中に入ると当時のポスターや海外で公開された時のポスターなどもありました 糸井重里さんが考えたコピーのボツになった案や、宮崎駿監督と鈴木敏夫さんのやりとりなんかも面白かったですね 宮崎駿監督は、『思い出のマーニー』のポスターを初めて見たときに、「いまどき、金髪の女の子で、お客さんの気を引こうなんて古い!」と激怒している。 飼い犬にビビッてジジの全身から滝のような汗が出てきていますが、汗腺が足の裏と鼻にしかない猫はこのように汗まみれになることはありません。宮崎駿監督はそれを知った上でユーモアたっぷりにジジが怯えている様子を表現したのだとは思いますが。ケット君の家で飼われている老犬の名前はジェファーソンで、家族からは「ジェフ」と呼ばれています。当初はジジを追いかけまわすシナリオもあり、イメージボードにはそれを意識したと思われる凶暴な顔をしたジェファーソンの絵もありますキキとジジが会話できなくなるのは映画オリジナルのストーリーです。ちなみに、ジジが発する猫の鳴き声は、ジジ役の佐久間レイさんの声ではありません。キキのお母さんの名前は「コキリ」で、年齢は37歳です。原作ではくしゃみの薬を作っていますが、映画ではお婆ちゃんにリューマチの薬を作っています。声を担当したのは「未来少年コナン」でラナを演じた信沢三恵子さん。キキが降り立ったコリコの町は、スウェーデンの首都ストックホルムの街並みが参考にされています。キキがバスとぶつかりそうになった陸橋と似たような風景がクングス・ガータンにあったりします。キキが最初に猫のぬいぐるみをお届けした家は、アラン諸島の1つイニシュモア島にあるキルマーヴィー・ハウスがモデルになっています。1988年5月に宮崎駿監督がアイルランドを旅行した際、この民宿に宿泊しました。ニシンのパイを冷たい態度で受け取る孫娘は、キキに感情移入している観客からは嫌な人間に見えますが、宮崎駿監督によると、あれは孫娘の正直な気持ちで、仕事をしていく上で世間ではよくあることとして描いたことのようです。コリコの町は「日本人女性が何となく思い描く昔のヨーロッパ」というイメージです。ロケハンが行われたスウェーデンの都市以外にも、表通りの賑わいはパリの街並を、路面電車が行き交う様子はサンフランシスコを参考にしており、欧米の様々な都市の風景を組み合わせています。飛び始めたキキが庭木にぶつかり鈴の音が鳴りますが、これは原作者である角野栄子さんの「キキが飛び立つ時に鐘を鳴らして欲しい」という要望に応えたものです。おソノさんがキキを招き入れてインスタントコーヒーを淹れるシーンは、宮崎駿監督が本作公開前年(1988年)の5月にアイルランドのアラン諸島を旅行した際、民宿の女将さんにコーヒーを淹れてもらった実体験がもとになっています。コーヒーの瓶のラベルも同じなんだとか。トンボはキキと同じく13歳。友人から「ナンパかよ」と言われますが、空を飛べるキキに興味を持ったから話しかけています。モテる男をイメージしてキャラクター設計されました。また、声のイメージは近藤勝也さんで、実際に演じたのは本作が劇場アニメ初参加の山口勝平さん。キキのベッドの枕元にはトトロらしきぬいぐるみが置かれてあります。OPでラジオから流れる曲は荒井由実の「ルージュの伝言」ですが、当初は国道の上空を飛びながら都会へと旅立つキキのイメージから同じユーミンの「中央フリーウェイ」の起用が検討されていました。しかし、『調布基地』など実在の地名が歌詞に登場することがネックとなり変更されました。OPでキキを追い越していく飛行機は、1930年代のイギリスの航空機「ハンドレページ45」がモデルになっています。キキの故郷のシーンは茶カーボンが使用されており、輪郭線が焦げ茶色になっています。同じ故郷でも夜のシーン、そしてコリコの町に出てからのシーンは通常のカーボンが使用されているため、輪郭線は黒になっています。キキが配達を頼まれた重い段ボールの箱には「IMO」と書いてあります(笑)。絵コンテによると、初めて自転車に乗るキキは、カーブで体を地面スレスレまで傾けるシーンで「ホウキで飛ぶより素敵」と感じています。※たくさんの情報と画像(もっとたくさんあります)はこの方のツイートから頂戴しました。おソノさんには元暴走族説があります。 「青春時代にはそれなりにツッパった経験を持ってるタイプ」(宮崎駿監督による主要キャラクター表) 「もしかしたらゾクだったのかも・・・。