こうした世界的な動きを背景に、2019年に「女性活躍推進法」が改正され、2020年度より徐々に施行されています。 本記事では、 「女性活躍推進法」の法改正のポイントと、「一般事業主行動計画」の立て方、新設された「プラチナえるぼし」について紹介 します。

「女性の職業生活における活躍の推 進に関する法律(女性活躍推進法)」 案(弊誌2014年11月号参照)が8月 28日、参議院本会議で可決され、成 立した。女性が職業生活で充分に能力 を発揮し、活躍できる環境を整備する ため、国・地方公共団体、301人以上 上記の法改正に付随しますが、情報公開についても、「機会提供」と「環境整備」両者のカテゴリーから、それぞれ1項目以上を選択して情報公開することになりました。具体的には、以下のような数値を公表します。業種や職種、あるいは企業風土によって、課題は異なります。そのためまずは、現状分析から始めます。「男女の採用比率に偏りはないか」「平均勤続年数が男女で違いすぎないか」「平均残業が男女で違わないか」「管理職に占める女性の割合はどうか」などです。定量的な数値分析だけではなく、アンケート調査やインタビュー調査なども実施し、定性面からもアプローチすると、より実態把握が明確になるでしょう。国連の定めた持続可能な開発目標(SDGs)の中に、「ジェンダー平等を実現しよう」という目標が盛り込まれ、女性の活躍がESG投資の指標のひとつにもなっている昨今。企業における女性の活躍は、今まで以上に重要性が増しています。こうした世界的な動きを背景に、2019年に「女性活躍推進法」が改正され、2020年度より徐々に施行されています。対象企業の範囲が広がることで、準備に着手しようと考える企業も増えていると思います。ここからは、「一般事業主行動計画」の立て方について紹介します。3つ目は「えるぼし認定」についてです。既存の3つの「えるぼし」のさらに上位に、「プラチナえるぼし」が創設されました。「プラチナえるぼし」を取得するためには、下記にある通り、行動計画の達成度合いや専任担当の有無、定められた指標(※)の達成、情報公開が求められます。状況の分析が完了し、課題が明確になれば、それに対する打ち手を考えます。一般的なところだと、「女性のキャリアに関する研修を実施する」「採用方針を見直す」などでしょうか。打ち手については、何人かでブレストをしてみるといいかもしれません。打ち手が決まれば、計画の策定に進みます。行動計画を策定・届出をした企業のうち、申請により、女性の活躍推進に積極的な企業は、「えるぼし」マークを取得することができます。「えるぼし」の取得条件は細かく決まっており、情報公開の頻度や女性の管理職比率、継続就業の度合い、採用の公平さなどが問われます。計画を立てて終わりではなく、定期的に数値目標の達成状況を確認し、改善しているかどうかチェックしましょう。よくあるPDCAをまわすということです。形だけの計画にならないよう、しっかりKPIを設けて、改善を継続していくことが肝要です。あらゆる企業が女性の活躍推進に取り組む必要がありますが、行動計画の策定・届出については、会社規模に応じて区別されています。※定められた指標:(1)採用 (2)継続就業 (3)労働時間等の働き方 (4)管理職比率 (5)多彩なキャリアコース の5つの項目について、それぞれ目標数値が設定されています。少し補足すると、1つ目は採用や昇給・昇格、配置などにおいて、女性と男性を区別せずフェアにしましょう、という方針です。一方、2つ目は、「男性は仕事、女性は家庭」という日本社会に深く根ざした考え方を前提に、家庭に比重を置きがちな女性も働きやすい環境を整備しようということです。つまり、長時間労働を是正したり、辞令一枚での全国転勤を改めたりと、プライベートに配慮した制度設計を行いましょうと言っています。大きな変更点は以下の4つです。従来よりも、ルールが強化されます。ひとつずつ中身を確認しましょう。※2022年より、義務化ラインが「101人」に変更(後ほど紹介)以上が、「女性活躍推進法改正」についてでした。冒頭に書いた通り、日本のビジネスシーンでの男女平等に向けた動きは、昭和60年に始まっています。平成の30年をへて、確かに変化はしてきました。しかし、「変化が緩慢すぎやしないか」というのか個人的な印象です。ここでも「失われた30年」があるのではないでしょうか。令和に入り、もう待ったなし。今、教育課程にある娘たちのためにも、変化を加速するときなのだと思います。なお、「えるぼし」マークは、「くるみん」マークと混同されがちですが、根拠となる法律が異なります。「くるみん」は、子育て支援に重点を置いた政策で、根拠となる法律は、「次世代育成支援対策推進法」。一方「えるぼし」は、女性の活躍支援に重点を置いた政策で、根拠となる法律は「女性活躍推進法」です。今回のテーマは、「女性活躍推進法」。安倍首相が提唱する「すべての女性が輝く社会づくり」の根幹をなす法律についてです。4つ目の法改正のみ、施行が2年先の2022年6月となっています。法改正の中身は義務化対象企業の拡大です。先述の通り、これまで行動計画の策定・届出義務があるのは、常時雇用する労働者の人数が301人以上の場合のみでした。たとえば、現状分析を行った結果、管理職の女性割合を高める必要性を感じたのなら、「管理職における女性比率30%以上」を目標に置き、そのためのアクションプランを策定します。以下の例では、「人事評価基準を見直す」「キャリア研修を行う」などが目標達成に向けた取り組み内容です。この改正にともない、たとえば「機会提供」のカテゴリーでしか目標を設定してこなかった企業は、「環境整備」においても新たな目標を設定しなければなりません。