「ご留意ください」という言葉をご存知でしょうか?「ご留意ください」は、「〜ということを心にとめてほしい」「気をつけてほしい」というように使用される言葉です。丁寧な言葉に感じますが、実は目上の人には使用することができない言葉です。 この言葉がよく使われる場面としては、心の中で意識的にとどめて気を付けてくださいね、という柔らかい意味合いを持った表現をしたい時などが挙げられます。あまり強い意味は含まず、用心や注意よりも、優しい表現になります。この言葉がよく使われる場面としては、ひとつのことに集中して気を付けることを表す時などが挙げられます。注意の注というのは、何事かに集中するというような意味を持つ言葉です。「用心」と「注意」と「留意」という似た意味の言葉の中で、「警戒する」という強い意味の含まれる言葉は「用心」だけです。漢字を見てもわかるように、用心には「心」という字が含まれますが、他の二つには意識の「意」という字が含まれます。似た意味を持つ「用心」(読み方:ようじん)と「注意」(読み方:ちゅうい)と「留意」(読み方:りゅうい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。例文1のような場合は、風邪がとても流行っているから、くれぐれも警戒をしてくださいという強い意志を含んだ言葉になります。留意は目上の人にも使える言葉で、自分よりも立場が上の人に対して、注意という言葉の代わりに使われることもあります。その場合は「言うまでもなく、ご理解いただけているかと存じますが、念のために気を付けてください」というような意味になります。注意は、日常生活でもよく聞かれる言葉で、例えば乗り物の乗り降りの際に「足元にご注意ください」といったアナウンスが流れることがあります。これは、足元の一点に集中して気を付けてください、という意味です。用心という言葉は、「要心」と書かれることもあります。用心という字を使っても、要心という字を使っても、意味としては「心をくばり、万一に備えて警戒すること」となります。心の底から気を付けて、警戒をするのが「用心」という言葉の意味です。注意よりも柔らかく「気を付ける」という意味を伝えたい時などに「留意」と使うのだと覚えておくようにしましょう。注意の類語・類義語としては、親身になって注意することを意味する「心添え」、心に留めて気をつけることを意味する「留意」などがあります。注意というのは、意識を何事かひとつに集中させて気を付けることを意味しています。用心のように心を向けるまではいきませんが、意識を強く向けている言葉です。多方面ではなく、一点に意識を向けているものであると覚えておくようにしましょう。留意とは、注意のように一点に集中して意識をするような言葉でもなく、ぼんやりと広範囲で気を付けてくださいという意味を持ちます。用心と注意と留意の使い分け方に悩んだ場合には、その言葉でどの程度、相手に気を付けてもらいたいのかを考えてみるようにしましょう。また例文2などのように、身の危険があるかもしれないから気を付けてくださいという意味で使われたり、例文5のように万一に備えて警戒をするような意味を含む言葉として使われたりします。留意の類語・類義語としては、物事をあらゆる面から注意することを意味する「考慮」、心を配ることを意味する「配意」、留意の同義語である「意に留める」などがあります。どれを使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。「注意する」「注意される」「注意を払う」「注意した」などが、注意を使った一般的な表現方法です。注意とは、用心よりは少し柔らかい意味を持つ言葉であり、留意よりも強い意味を持つ言葉であると覚えておくようにしましょう。用心が心から警戒するという意味なのに対して、他の二つの言葉は気を付けるように「意識」するという意味を持ちます。つまり、気を付ける程度としては、「用心」が一番強い意味を持つ言葉であると言えます。最後に「留意」という言葉を考えます。留意の「留」という字は、心にとどめておくという意味を持っています。「意」は上記でも示したように意識するという意味です。留意とは、心にとめて意識をすることを意味している言葉です。この言葉がよく使われる場面としては、心の底から万一に備えて警戒しなくてはならないことを表現する時などが挙げられます。例えば「健康にご留意くださいませ」という言葉は、私がわざわざ言わなくても十分に気を付けていらっしゃるでしょうけれど、なるべく健康には気を付けてくださいね、という意味になります。用心の「心」という字を使った言葉には、細かいところまで心を配ることを意味する「細心」、心の中にある思いや感情を意味する「心情」、ある物事に心を引かれてそれにこだわることを意味する「執心」などがあります。留意を使った分かりやすい例としては、「今後このようなことがないように充分に留意いたします」「ご留意くださいますようお願い申し上げます」「どうかこれからも安全と健康にご留意下さい」などがあります。例えば「火の用心」や「震災に用心する」、「事故を起こさないように用心する」などのように使われることの多い言葉です。精神力を使って気を付けることを用心と表現するのだと覚えておくようにしましょう。また、例文4のように「注意」という言葉は、他者に対しての忠告という意味でも使われることもあります。「用心」と「注意」と「留意」という言葉は、どれも気を付けるという意味を持つという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。注意の「注」という字を使った言葉には、注意深くじっと見ることを意味する「注視」、関心をもって見守ることを意味する「注目」、精神や力を一つの事に集中することを意味する「傾注」などがあります。それでは「注意」と「留意」はどのような違いがあるのでしょうか。「注意」という言葉は、ひとつのことに集中するという意味を持つ「注」という字と、意識の「意」という字から成り立っています。注意がひとつのことに集中するのに対し、留意は広く物事を心にとめておくような意味を持ちます。あまり強い意志を持っている言葉ではなく、他者に対して使う際にも柔らかい表現となります。注意を使った分かりやすい例としては、「よそ見をしている人に注意する」「職場では注意されるうちが華」「注意されると腹が立つのは誰しもがあることだ」「細心の注意を払うようにしてください」「十分な注意を払ってこの会合を進めてください」などがあります。用心、注意、留意の中で、一番強く「気を付ける」という意味を持っている言葉であると覚えておくようにしましょう。