その課税期間の課税標準額は、原則として、その課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額(消費税額及び地方消費税額を含みます。)の合計額に108分の100(注1)を乗じて算出した金額となります。そして、この金額に1,000円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます(注2)。(注1) 令和元年10月1日以降に課税資産の譲渡等を行った場合には、課税資産の譲渡等の税込価額(消費税額及び地方消費税額を含みます。)の合計額に110分の100(軽減税率の適用対象となる課税資産の譲渡等について … 請求書の消費税では1円未満の端数計算を「切り捨て」で処理することが多いと思います。消費税10%改正の4年後には適格請求書等保存方式も導入されます。今回は様々な対応を迫られる消費税改正後にもスポットを当て「消費税の端数処理」を整理しましょう。 総務省では、「税抜価格」に上乗せする消費税相当額に1円未満の端数が生じる場合の端数処理について、以下のように述べています。2019年10月1日から消費税について複数税率が導入されます。当初の4年間は従来の「請求書等保存方式」を維持しつつ、区分経理に対応するための措置として「区分記載請求書等保存方式」が適用される予定です。しかし、2023年10月1日からは「適格請求書等保存方式」が適用され、その記載方法にいくつか変更点が発生します。適格請求書等保存方式のもとでは、従来の請求書の内容に、以下の項目を追加しなければなりません。以上のことから、消費税の端数処理に関するポイントは以下の3つになります。Copyright©OBIC BUSINESS CONSULTANTS CO., LTD. All Rights Reserved.消費税に関する端数処理は、請求書発行時の他に消費税の申告・納税においても発生します。その端数をどのように処理 (切捨て、切上げ、四捨五入など)して「税込価格」を設定するかは、それぞれの事業者のご判断によることとなります。これらが示すように、商品・サービスを販売する際、消費税の端数をどう処理するかは企業に委ねられており、法的な定めはありません。会計システムや請求書を発行する販売管理システムでは、通常、端数処理は自動的に行われます。設定を変更すれば、端数処理方法を手動で変更することもできます。現在使用しているシステムで適正に消費税の端数処理が行われているか、一度設定を確認しておきましょう。以上より、消費税が改正され適格請求書が義務づけられて以降は、以下の2つのルールに従って端数処理を行うことになります。また、事業間の取引においても、消費税の端数処理について法律で定められているわけではありません。ただし、取引先と端数処理の方法が異なると、「計算が合わない」とトラブルに発展する可能性も否めません。各企業の判断に任されている「端数処理」だからこそ、請求書を発行する際には前もって企業間で取り決めておきましょう。 請求書の消費税処理 小数点以下の端数が出た場合、切捨て、切上げ、四捨五入? 2015年8月18日; 2018年7月23日; 請求に1円未満の端数が発生した場合、この端数はどうすれば良いのでしょうか。 消費税と売上額のそれぞれの端数処理について考えてみました。