マシュマロ色の君と / 10. さくら学院祭☆2019は10月19日(土)・20日(日)の2日間にわたって、kaat=神奈川芸術劇場で行われました。僕がさくら学院をリアルタイムで追いかけ始めたのはちょうど2017年度の学院祭が終わった … その直後にTwitterを開設したが、大きな波紋を呼んでいる。 同日、ジャニーズ事務所は公式サイトで「この度、当社は、手越祐也との間で専属契約の終了について話し合い、本日をもって専属契約を合意解除することになりましたので、お知らせします」と発表。 3:01. 劇団4ドル50セントの安倍乙が、本日6月30日をもって自身のTwitterを終了することをファンに報告した。 安倍乙は、TVドラマや映画、舞台に出演する傍ら、テレビ朝日系『ロンドンハーツ』や日本テレビ系『それって!実際どうなの課』など、最近 Magic Melody生徒のみんなが学院祭のリハーサルをしている教室で、森先生の遺体が発見されます。戸惑う生徒たちを率先して森萌々穂さんが事件解決を目論み、そこにハロウィンの仮装をした生徒たちが現れ、幽霊になった森先生も入り乱れてドタバタ劇を巻き起こし…というあらすじ。例年のホームルーム式では森先生が生徒たちを指名する形でシナリオが進みますが、今回は幽霊となってしまった森先生は直接生徒たちと台詞を交わせず(ストーリーの "転" となる野崎結愛さん木村咲愛さんと短く会話する部分のみ)、エアツッコミのような形で狂言回しを務めます。全体で言えば、今年の寸劇は物語性は全くと言って良いほどなく、乱暴な言い方をしてしまえば「Pumpkin Palade」への壮大な曲振りのようなものなのですが、森先生殺人事件というシュールな設定の上に、仮装をした生徒たちの渾身のボケがテンポよく放たれ、舞台上では一時として笑いが途切れる事のない上質のコントが演じられていました。そして、今年度の新曲「#アオハル白書」。音源が解禁された当初から生徒たちが言っていた通り、BPMが速く変拍子も入りロックな曲調で今までのさくら学院にはないテイストの楽曲です。そこに短い歌詞を矢継ぎ早に歌いながら踊るのですから、相当に難しいパフォーマンスであることが想像できます。19日の初披露ではイントロから上がる凄まじい歓声が父兄さんたちの期待値の高さを表し、全身を大きく使いながら激しく立ち位置を移動し歌い踊る12人に、僕は目を瞠っていました。ちなみに、KAATの3階席に座ってステージを見下ろした時、まず初めに驚いたのは、エグいまでに細かく貼られた立ち位置を示すビニールテープでした。そして、どの曲でも最高の笑顔で歌いながら、ごく短い時間で縦・横・斜めに滑らか移動してピタリと立ち位置に着くさくら学院のダンスは、至近距離で観る輝きとはまた違った凄みを感じさせるものでした。そして結果的に、予想されたとおり@onefiveは森萌々穂さん(=MOMO)、有友緒心さん(=GUMI)、藤平華乃さん(=KANO)、吉田爽葉香さん(=SOYO)からなるガールズユニットであることが学院祭初日のアンコールの時間で明らかにされた訳ですが、現時点でのアクションはSNSを中心とした限定的なものとなっています。しかしながら、やはりこのユニットは特に彼女たちを以前から知る者にとっては "語るべきこと" が多すぎるのもまた事実です。「2010年春に開校し、『夢に向かって』の1曲をもって初お披露目させて頂いたのが、TIFのステージ。そのステージを終えて、それぞれメンバーの個性を発揮するステージとして、通常の学校行事に沿って創ったのが「学院祭」のコンセプトになります。ライブや寸劇という基本構成はこの頃から変わってないですね。」自分(たち)との戦いがまずあり、それが他のグループでは見られないような奥深いドラマを生み、表現にも強く影響する。それはさくら学院の魅力であり特徴であると思っているのですが、今年度は内側に向けるエネルギーの割合が低く、その分パフォーマンスの純度を高めることに早い時期から集中できていたのではないかと想像しています。勿論それは各年度の個性であり、良し悪しではありません。いずれにしても、いま華乃さん始め中3の4人には、2019年度のさくら学院が3月の時点で "どうなっていたいか" がはっきりと見えているはずです。残り5ヶ月でどこまで辿り着くのか。一瞬でも目を離してはいけない、と強く思います。「マシュマロ色の君と」でのユニゾンの、遠くまで響き渡らせたいというある種の必死さを感じる声の重なり。中等部3年の4人が担うソロパートも、なかんずく爽葉香さんが歌う「君に 感じてる」は、感動的でした。4人は決して歌姫というタイプのシンガーではないのですが、さくら学院のスタンダードをしっかりと守りながら、今は楽曲に自分たちなりの "心" を注ぎ込んで表現することを見据えて絶え間ない努力をしている。彼女たちの歌を聴きながら、そんな事を考えていました。そして、特別に推しているからという贔屓目があることを差し引いても、僕には爽葉香さんの歌唱力が「特別なもの」の領域に入りかかっているように思えてなりません。