阿弖流為、泣く。 — ゆーさと (@yusato_zuka) 2017年8月2日 そう… 阿弖流為観て、泣きました。心にきました。 というわけで早速感想を綴りたいと思います。 ※ネタバレありますので、ご注意ください. 松竹創業120周年 歌舞伎NEXT 「阿弖流為」作:中島かずき演出:いのうえひでのり出演:市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助坂東新悟、大谷廣太郎、市村橘太郎、… 「阿弖流為」感想 | Sugar&Pepper.

片岡亀蔵さん、すごくクロトワでした!原作のクロトワは感情が顔に出るのが面白いところなんですが、亀蔵さんの顔芸もお見事! コミックリリーフな役割をうまく演じてくださったと思います。映画版の家弓さんの演技がすごく好きだったんですが、全く違和感なかったです。七之助さんの殿下ともうまく息があっていたと思います。ただ、原作ではコミックリリーフ以外にも、シニカルでプラグマティックなキャラで読者の共感を得やすかったのですが、彼の持つ現実主義な面があまり見えてこなかったですね。あと、彼は一貫してクシャナ殿下を「女」として見ているんですが、そこも削られていて、残念! まあ心の中で思っていることを舞台で表現しにくいのはわかるのですが。ところで「ナウシカ」で母娘といえば、殿下の母娘関係が注目されがちですが、ナウシカと母の関係は、今回原作以上に明確に描写されていました。原作でナウシカが母に愛されなかったことを告白したのは、ヒドラの庭の会話が初出。正直、漫画を読んだ時は、その唐突っぷりに少し違和感を感じていました。でも、今回の歌舞伎では、ちゃんと伏線が張られていました。ところで、首だけになったナムリスを殿下がひっつかむところが大好きなんですが、このシーン省略されていたのでがっかりしました。歌舞伎はグロテスクなのOKなんでしょ? 首だけになった亭主を引っ掴む殿下が最高に恰好いいのに…。子役ちゃんはみんな健気で可愛かったです!子どもナウシカも、王蟲の幼生の精も、そしてチクク! セリフが多くて大変だと思いますが、しっかり演じていて感動しました。チククと殿下が握手するシーンを見たかったので、省略されたのが悲しいです…。女性キャラの中で一番可憐だった…。原作のケチャはもっと短気で気性が激しいので、ちょっと別人っぽい…。衣装だけは原作を踏襲しているけど。まあ可愛いからいいや。何はともあれ、今回の歌舞伎化企画は菊之助さんの熱意から始まったとのことなので、菊之助さんの「風の谷のナウシカ」への愛は十二分以上に感じられました。彼の熱意がなかったらこの舞台はなかったと思いますので、原作オタクの私はもうそれだけで有難くて菊之助さんに足を向けて寝られない所存です。さすがの主役で出ずっぱり。菊之助さんお疲れさまです! すごく健気で一生懸命なナウシカっていう感じでした。アクの強い脇役ばかりのせいか、ちょっと印象が薄くなりがちですねぇ。衣装も殿下の方が派手ですし、姫姉さまは食われ気味だと思うのは私がクシャナ殿下贔屓だからでしょうか…。めちゃくちゃカッコいい!原作でも後半に出てきて、ある意味かっさらった感があるのですが、歌舞伎でも同様です。中村歌六さん本当にお上手ですね。王の貫禄というのが出ていました。(まあ歌舞伎でもありがちな悪役の王様という点で型にはめて演じやすいという利点もあったのでしょうが…)ところで、夜の部のプロローグで、ヴ王が「利口な女は大嫌い」と言うのですが、どうなんでしょ、これ? 原作では第三皇子が殿下のことを賢くて生意気な女は嫌いだと殿下にあてこすっていたけど、ヴ王が殿下のことを嫌っていたのは、殿下が利口だからっていうだけではなさそうだけど。ただ、原作よりも、殿下とヴ王の「似たもの同士」が強調されていたと思います。(ヴ王と殿下については、次のエントリーでもう少し詳しく書きたいです~)banana_snowさんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?あ、ちなみにカボの基地で第三皇子と遭遇して、殿下を救うために逆噴射をかけるシーンですが、瀕死のクロトワが殿下に「芝居は難しいもんですねぇ」と声を掛けるシーンはすごくよかったです! ダブルミーニングですね。瀕死でも軽口を叩くところはクロトワのちょっとシニカルで恰好いいところを上手に表していたと思います。蟲の襲撃を受けて殿下の子守歌を聞くシーンは、殿下に抱かれて(!)二人っきりで蟲の前に佇んで最高に萌えるところでした。ご馳走様です~伏線1:序幕でのジル、ユパ、ナウシカの会話で、ジルがナウシカの母も腐海の毒に犯され早く亡くなったと話していた時、ナウシカが母の記憶はないと告げる。