つまり、ひとつのことに意識を集中させることを「注意」と表現すると言えます。多方面ではなく、ひとつに限定して意識を向けるという意味になるので、用心の次に強く物事に気を付けるという意味を持つ言葉です。そのことから、なにかひとつの物事に対して特に気を付けておくという意味を持つ言葉が「注意」という表現です。例文1で考えてみると、健康という事柄について、特別に気を付けているという意味になります。留意という言葉は、目上の人に対しても使える言葉であり、気遣いの意味があるのでビジネスメールなどでもよく使われます。主に健康について気遣う際に「健康にはご留意ください」などと使われることが多い言葉です。「留意いたします」「留意ください」「留意が必要」「健康に留意」「安全に留意」などが、留意を使った一般的な表現方法です。用心の「用」という字を使った言葉には、確かなものと信じて受け入れることを意味する「信用」、 前もって必要なものをそろえて整えておくことを意味する「用意」、原理や知識を実際の事柄に当てはめて用いることを意味する「応用」などがあります。用心の類語・類義語としては、危機や災害に備えて用心することを意味する「警戒」、心をくばることを意味する「配慮」などがあります。留意は、用心や注意よりも柔らかい意味を持つ言葉であり、なるべく気を付けてくださいという程度を示しています。また、目上の人に向かって使われることも多い言葉であり、心遣いを表現することが出来ます。留意の「留」という字を使った言葉には、転任や退任などをせずに今までの役職にそのままとどまることを意味する「留任」、そのまま保ちとどめておくことを意味する「保留」、物事が順調に進まずとどこおることを意味する「滞留」などがあります。心という字が入っていることから、用心とは生命に関わるほどのことに気を付ける際にも使われる言葉だと覚えておくようにしましょう。用心の対義語・反対語としては、用心が足りないことを意味する「不用心」があります。目上の人に対して「あなたは私よりも年長なので、知識や経験が豊富であり、目下の私が言うまでもなく気を付けていらっしゃるとは思いますが、心配なので念のため気を付けてください」という気遣いを示すのが「留意」という言葉です。用心を使った分かりやすい例としては、「本番では用心するに越したことはない」「用心深い性格のせいで何事にも慎重になりすぎる」「用心することも大事だが、時には大胆にいかなければならないときもある」「住宅街では子供の飛び出しに常に用心する必要がある」などがあります。 通勤経路とは何でしょうか。通勤経路の届け出を提出したことがある人は多いと思います。通勤経路の書き方が良く分からない...いかがでしたでしょうか。今回は「注意点」と「留意点」の違いについて見てきました。「注意点」は意識を集中すべき事柄に使うことば、一方の「留意点」は意識を留めておくべき事柄に使うことばでした。文章を読んでいるときだけでなく、文章を作成時に「注意点」や「留意点」ということばを使いたくなったら、この記事を思い出してみてくださいね。ビジネスパーソンにとって、ことばは自分の能力を示すひとつの指標。意味の理解が中途半端なままなんとなく使っていると、取引先に誤解を与えたり、業務に支障が出てきたりと、自分の能力を疑われる事態にもつながりかねません。「注意点」と「留意点」だけに限らず、ことばの意味には細心の「注意」を払って、日々の仕事に取り組んでいきましょう。日々わからない言葉は調べることを習慣にしたり、ビジネス用語辞典を読んで言葉の知識をつけていくことが重要です。「注意点」という単語は英語の場合、使用する表現によって、単語が変わります。意味と意図を踏まえて適切な表現を選択しましょう。「ご査収ください/ご査収願いします/ご査収くださいますよう」と、ビジネスで使用される「ご査収」という言葉ですが、何...ビジネスメールを英語で書かなくてはいけない人は、英語で「ご留意ください「注意点」という場合にはどういた表現になるのでしょうか。いまいち難しくてなかなか正しい意味を調べることのない「ご健勝」「ご多幸」という言葉。調べてみると意外に簡単で、何に...選考で要求される履歴書。しかし、どんな風に書いたら良いのか分からない、という方も多いのではないかと思います。そんな...また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。記載されている内容は2016年11月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。attentionという表現はよく「注意」と訳されることが多いですが、さきほど見た注意と留意の意味の違いのように「留意」の意味でも十分に通ります。日本語訳で覚えるのではなく、単語が使用されるケースから適切な表現を選び取りましょう。多くの採用担当者は、あなたの「人となり」を判断する材料として「趣味特技」欄までチェックしています。だから、適切に趣...今回は業務マニュアルなどでよく目にする「注意点」と「留意点」ということばについてご紹介します。日常的によく使う「注意」と「留意」ということば。このふたつのことばの違いから「注意点」と「留意点」の違いを探ります。この機会に意味や使い方について考えましょう。今回は、「注意点」と「留意点」という、このふたつの似ていることばの違いについてご紹介します。この記事でことばの違いを覚えて、日々の仕事に役立てていってくださいね。それでは、「留意点」と「注意点」のニュアンスの違いを例文で確かめていきましょう。 気をつけてください、というニュアンスで「ご留意ください」と言うことがありますが、「注意」とは何が違うのでしょうか。「留意」の意味と使い方について、例文を交えて解説します。類語「注意」との違いもこれを機にしっかりとおさえておきましょう。 今回は業務マニュアルなどでよく目にする「注意点」と「留意点」ということばについてご紹介します。日常的によく使う「注意」と「留意」ということば。このふたつのことばの違いから「注意点」と「留意点」の違いを探ります。この機会に意味や使い方について考えましょう。 似た意味を持つ「用心」(読み方:ようじん)と「注意」(読み方:ちゅうい)と「留意」(読み方:りゅうい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。どれを使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。 配意の関連情報.