学院祭のセットリストを見ると、寸劇やサクラデミー賞で区切りができることもあり、ブロックが分かりやすく形成されています。今年度の初披露となる「目指せ!スーパーレディ」で幕を開け、TIFやサマーライブで磨いた楽曲で安定のパフォーマンスを魅せた前半。寸劇から2年ぶりの「Pumpkin Palade」、そしてこちらも17年度卒業公演以来の「Let's Dance」を披露した中盤。サクラデミー女優賞を挟み、19日は「キラメキの雫」、20日は「君に届け」と今年度のキーとなりそうな楽曲から、初披露も含め4曲を踊った本編の後半、そしてアンコール。2018年度の学院祭の寸劇「時をかける新谷」は、観ている全ての人の記憶に残る、まさに名作と呼べる作品でした。迫真の演技、独唱、整合性を保つにはミスが許されない難しい台本。そして何よりもそれをたった1回きりの本番でやり切った演者の努力と集中力。間違いなく、長いさくら学院祭史の中でも特別な瞬間として刻まれた場面だったと思います。僕は2019年度が始まってからずっと「今年の寸劇はどうなるんだろう?」ということが気になっていました。17年度と18年度にはメンバー間(なかんずくその当時の中3)の心の機微をテーマとして掬い取り感動的な物語に昇華させた森先生が今年度はどんな本を書くのか、興味がありました。実際にどれくらいの時期から台本が書き始められるのかは分かりませんが、4月~5月には森先生が寸劇について不安がっている姿も見られました。夏を過ぎた頃になっても、ストーリーなどは全く予想がつかなかったのですが、前年度とは趣向、或いは「形」をがらりと変えてくるのではないか、と思っていました。学院祭の寸劇が気になってます。森先生が「有友とか(台本を)書かねえかな」と言ったのもあるんですけど、それは実現しなかったとしても何か新しい試みの可能性はあるんじゃないか、と。森先生仕切りのホームルームいう形式からはみ出す、とかも面白いと思うけど…のちの振り返りで森先生が「ガチが過ぎる」と言ったような真剣勝負の場面が、今回も見られました。なかでも、沙南さんが泣き出してしまった、それも「泣きそう…」と言いながら泣いてしまった場面は、胸に迫るものがありました。今年度のサクラデミー女優賞では、裏の設定、自分と相手役との関係性や、演じている人物の性格までもしっかりと考えて本番に挑んだ生徒が多かったように見えました。そしてこれは余談みたいなものになりますが、僕は@onefiveが見せる「仲の良さ」がやっぱり好きです。彼女たちが現時点で持っている武器を考えてみると、15歳にしてダンスや歌、表現の基礎が確たるものであることと、数多くの舞台での経験があること。デビュー作でもかなり贅沢なクリエイター陣を招き、質の高い表現が出来ていること。だと思います。そして表現と直接は関係ないのですが、彼女たちならではもう一つの強みが「仲の良さ」だと思います。彼女たちはまだ15歳で、無限の選択肢があります。きっと彼女たちもそれを知っています。未来なんて誰にも分からないのですが、少なくとも今の時点では、4人は「一緒に夢をつかみたい」と望み、約束してくれた。そのことに僕はただただありがとうございますとしか言えないし、僕たちが学院祭のアンコールで観た@onefiveのステージは、もう一つの奇跡の始まりになるのかも知れない。可能性はゼロじゃないよね?…などと自分で自分に問いかけながら、今日も「Pinky Promise」のプレイボタンを押しています。2019年度、さくら学院の9代目生徒会長に就任した華乃さんは、迷いなく「史上最強のさくら学院」という言葉を用いて今年度のさくら学院が目指すものを表していました。5月の時点ではまだそれがどのようなものか僕には分からなかったのですが、夏以降のライブパフォーマンス、そして学院祭のステージを観て、ぼんやりと分かってきた気がしました。そして、現時点で@onefiveの唯一の作品が、デビューシングルとなる「Pinky Promise」です。これは音源、Music Videoの映像ともによく練られた、上質の表現になっていると思います。それにしてもあらためて思い返してみると、学院祭のプログラムの中でも難易度が高いと思われる「Let's Dance」と「#アオハル白書」、その2曲でも "淡々と" パフォーマンスについて行く愛桜さん、美湖さん、咲愛さんの転入生3人は凄いですね。ダンス経験の差による "いびつさ" はさくら学院では決して欠点ではなく、魅力の一つとも言えるものだと思います。でも、学院祭2日間のパフォーマンスで強く印象を残したのは、「未経験だった年少のメンバーが必死に食らいついて行く」というドラマ性ではなく、転入生も含めたチームの平均的レベルがこの時期において極めて高い水準まで達しているということでした。ダンス経験が長いからこそ、さくら学院独特のコレオグラフィーに戸惑いもあったはずの美湖さんはもはやエース級の輝きを放っていたし、愛桜さんと、そしてとりわけ最年少の咲愛さんの努力がどれほどのものであったか。想像すると胸が熱くなります。