗をリニューアルしました。外観は黒っぽく落ち着いている印象になっています。今後の景気によってはまた高価格帯のバーガーがヒットする可能性もありますが、それまで我慢するかは経営者の判断にもよるでしょう。特にFC加盟店はここ5年間でおよそ50店舗ほど閉店しています。また、マクドナルドについては過去の投稿で個別に解説していますので、興味のある方はこちらもご参照ください。年間の売上高は大体700億円程度です。2019年3月期は大きく売上が減少してしまい、最終的には赤字となってしまいました。昔はたくさんお店がありましたが、今では減少し、見かけなくなったハンバーガーショップも増えてきています。というのも、ハンバーガーが大流行していた時代は色々な企業が参入しましたが、時代とともに珍しいものではなくなった影響で顧客離れが続いていきました。飲食店では、規模拡大のために、売上のシェアを伸ばすことが大事です。そのため、商品の価格帯をあえて高額なものにすることで、満足度の高い商品を提供しています。ですが、マクドナルドは、決して売上が出ないというわけではなく、安さで多くのお客さんをゲットし、客単価も上げようと商品の幅を増やしています。つまり、1店舗当たりの売上高が大きく上昇しているということですね。そのため、マクドナルドが低調期であった2000年代後半から2010年前半にかけては、満足度の高い商品を提供できていましたが、今では高価格帯のハンバーガーが難しくなってきているでしょう。決算期が違う(12月と3月)ので、同時期の比較ではありませんがご了承ください。まず、マクドナルドの店舗数はおおよそ変化がなかったのに対して、売上高は大きく増加しています。注目したいポイントとしては、全体数に変化はありませんが、FC店舗を増やして直営店を閉店させているということですね。また、マクドナルドは人件費削減や店舗コストの削減も積極的に行っており、利益率の改善に努めています。店内も最先端のシステムを導入しています。これによりコストが抑えられるようになりました。ハンバーガーチェーン店を利用する人はどのくらいいるでしょうか?また、「宅配」、「モバイルオーダー」など、新規事業に積極的です。今回は、この2社のビジネスモデルを紹介するとともに、数字面を比較して分析してみました。マクドナルドの店舗は全国で2019年12月期時点で2910店舗です。 YouTubeチャンネル開設しました。チャンネル登録をぜひお願いします!貯金できない、住宅ローン返済や教育費が足りない、そんな悩みにプロが無料でアドバイスします!                   【図1 ファーストフード3社の売上高の推移】【図3 マクドナルドとモスバーガーの過去5年間の店舗数の推移と1店舗当たりの売上推移】ファーストフード業界のなかでもマクドナルドは業績が急激に悪化しています。しかし、KFCやモスバーガーなど、他のファーストフードにシェアを奪われているわけではありません。むしろ人口減少や、他の外食業界、中食業界との競争に負けているようです。それでは、マクドナルドを含むファーストフード業界の将来はくらいのでしょうか?実は、海外展開が可能なモスバーガーが一番将来性があると見ています。                【図2 ファーストフード3社の営業利益の推移】 LINEのプラットフォーム戦略が加速化。LINE@でのECサービスは楽天...ポジショニングは、フィリップ・コトラーが提唱したマーケティング手法であるSTPマーケティング(「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つからなる)の一つとして知られています。一方で、モスバーガーはというと、2019年3月期の業績予想は下方修正し、8億円の赤字になる見通しを立てています。モスバーガーとマクドナルドの戦略の違いは、このようなポジショニング戦略から違いを発見することができます。敵の実情を知らず、味方のことだけを知っている状態では、勝つこともあるが負けることもある。「遊び心」という自分のたちの得意領域・アイデンティティを再認識できたことが、今の快進撃へと繋がっていると考えています。そして敵のことも味方のことも知らなければ、必ず負けてしまうだろうという意味です。ターゲット顧客の中に、自社サービス・商品の独自のポジションを築きます。「賞味期限切れの鶏肉使用問題」「異物混入問題」など食の安全に関わる問題が起きことを原因に、業績が下がっておりました。差別化することが目的になりがちですが、【競争せずに勝てる】マーケット、認知形成をすることがポジショニング戦略の目的です。個人オーナーの高齢化に伴い、優秀な店舗が現象していることも理由として挙げられそうです。一方で、マクドナルドの店内はというと、下記の図のようになります。マクドナルドについて4、5年前までは業績が低迷していましたが、今は見事のV字回復を果たすことができました。なぜ、モスバーガーの業績が悪化したのかというと、同じような戦略を取っているブランドが台頭してきたことが理由です。2015年に初めて日本に上陸シェイクシャックですが、今では全国に着実に店舗を伸ばしています。国内店舗数2位の『モスバーガー』を運営するモスフードサービスが、2019年3月期の業績予想を下方修正し、最終損益が8億円の赤字になる見通しを発表した。その中でも高級ハンバーガーチェーンとして人気が高いのショップがシェイクシャックでしょう。マーケティング、ブランディングを考える上で欠かせないものです。モスバーガーの戦略は、消費者側にモスバーガーブランドの植え付けと、消費動向とのマッチング(健康志向)です。一方でマクドナルドの戦略はというと「遊び心」と「お手頃感」が軸になっています。2015年3月期の売上高は、660億円ということで最高を記録。レジスタッフのロボット化や自動化などを進め、コスト削減に努め、より安価なハンバーガーを提供することが結果的に他者との差別化に繋がります。2社の戦略の違いはというと、それぞれの店内を見ると分かります。食中毒事故を起こし、今まで培ってきた『信頼』を崩してしまったこともあり、2019年3月期は赤字になる予想です。モスバーガーとマクドナルドのポジショニングマップは下図のようになります。健康志向メニューを多く揃えているのが、支持を集める大きな要因となっています。モスバーガーとマクドナルドが取っている戦略が違うからに他なりません。2015年以降は、自社の強みを活かしたPRなどで2016年12月期の当期利益は50億円と黒字転換に成功しています。ご存知の通り、狙っている客層・購入しているお客さんが全然違うということです。「もしイノ」読んでみた:『競争』から脱却するためにどのようにイノベーショ...「初期の頃に契約して、惰性で続けていたオーナーとは契約を打ち切り、高齢化が進んだオーナーに対しては、専門部署を設けて世代交代を促した。結果的に、FCオーナーは690人から450人へと、絞り込まれていった。」敵の実情と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負ける心配はない。結果的に、モスバーガーのブランド力を保ち、リーダー教育に力を入れることで、サービスの均等化が達成できたのではと思います。