というわけで、エンディングで彼女はバイクに乗るという案もあった」(『アニメージュ』1989年9月号)自由の冒険号の船長の声を担当したのは大塚明夫さんです。宮崎駿監督の次作「紅の豚」ではカーチス役を担当しています。高山みなみさんはウルスラ役でオーディションを受けており、キキ役には同年代の女の子が起用される予定でした。しかし、宮崎監督の提案でキキ役に変更され、ウルスラ役には別人を立てることになりました。が、現場で高山さんがもう1度ウルスラも演じることになり、1人2役となりました。EDで荒井由実の「やさしさに包まれたなら」が流れますが、これはシングル・バージョンではなくアルバム『MISSLIM』に収録されているバージョンです。また、本作のためにユーミンが新曲を作り、それを山田邦子がユーミン風の声で歌う案もありましたが、ボツになりました。一方、宮崎駿監督による主要キャラクター表には「13才とは人間に換算してのこと」と記述されているのですが、そうすると今度はリリーと結ばれて子供まで出来るには若すぎるという問題が・・・。キキを襲った首まわりの白いこのカラスはコクマルガラスといいます。1988年5月に宮崎駿監督がアラン諸島を旅行した際、屋根の上にコクマルガラスがとまっている家があり、それがウルスラの家の屋根のシーンのもとになりました。キキのお父さんの名前は「オキノ」です。年齢は40歳で、魔女や妖精の研究をしている民俗学者です。キャラクターデザインの近藤勝也さん曰く、寺尾聰やデビッド・マッカラムをイメージしたとのこと。当初、キキが老婦人からケーキをプレゼントされるシーンで映画は終わる予定でした。しかし、それでは物足りないと感じた鈴木敏夫さんが「ラストに派手なシーンが欲しい」と注文を出し、キキが飛行船からトンボを救出するという原作には無いオリジナル・シークエンスが追加されました。キキは老婦人やバーサに対し、背筋を伸ばしたまま膝を曲げて挨拶していますが、これは「カーテシー」というヨーロッパの伝統的なお辞儀です。女性のみが行います。お爺さんが「あのデッキブラシはわしが貸したんだぞ」というシーンで、画面の右上に宮崎駿監督がカメオ出演しています。キキの魔力は戻りましたが、肩に乗ってきたジジは猫の鳴き声をしています。絵コンテには「やっぱり言葉は戻らない」「完全な猫になっている」とあるので、やはりジジは喋れないままのようです。同世代のオシャレな女の子とすれ違う時に自意識過剰になるキキ。宮崎駿監督いわく、黒い服は一番粗末な服で、それを着て大勢の人の中に行くことはキキにとって辛いことだと分かった時に、初めて修行の意味が分かってくるんだとか。老婦人に仕えている老女中の名前は「バーサ」です。「婆さん」と呼ばれているわけではありません(笑)。声を担当したのは関弘子さんで、次の宮崎駿監督作品である「紅の豚」でもピッコロ社のバアちゃん役をやっています。宮崎駿監督が描くヒロインは生活感が無くトイレにも行かないと言われることが多かったのですが、本作では等身大のヒロインを描くことに挑戦し、キキがトイレに行くシーンもあります。ポスターのラフ原案にはキキが便座に座る絵もありましたが、さすがにボツとなりました。キキのお父さんの愛車はフィアットのトッポリーノです。本作に登場する車のほとんどが1930年代から1950年代の車です。コリコの町の裏通りは、ストックホルムの下町「ガムラスタン」がモデルになっています。石畳の路地や吊看板、街灯などが参考にされています。キキの魔力が弱くなった原因は様々な解釈ができますが、宮崎駿監督自身は魔法を万能の力ではなくキキの潜在能力と限定して捉え、魔力が弱くなったことも思春期特有の通過儀礼と考えています。つまりは原因はハッキリしないのですが、それが思春期だと・・・。おソノさんの夫であるパン屋の亭主は30歳。台詞は少ないが、声を担当したのは山寺宏一さんで、他にキキを注意した警察官やテレビ中継のアナウンサーの役もやっています。自由の冒険号の暴飛行で街中がパニックになりますが、このシーンの群衆のざわめきを表現するために、東京テレビセンターの大きなスタジオを借りて40人もの大所帯で録音が行われました。本職の声優さんだけでは足りず、演出助手の片渕須直さんも借り出されることに・・・。原画にクレジットされている「長谷川明子」は田中敦子さんのペンネームです。キキがデッキブラシにまたがって飛び立つシーンを担当しています。乳母車に乗っていた赤ちゃんの泣き声を担当したのは坂本千夏さんです。