蟲を愛する娘を理解せず「姫」という形にはめようとする母親という感じに描写されていますが、どうなんでしょうか。一つの解釈だとは思いますが、少しステレオタイプすぎじゃないかなと思ったりもします。坂東巳之助さんが二役を見事にこなされていました。ミラルパはなんだか崇徳天皇みたいだと思ったり。私はナムリスの傲岸不遜なところが大好きなんですが、巳之助さんのナムリスは私がイメージしていたナムリスにぴったり。復活した巨神兵を前にしたところ(恰好よすぎで、ブロマイド買っちゃった!)とオームの大群を眼下に一人不遜に笑うシーン(4幕目第6場)が大好き。特に後者はこのシーンだけをわざわざ入れているところがいいよね。原作通り、ユパ様が登場すればよかったんだけど、時間がなくて端折られたのは残念。(原作ではここで、ナムリスが殿下のことを「俺の妻になる女だ」というのが好きなの。←カプ厨ですみません)そうそう、クシャナ殿下にプロポーズするシーンですが、殿下の肩を抱こうとするんだけど、振り払われて、「ういやつ、ういやつ」って言っちゃうところがカプ厨な私の萌え所。尾上松也さんは「ユパを演じるには若いと思われるかもしれませんが」と筋書きの自己紹介で仰っておられましたが、まあ確かにちょっと軽いユパ様だったかな…。特に、最期のシーンで、クシャナ殿下にお声を掛けるシーンはもう少しタメがあって重々しく話してくださればよかったのに、と殿下オタの私はちょっと残念に思いました。でも、お声が映画版CV納谷悟朗さんに結構似ていると思ったので、その点違和感は少なかったし、立ち回りはお若いだけあって軽快でした。ユパ様は二刀流の立ち回りが命なので、大御所の役者さんに担当していただいても、体力が続かなければ意味がないので、ユパ様はお若い方じゃないと難しいかも…。でも、大きく不満なのが、殿下が帰還する前、セネイと将軍の会話で、サパタを死守しろと言う将軍に対して、セネイが「城壁を打ち抜いて突破する」ことを進言するところ。「城壁を打ち抜く」のは殿下の奇策なんだから、これをセネイに言わせちゃいかんよ。ほかにもミト爺、セルム、庭の主、マニの僧正などなど言いたいことはありますが、長くなるので省略。うーん今回一番評価が難しいと思いました。腐海で蟲を相手に立ち回りを演じるシーンと、ユパ様と一緒に王蟲の培養槽を破壊するシーンはお見事でした。ただ、なんというか、アスベルっぽくない……。私のアスベルのイメージが映画版に引きずられているからなのかなぁ? クセの強いキャラ揃いの中で、アスベルはかなり普通の人よりなので、セリフも普通の節回しだし、あまりにも普通すぎて浮いてみえたのかもしれない…。なんだろね。伏線2:アスベルを助けようとして、腐海の底に落ちたとき、子供時代の回想シーンがあるんですが(映画ではララランララ~の歌でおなじみのシーン)、隠し持っていた王蟲の幼生を大人たちに取り上げられる時、原作では母親は特に何も言っていません。でも、歌舞伎版では、男たちが王蟲を取り上げ、母がナウシカに「お別れを言いなさい」というんですね。でも、子役ちゃんのナウシカ(可愛い!)が「返して」と抵抗するので、母が「あなたは風の谷の姫なのですよ」と諭すんですが…。それから、歌舞伎は超素人ですので、その点もご容赦くださいませ。ナウシカのもっている猛々しさとか怒りとかダークな部分が全く見えてこなかったのが残念。菊之助さんが一生懸命頑張っていらっしゃるのが、いい意味でも悪い意味でもそのままナウシカに投影されているように思えます。セネイが出てきて感動しました!原作で大好きなキャラなんです。まさしく「忠臣」という言葉がぴったりの、有能な職業軍人のオッサンに弱いんです、私…。大好きすぎて、セネイの二次創作をしちゃうくらい。殿下の部下で、クロトワ以外唯一名前がある人で、サパタに降り立った殿下をお迎えして涙ぐむシーンが原作でも大好きなシーンです。今回の歌舞伎では殿下が「会えて嬉しいぞ、セネイ」とお声がけをするシーンで思わずジーンとしました。まさかセネイが今回歌舞伎の舞台で登場するとは思っていなかったし、名前が呼ばれただけで、もう…感無量。マイナーキャラなのにちゃんと登場させてくださってありがとうございます。名前が変わっていたのが結構衝撃でした。チヤルカってそんなに発音しにくいのかしら???? 印象は…可もなく不可もなくって感じ。僧籍を返還して、ナウシカとともに土鬼の民衆を救いにまわるシーンは衣装が僧兵から変わっていてイマイチ分かりづらかったかな…。
『阿弖流為』は去年の夏に新橋演舞場に見に行ったのですが、それが映画館で上映されるとのことで、そりゃもう見に行きました。 当時の感想です。 歌舞伎next『阿弖流為』新橋演舞場公演 感想 染五郎さんかっこいい! ああああああ~~~~~~~!
