あらすじ. 『平凡』(へいぼん)は、二葉亭四迷の小説。1907年(明治40年)、『東京朝日新聞』連載。 『浮雲』『其面影』に続く二葉亭第3の長編小説である。 当時主流の自然主義文学への皮肉が見られる。. 今年39歳になる「私」は下級官吏であるが、かつては文士であった。 浮雲 あらすじ(ストーリー解説) 映画『 浮雲 (1955)』の あらすじ を紹介します。 タイピストとして仏印に渡ったゆき子(高峰秀子)はそこで富岡(森雅之)と出会い、彼が既婚者と知りながらも恋に落ちる。 真面目で優秀だが内気な文三と、教育ある美しいお勢は周囲も認める仲。しかし文三の免職によって事態は急変、お勢の心も世知に長けた昇へと傾いてゆく。明治文明社会に生きる人々の心理と生態を言文一致体によって細緻に描写し、近代文学に計りしれない影響を与えた二葉亭四迷(1864‐1909)の記念碑的作品。注釈が多い。当時の世俗、世情、言葉回しなど注釈なしでは解せない。しかし話の展開、文章のキレが良いので読みやすい。結末は悩める青年はそのままに。現代にも通ずる。解説にも書いてあるとおり、正義を貫き通す生き方を良しとするかという古今東西通ずる葛藤を、ダイレクトに表現した作品。ハッピーエンドでも完全に終わりきった感じでもなく人によっては読後感が微妙かもしれないけど、これでいいんじゃないかと個人的には思った。読む価値はあり。文三は官僚として働くが、免職されてしまう。お勢のことが好きであった文三はとても良い雰囲気でもう少しで結婚できるかもしれなかったが、免職によって、立場がなくなかなか気持ちを伝えられない。昇という官僚時代の同期が逆にお勢の気持ちを奪っていこうとする。真面目な文三が世渡り上手な昇に対して不満に思う気持ちが、作者が世の中の不条理さを表現しているものとなっている。自分の正確も文三に似ているなと思ったので、共感できるところがあって面白かったです。世渡り上手な人が成功することは現代まで続いてあると思うので、明治時代と変わっていない社会に驚きました。まさに人間そのものが描写されている。この時代に先駆者としてここまで面白い作品を書けるのは素晴らしい。 どうしても文三に感情移入して読んだ。如才ない昇や、何だかんだいって稼ぎが大事とするお政などの人物にも共感しないではないが、やはり作者が主人公として配置した文三への共感ほどではなかった。 この『平凡』の主人公も、自然主義文学の影響を受けて小説を書いているようです。『平凡』は、ある平凡に人生を歩む39才の主人公が、自分の半生を綴っていく物語です。近ごろは自然主義とか言って、何でも作者の経験した愚にも付かぬ事を、聊かも技巧を加えず、有の儘に、だらだらと、牛の涎のように書くのが流行るそうだ、好い事が流行る。私も矢張り其で行く。そして、遂に彼女を手に入れるとなったとき、物語は一つの山場を迎えます。読書ブロガーの小助です。年間300冊ほど本を読みます。でも読書は量じゃなくて、どれだけ内容を自分のものに出来るかが大事。僕はほとんどできていません。あらら。こうした独特な立ち位置に、『平凡』という作品の特徴が見られます。ポチは犬殺しに殺されるのですが、その時の主人公の悲しみは計りきれません。これらをまとめると、『平凡』は額縁構造という間接的な語りの方法を用いており、さらにその主人公には自然主義に対してアイロニカルな視点を持たせています。お恥ずかしい話ですが、僕も一時期そのようなことを思っていたことがありました。ここではそんな『平凡』のあらすじ・解説・感想をまとめています。決して快楽目的の悪者に殺されたいうわけではありませんが、その時の主人公の悲壮感はひしひしと伝わってきます。犬への愛が豊かに描かれていて、主人公の人間味を増している描写になっています。始めは日本の大衆小説を読み、次に文豪の作品を読み、ついには西洋へ手を出します。このことを小説にそのまま書いたとてしても、現実そのままを写し出せたわけではない。大人になってからの「死」を描くことで、主人公の成長や物語内時間の幅を感じさせる仕掛けになっています。ましてやだらしのない人間が、だらしのない物を書いているのが今の文壇の、、、、、、、。一方で、お糸さんは主人公が大人になってから出会った大人の女性。日本における自然主義文学とは、日常の私的なことを、そのまま写し出そうとする試みの小説です。そして、西洋の小説を高尚な物だと思い、日本の通俗小説を少し馬鹿にするのです。幼少期から大人の現在までをざっと書き、最後に小説の形式について少し述べて、物語が終わります。では、なぜ二葉亭四迷はこのような構造で『平凡』を書いたのでしょうか?彼女への想いが募るものの、女性を知らない主人公は手が出せません。Copyright© あらら本店 , 2020 All Rights Reserved.しかし、彼は自然主義という形式を信奉していたわけではなく、半ばアイロニカルに用いている様子が見られます。世の中の不条理を強く訴えるような感情的なシーンになっています。主人公と恥ずかしさを共感できるので、この一節は好きなところです。 この記事では二葉亭四迷『平凡』のあらすじ・解説・感想をまとめています。『平凡』は39才の主人公が、自分の半生を小説にして綴っていく物語。二葉亭四迷の長編小説としては最後の作品になります。 『浮雲 (岩波文庫)』(二葉亭四迷) のみんなのレビュー・感想ページです(50レビュー)。作品紹介・あらすじ:真面目で優秀だが内気な文三と、教育ある美しいお勢は周囲も認める仲。しかし文三の免職によって事態は急変、お勢の心も世知に長けた昇へと傾いてゆく。