舞台は美しい海の町。 「ガリレオ」こと湯川は仕事でそこを訪れる。海中で鉱物資源が発見され、その調査を依頼されたため。 湯川の泊まった旅館にはもう一人宿泊客がいた。彼は翌朝死体で発見される。 殺しか、事故か。 ガリレオは旅館の少年とともに、真相に挑む。 真夏の方程式の感想を聞かせてください原作本のほうが内容が濃いのでそちらの方の感想の方が嬉しいです東野圭吾小説の1ファンです。映画はまだ観てないので本のみでの感想です。彼の小説は、誰がやったのか、なぜやったのか、どのように 映画『真夏の方程式』ネタバレ感想・考察・解説を書いています!「真夏の方程式」は福山雅治主演、吉高由里子が出演しているガリレオ作品で、大人の事情・愛で子供の人生が捻じ曲がるイヤミス系映画 … イヤミスっぽい悲しく切ないラストも今作の大きな魅力となっているので、ガリレオ好きな方だけでなく、イヤミス系作品がお好きな方にもおすすめな作品です!特に大人っぽくも幼くも見えるクッと上がった眉、への字口でませたことを言う口元、子供らしいたどたどしい口調とませた発言がよく合う声質、大人顔負けによく動き、コロコロと表情や雰囲気の変わるのが良かったですね。今作はドラマの映画化作品としてだけでなく、1つのミステリー作品としても楽しめるくらい展開が多くボリュームがあって、人物が絡み合う謎の多いストーリーになっていました。大人の事情で罪を背負い、その罪を裁かれることなく普段通りの生活を送ることになった苦しみが分かる者同士、恭平の罪を理解して支えられるのは似たような経験をした成実だけですから。ペットボトルロケットで普段は見れない海の美しさを見る2人、その美しい海を守ろうと開発派と戦う地元民、事件解決のために聞き込みをして回る岸谷のシーンにピッタリな切なさと楽しさのある曲でしたね。ドラマ版ガリレオとは違う部分も多いのですが、エンディングはお馴染みの『vs ~知覚と快楽の螺旋~』という曲で締めてくれるので、ガリレオ好きな方にはテンションの上がるエンディングになっていたと思います。開発計画と言っても、開発側もできるだけ自然や生物に影響が出ないように配慮をしているし出来る限りのものを守ろうとは考えていると、それをよく理解しようともせずに反対するだけというのは果たしてベストなのだろうかといった主旨のセリフです。日本では資源が足りないからいつかは必ず開発が行われます。そんな時にただヤメロ!反対だ!というのは何の解決にもならないから、どこまでの範囲であれば開発することが可能なのか、生物に配慮してこうすれば良いのではないかと時には歩み寄る姿勢、そして相手が何をやろうとしているのかを理解することが大切だと言っていました。強い日差しに晒されて顔に強く影が出てしまうという夏らしさもありつつ、明るく鮮やかな空や海と正反対の暗くドロドロとした人間関係を表すような暗く重い影になっていて、印象的でしたし独特な雰囲気を醸し出していましたね。ガリレオの湯川先生らしい論理的な発言だったと思いますし、この言葉は環境破壊のことだけではなく日常生活でも大切な言葉ですよね。人気ドラマの2作目の映画『真夏の方程式』。ドラマシリーズの良さがしっかりとありつつ、映画ならではのボリュームもプラスされていて、ドラマの映画化作品としてだけでなくミステリー作品としても楽しめるような作品になっていました!説明会の間は玻璃ヶ浦の旅館・緑岩荘に滞在することになった湯川は、そこで夏休みに1人で叔母夫婦が経営する緑岩荘に宿泊することになった少年・恭平と出会います。大人に対しても物怖じせず、好奇心旺盛で湯川に対しても積極的に話しかけてくる恭平を避ける湯川でしたが、恭平の方はなぜか湯川に懐いていました。元刑事の塚原は緑岩荘の川畑節子に、昔のとある事件について聞き出そうとしていたようですが、果たしてそれが塚原の死とどのような関係が…?例えば冒頭の15年前の事件シーン。回想シーンだからというのももちろんありますが、白と黒だけの世界に映える赤という、美しさとは正反対をいくような暗く怖い映像になっていました。海や空の美しさの映像美と反して、ドロドロと絡み合う人間関係が魅力となるようなドラマ『ガリレオ』の映画作品らしいミステリーのボリュームと、ガリレオの良さがたっぷりと詰まっている作品になっていました。そして、人間たちの会話シーンでは影がしっかりと落ちていました。それは彼が見た目は子供でも、思考や内面は子供らしからぬ部分を持っていたためだと思います。