冒頭に登場するキキとジジのシンボルマークと、EDでトンボがグーチョキパン店に付けていた看板は、原作の挿絵を担当した林明子さんがデザインしたものです。そして私の中でも佐久間さんは猫ちゃんのイメージですニャ(ФωФ)ニャウルスラは18歳の画学生。原作では「絵描きさん」となっていて、映画でも名前で呼ばれることは1度もありませんが、名前は設定されています。当初、宮崎監督は27歳と設定していて、鈴木敏夫さんがキキと同世代がいいと提案し、話し合いの結果、間をとって18歳ということになりました。老婦人の声を担当したのは加藤治子さん。本作から15年後には「ハウルの動く城」でサリマン役も担当することになります。老婦人はシナリオ段階では1人暮らしでしたが、お年寄りが持つ寂しさはキキでは埋められないということで、老女中と2人で暮らしているという設定に変更されました。ウルスラの絵は青森県八戸市立湊中学校養護学級による木版画「虹の上をとぶ船」が元絵です。同シリーズの『星空をペガサスと牛が飛んでいく』を写真撮影し、そこに男鹿和雄さんが油絵風のタッチを加え、そこにウルスラがキキをイメージした少女の顔を加筆して出来たものです。雁の群れが飛ぶシーンの原画を担当したのは、動植物を描くのに定評のある二木真希子さんです。ジジは13歳のオスの黒猫です。魔女は女の子が生まれると、同じ年に生まれた黒猫を一緒に育てます。原作では、キキのお母さんにも「メメ」という名前の黒猫がいたことが明かされています。13歳の猫と言えばお爺ちゃんですが、リリーさんに恋してしまったようです。映画では飛べなくなったキキが崖下に落ちてホウキを折ってしまいますが、原作ではトンボがホウキを盗み、自分で飛ぼうとしてホウキを折ってしまいます。キキが陸橋のトンネルでぶつかりそうになった2階建てバスには「STUDIO GHIBLI」と書かれてあります。さらに、警官の後ろを走る2階建てバスにも「GHIBLI」と書かれてあります。トンボにオバサン呼ばわりされてしまいますが、おソノさんはまだ26歳です。声を担当したのは「アンパンマン」でお馴染みの戸田恵子さん。キャラクターデザインを担当した近藤勝也さんによると、若い頃の小川真由美をイメージしたキャラなんだとか。制作当初はキキが路面電車でコリコの町を移動するシーンが構想されていましたが、尺が長くなるのでカットされました。キキが老婦人宅に向かう時に路面電車から降りるカットはその名残りです。海辺の風景はスウェーデンのゴットランド島のヴィスビューがモデルになっています。同島は「長くつ下のピッピ」のテレビアニメ化の際(原作者の不許可で企画は頓挫)に宮崎駿監督が初めて訪れた海外で、「魔女の宅急便」制作時は監督ではなく数名のスタッフがロケハンを行ないました。ウルスラがキキの横顔をスケッチするシーンの絵コンテには、「諸星大二郎風のキキ」と書いてあります。宮崎駿監督が諸星大二郎さんの漫画が好きなことは明らかになってますし、いろいろと影響を受けています。当初、コリコの町に来たキキが宿泊場所を確保できずに時計塔で一夜を過ごして時計番のお爺さんと交流するストーリーがあり、そのイメージボードも描かれていました。物語の進行上カットされましたが、時計番のお爺さんがキキに話しかけるシーンにその名残があります。
トイレのポスター案はボツになったが宮崎はあのとおり執念深い性格なので 起き抜けのキキをトイレに行かせている。年頃の娘らしく男性の目を気にして。 「トイレぐらい行くわい!」とムキになっておきながら生理については意識 ポスターに宮崎駿監督が怒った. 魔女の宅急便 幻のポスター案 第1案 キキが時計塔で過ごす 最初は本編中に。キキがコリコの街で宿屋も探せず、 ひと晩、時計塔の上で過ごすというエピソードがあった。 都会の孤独感も出てるし、このシーンでポスターということになったのだが、 『思い出のマーニー』のボツになったキャッチコピー、2案. 糸井重里は1回目の案がボツとなった頃、恋愛の物語であるのに何を伝えればいいのか、観客の顔が見えない状況でした。そして糸井重里による『もののけ姫』の2回目のコピー案は、1回目から2週間が経った6月18日に提出となりました。 ポスターのラフ原案にはキキが便座に座る絵もありましたが、さすがにボツとなりました。 キキは空飛ぶ宅急便を思い立ちますが、「宅急便」はヤマト運輸が商標登録している宅配サービスです。