逆に、「環境整備」でしか目標を設定してこなかった企業は、「機会提供」にもメスを入れる必要があります。この法改正は、2020年4月から施行されているので、4月以降に提出する計画については、すべて上記を満たしていなければなりません。つまりポイントは、「一般事業主行動計画」を立てることです。では、どのような行動計画を立てるとよいのでしょうか。中身を見てみましょう。ここまでが、「女性活躍推進法」のあらましです。では、2020年にスタートする改正で、一体何が変わるのでしょうか。海外と比較したとき、日本の男女格差は、世界153カ国中、121位です。とくに、「経済」と「政治」において男女格差が大きいことが分かっています。下の図が日本の課題を視覚的に浮き彫りにしています。日本は、女性の活躍という観点において、「教育」では成功しているものの、「経済」や「政治」にそれを活かせていません。この現状は、「もったいない」の一言に尽きるのではないでしょうか。
それぞれについて、以下で解説します。法の施行日は2019年6月5日から一年以内となっているため、できることから準備を始めましょう。常時雇用する労働者が101人以上、300人以下の事業主は、任意の一項目以上の公表が求められます。常時雇用する労働者が301人以上の事業主である場合は、二つの各区分から、一項目以上を公表する必要があります。こちらでは、実際に女性活躍に取り組んでいる企業の事例を紹介します。企業が女性の活躍に取り組むことには、以下のメリットが考えられます。ビジネスにおいて、「女性活躍」の重要性が増しています。2019年5月には女性活躍推進法の改正が行われ、大企業だけでなくスモールビジネスの事業主にも、女性の活躍を推し進めるアクションが求められるようになりました。女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 )は、その名のとおり、職場における女性の活躍を後押しするための法律です。2016年4月に施行されたあと、2019年5月29日には改正案が成立し、6月に公布されました。働く意欲のある女性でも、ロールモデルの不在や現場経験の少なさなどから、不安を感じている場合があります。研修実施や外部セミナーへの参加を推進することで、女性自身のキャリアプランを考えやすくなります。また、会社のトップが女性活躍推進の立場を明確にしたり、上司の立場となる男性にも研修を実施したりすることで、「女性が活躍できる」という社内に空気を作るのも有効な取り組みといえます。制度や設備がないのであれば、まずはそれらを整備することも大切です。毎年世界経済フォーラムが公表しているジェンダーギャップ指数は、その国における男女平等の状況を示す大きな目安です。日本のジェンダーギャップ指数は2017年に過去最低の114位(144カ国中)を記録し、2018年は前年より4ランク上がったものの、G7の国々の中では最下位です。今回は、ジェンダーギャップ指数とは何か、日本の課題、企業においてジェンダーギャップを解消するためのヒントについて解説します。女性活躍推進法は、人出不足解消を目指し、女性にも積極的に働いてもらうことを目的とした法律です。法に基づき、女性が働きやすい環境づくりを進めることで、優秀な人材確保や新しい視点からの業務改善など、会社全体としてメリットがあります。行政のサポートも用意されているため、ぜひ女性活躍に取り組んでみてはいかがでしょうか。今回は、実際に女性活躍の取り組みを行っている国内企業の事例と合わせて、女性活躍推進法について、わかりやすく解説します。自社の公式ウェブサイトのほか、厚生労働省による「女性の活躍推進企業データベース」に掲載することもできます。なお、項目内容の詳細については、以下をご覧ください。少子高齢化が進み、労働力不足が課題になっている今、女性を含めてさまざまな人が快適に働けるかどうかは、企業として生き残りにも関わる重要な問題です。今回は、女性を取り巻く現状や、女性にとって働きやすい環境づくりについて紹介します。「今の働き方を変えたい」「やりたいことが今の職場では実現できない」などと感じて、起業を検討する女性が増えてきています。女性の起業に関する現状や課題、助成金や役に立つツールを紹介していきます。法改正により、女性活躍推進法に基づく義務の対象企業が拡大されました。もし、常時雇用する労働者が101人以上の事業主であれば、以下の二つが義務付けられています。しかし、そもそも人手不足で悩んでいる中小企業の中には、「行動計画をどうやって作ればいいのかわからない」というところもあるかもしれません。厚生労働省では、中小企業のための女性活躍推進事業を実施しています。「女性活躍推進アドバイザー」が無料でサポートをしてくれるため、活用してみるのもおすすめです。この法律に基づき、企業には、社内で女性活躍を進めるための目標設定や具体的な取り組みが求められるようになりました。女性活躍推進に積極的に取り組んでいる企業は、厚生労働大臣の認定(えるぼし認定)を受けられます。なお、法改正により、特に優良な実績を持つ事業主には「プラチナえるぼし(仮称)」が認定される予定となっています。日本では、出産や育児を理由に離職する女性が多く、再就職したとしても、パートのような非正規雇用となる傾向にあります。「平成30年度雇用均等基本調査」によると管理職の立場にある女性の割合は11.8%であり、政府が掲げる「指導的地位(課長以上の役職など)に占める女性の割合を、2020年までに少なくとも30%にする」という目標には届いていないのが実情です。国際的に見ても、日本のジェンダー格差は先進国の中で最下位であり、女性活躍を進めることは、国としての重要課題といえます。