ドラマ版ガリレオでも、大人びた子供と話しているときには拒絶反応がでない回があったので、今作の拒絶反応が起こらない理由もそれでしょう。でも自分の生まれ育った街並みや自然を守りたいという想いも理解ができますし、自然を壊し過ぎるのは良いことではないわけですから…環境破壊というのは何とも難しい問題ですよね。湯川先生が15年前の事件と今回の事件について、自首した川畑重治にすべての真実をぶつけたのですが、それでも全てを否定して父親として自分が犯人だと川畑重治が1人で全てを引き受けるシーン。映像・ストーリー・謎・展開の全てを楽しめるような作品になっているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!そして、最後のエンドロールではいつものOP版の『vs ~知覚と快楽の螺旋~』!どちらかと言えば、ドラマ版ガリレオのように物理・科学でどうやって殺害したのかという殺害方法やトリックを暴こうとするのではなく、なぜ殺害したのかという殺害動機をメインにしたミステリーでしたね。湯川先生と海に潜った時に本当は自殺をしようとしていたのでしょうが、父のために守ってきた美しい海に死体を浮かべたくないという想いから、海で死ぬことは思いとどまったのですが、「罰を受けようと思います」と言う発言からまだどこかで自殺しようしていたのでしょう。今作の中心人物となる柄崎恭平役の山崎光くんの顔立ち・演技が非常に良かったです!そしてそんな緑岩荘に宿泊した翌朝、もう1人の宿泊客・塚原正次が堤防下の岩場で変死体となって発見されるという事件が発生します。大人に対しても対等に話そうとするませた雰囲気、好奇心のためにどんどんと踏み込んでいくようなふてぶてしさの良く似合う顔立ち、演技をする子役で、湯川先生の隣にいる子供としてもピッタリでしたし、作品の中に馴染みつつも目を惹くものがあって魅力的でした。手つかずの美しい海が残る、玻璃ヶ浦の海底鉱物資源開発計画の説明会に招かれた帝都大学准教授・湯川学。そして自首した犯人たちはそれぞれに真犯人を庇おうとしていて、でも元はと言えば自首した犯人に巻き込まれてしまったがために真犯人になってしまったわけで…人物関係がやや複雑に絡み合っていて、被害者と加害者が入り混じるようなストーリーだったと思います。ペットボトルロケット実験のときや海を潜る成実が見た玻璃ヶ浦の海底・魚・青く美しい海と空というのは、純粋にキレイだなと思えるような美しい風景になっているのですが、それに対して人間たちには強めに影が落ちていたり、暗い雰囲気の映像が多くなっていましたね。冒頭から過去の回想で始まり、中盤では湯川先生が犯人だと名指しした人物が自首をしたことで事件解決と思いきや、そこから過去の事件を紐解きながら現在の事件の真実にも迫るという2つの事件が同時進行に進んでいて、非常にボリュームがありましたね。そして殺人という悪こそあるものの、加害者側も家の事情や人の事情に巻き込まれてしまった被害者で…、さらに大人の事情で子供が巻き込まれていってしまうというのは何ともイヤミス感のある展開で良かったですね。ドラマ版のようなトリックを求めていた方、トリックを駆使したミステリーがお好きな方には求めていたものとは違うと感じるかもしれませんが、個人的には殺害動機をメインにしたミステリーが大好きなので非常に面白かったです!ガリレオの曲にテンションが上がるだけでなく、ピアノとギター版『vs ~知覚と快楽の螺旋~』のしっとりとしたBGMにやるせなさや悲しみは増し、全てを知りながらも世間に公表したりはしない湯川先生…そんなやるせないエンディングにふさわしい雰囲気のあるBGMだったと思います。だからこそ恭平が自分と同じ道を歩まないように、成実に恭平を守るように湯川先生は言っていたのだと思われます。あくまでも個人的な考察・解説なので必ずしもこれが正解というわけではありませんが、参考程度に見て頂けると幸いです!映画内でははっきりと自首したシーンがなかったのですが、個人的には湯川先生と別れたあとに自首したと思います。開発側はできないことをできるという嘘を言わない、反対派は自然を守るべきだと言うけれども、どこかの犠牲の上で成り立っている文明発達でより良い暮らしを送っているのに自分の土地だけを守りたい、自分たちの住む土地に手を加えるなというのは矛盾しているだろうと。どちらかと言えば少しイヤミス感の残るラストで、エンドロール序盤までは電車から海を見つめる恭平とピアノバラ―ドだったのですが、一通りしっとりとした後にはテンションの上がる曲てしっかりと締めてくれました。