Ameba新規登録(無料) ログイン. 舞台を観たときの感想は「阿弖流為」という芝居は坂上田村麻呂の物語。まつろわぬ蝦夷の族長阿弖流為を通して都人の正義の人坂上田村麻呂の心を見つめる物語だった。シネマ歌舞伎になると阿弖流為と田村麻呂とアラハバキ、それぞれの葛藤の物語。 歌舞伎版. Sugar&Pepper 阿弖流為:市川染五郎 これがテンポよく、無駄なシーンがないくらいに進んでいくんです。坂上田村麻呂は、投降した阿弖流為の真意に気づき、阿弖流為(蝦夷)と和睦するよう努めますが、失敗に…。無駄のないストーリーに加え、組子達のそこまでの演技が自然(違和感を与えないって観ている側からすごく大事)で、それぞれの想いが伝わってきたからこそ、最後に繋がるそんな熱演で完成した素晴らしい舞台です。今回、全体的な感想ばかりでキャストにはあまり触れていませんが、上級生から下級生まで誰一人かけてもダメな作品…本当にすべてのピースがあってこその素敵な作品です。私、原作は読んでおらず、また日本史の知識も江戸中期以前は得意ではないので、「坂上田村麻呂という名前を知っている」位の知識でした。その中でも、特にまこっちゃんはもちろんセリフや歌が多いのですが、クリアに聞こえ本当に安心して舞台に集中してみていられます。まさしく、まこっちゃんのハマり役といったところでしょうか。役者・役共に感じるスター性。感謝感激雨霰でございます。この日をのために生きてきたといっても過言ではないくらい生きる希望でした。だからこそ、阿弖流為を討つ時には、私の目から涙がぽつり…切ない…。全体的に観劇した今回、次はさらにキャラクターの心情を詳細に観ることが、そして入り込むことが出来るのでは、とワクワクしています。最期の、阿弖流為の命の灯が消える瞬間…坂上田村麻呂のとの掛け合い、そして坂上田村麻呂と飛良手には涙(後述)縁と幸運あって観劇できることに…東京 日本青年館ホール公演での観劇。8世紀、東北へ支配領域を拡大する大和朝廷が蝦夷征伐に乗り出す中、故郷を守る為に立ち上がった蝦夷の若き指導者・阿弖流為は、仲間と力を合わせ朝廷軍を打ち破っていく。しかし勝利は更なる戦いを招き、やがて朝廷軍の切り札である坂上田村麻呂に征夷の命が下される。阿弖流為がその身をかけてでも守り通したかった”蝦夷の誇り”…そして、阿弖流為という人物、その覚悟を敵ながらも最も強く理解していたのではないでしょうか。先述した通り、今回の舞台で全体を通して言えるのが”不自然さを感じない”ということです。すごく大きい移動式のビジョンに世界観(地図で現在の舞台がそこに位置しているのかや、その場面での背景や情景)が映し出され、また最初の方では重要なセリフの時に登場人物名が表示されていました。まこっちゃんに会えるまであと少し…まこっちゃんに会えるまであと少し…まこっちゃんに会えるまであと少し…まこっちゃんに会えr(ry歌の安定感はもう今さら言うことなし…そしてそれ以上に迫力がすごかった。舞台の主演・中心である以上に…予想していた以上に大きく、圧巻のパフォーマンスでした。大型ビジョンという現代的なものでありつつも、中世日本のイメージを上手に駆使し表現していました。蝦夷の指導者であり、文字通り精神的支柱でもある…周りの仲間が魅了され、阿弖流為の信念や覚悟に突き動かされる…そんな人物です。