恭平と湯川先生が海でペットボトルロケットの実験をしている時に流れていた音楽は、『ドラマ ガリレオ×映画 真夏の方程式 オリジナル・サウンドトラック』に収録されている『Horizon』という曲です。子供嫌いの湯川先生が恭平相手だとなぜか拒絶反応が起きない理由、最後に成実は自首したのか、人生を捻じ曲げられた人物について、ペットボトルロケット実験中に流れた音楽について考察・解説していきます。実際の山崎光くんの性格については存じ上げませんが、お顔立ちや声質的に恭平君のようなふてぶてしさのある悪ガキっぽいキャラクターがよく合っていたなと思います。今は理解しきれなくても彼はその内、叔父がなぜ自分にそんなことをさせたのかを理解し、自分のやったことの罪の重さに悩み苦しめられる時がきてしまうだろうという配慮から、湯川先生は慎重にことを進めようとしていたのだと思われます。テンションが上がるのにどこか切なさもある曲が、このシーンにピッタリだったと思います!初歩的なことではあるものの、忘れがちな大切なことだなと今作を観て改めて思いました。自分の守りたいものばかりではなく、相手が自分に対して何をしてくれたのかをしっかりと考え、そしてお互いの意見をすり合わせて理解し、その上でどうするべきなのかを決めるというのは、仕事・家庭においても大切なことだなと。どこか湯川先生のキャラクターと似ているところがありつつ、正反対のようなキャラクターでもあって、映画だけのキャラクターではもったいないくらいに湯川先生との相性が良かったです!カッコよさ、爽快感のある曲でどんよりとしたままは終わらず、面白かった!で締めやすいようなBGMになっているので、ぜひともエンドロールの最後までチェックしてみていただきたいです!湯川先生が犯人の名を口にしながらも、慎重に捜査をしなければと言っている時に「ある人物の人生が大きく捻じ曲がる可能性がある」とも言っていました。過去に人生を捻じ曲げられた成実のように。成実も三宅伸子を殺害したにも関わらず、見ず知らずの男が身代わりになったことで自分の父親について知ってしまいましたし、罪を償う機会を失ってしまったために15年経っても赤い傘の幻影に苦しむようになってしまいました。好奇心旺盛でやんちゃ坊主という子供っぽいところはあるのですが、物事を調査・理解して真実を知ろうとする姿勢は湯川先生の考えと近く論理的でしたし、親の都合で1か月も叔母夫婦の元に行くことになっても冷静で、1人で電車に乗ってやってくるような知力・行動力がありました。しかし湯川先生に、恭平を守る使命があると言われたために自殺は思いとどまり、自首して罪を償い、生きていく道を選んだのだと思います。ドラマの映画化作品ということでガリレオシリーズを観ていないとキャラクターについて理解しきれない部分も多いのですが、ぜひともガリレオ好きな方だけでなく、ミステリーやイヤミス好きな方にも観ていただきた作品になっていました。ガリレオはドラマでも印象的な映像が多かったですが、今作は映画版ということもあってより非日常的に、美しさと暗さの対比がされているような映像が多くて惹き込まれるものがありました!犯人視点と言うのも良くて、独特で異様な雰囲気を出しつつ犯人を映すことなく事件シーンを映し出していたので、謎を含みながらも結末の隠された真実にも繋がりやすくなっていて良かったですね。今作は美しい海や空に対して、人間関係のストーリーになるとドロドロと暗い映像になっていたのが印象的でした。「地下資源を採鉱すれば、生物には必ず被害が出ます。人間はそういうことを繰り返して、文明を発達させてきました。だが、その恩恵はあなたたちも受けてきたはずだ。あとは選択の問題です」この発言のある人物とは恭平のこと。知らなかったとはいえ、叔父に協力させられて煙突をふさいだ恭平は塚原殺害事件の実行犯です。なので年齢にしては大人びているというか、利発的で湯川先生に近い論理的な思考を持っていたために拒絶反応が出なかったのだと思います。今回はそんな『真夏の方程式』についての詳しい感想と考察・解説をご紹介していきます。感想と考察・解説ではネタバレを含みますので、映画ご視聴前の方やネタバレを避けたい方はご注意ください!湯川先生は子供が嫌いで子供と接すると拒絶反応の蕁麻疹が出てしまうのですが、今作の恭平とは接していても蕁麻疹がでませんでした。今作は冒頭から開発計画の反対を訴える地元民と、開発を進めようと説明会を開く開発派との論争が度々映し出されるのですが、その中で湯川先生の名言が多く登場してきます。