映画を通して考える平和。戦争映画アーカイブス[war films for peace]は、主にWWI以降の近現代の戦争・紛争をテーマにした映画をまとめて紹介しています。 Amazon.com で、戦争と平和 [DVD] の役立つカスタマーレビューとレビュー評価をご覧ください。ユーザーの皆様からの正直で公平な製品レビューをお読みください。 第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュに選出されたイッセー尾形主演『漫画誕生』。 “近代漫画の父”と呼ばれ、いま現在に至る漫画を職業として確立し、歴史から忘れられていった男・北沢樂天。 新進気鋭 …年末の風物詩といえば、「第9交響曲」もその1つ。 有名なベートーベンの名曲が全国のコンサートホールで響きますね…。 今回ご紹介する映画『グランドフィナーレ』の主人公は引退した音楽家です。 才能豊かな著 …《いぶき》をはじめとする護衛艦内・戦闘機内・潜水艦内という密室を襲う、「日本の危機」「侵略の危機」がもたらす緊迫した雰囲気。日本だからこそ起こり得る危機を二つの視点から描く、骨太超大作です。Copyright © 2020 Cinemarcheキャストには、人気実力派俳優である西島秀俊と佐々木蔵之介をはじめ、本田翼、高嶋政宏、玉木宏、市原隼人、中井貴一、斉藤由貴、藤竜也、佐藤浩市など、豪華キャスト陣が勢揃いしました。インディペンデント映画の父と称されるジョン・カサヴェテス。 彼の妻ジーナ・ローランズの女優としての生きざまを鮮烈に感じさせるのが、本作『オープニング・ナイト』です。 観終わったあなたは、思わず拍手を送 …監督は『ホワイトアウト』(2000)『沈まぬ太陽』(2009)『柘榴坂の仇討』(2014)で知られる若松節朗。20XX年、日本最南端沖にて、日本領土であったとある島が国籍不明の武装勢力によって占領され、そこに居合わせていた海上保安官らもその勢力によって身柄を拘束されてしまいました。メディアを通して伝えられる疑いようのないその輪郭に、人々は瞬く間に混乱に陥ります。また、外交の前線であり、「外交交渉」という名の心理戦・政治的工作を繰り広げる官邸もまた、密室劇の舞台と化すことは疑いようがありません。個性的な出演者たちがつむぎ出す、おかしな家族を描いた佳作! 日本映画学校の卒業制作として、監督・脚本を務めた『グッバイ・マーザー』がゆうばり国際ファンタスティック映画祭、下北沢映画祭などで入選したふく …その第5艦隊には、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦にして、竣工前から「これは『戦略的空母』である」「『専守防衛』に反している」と国会内にて論争が繰り返されていた護衛艦《いぶき》が旗艦として配備されていました。緊張が走る中、日本政府は小笠原諸島沖で訓練航海の最中だった第5護衛艦隊群を「海上警備行動」という形で出動させます。漫画『沈黙の艦隊』『ジパング』の作者で知られ、本作の監修も務めている人気漫画家かわぐちかいじの同名漫画を実写映画化しました。しかし、いざ自国の領土に侵略の危機が訪れた時、長年守られてきた「専守防衛」の原則は人々の、少なくとも前線に立つ人々の足枷となることは否定できません。現場海域を向かわんとする第5艦隊。しかし艦隊の乗員たちは、そして日本は、戦後一度も体験したことのなかった24時間を過ごすことになります。何が起これば防衛要件を満たされるのか、要件が満たされたとしてもどこまでが「自衛行為」にあたるのか……何よりも、そのようにして防衛のための“戦闘”が開始され展開された「先」、すなわち“戦争”との境界線はどこにあるのかという疑問が、次々と浮かび上がり、前線に立つ人々の思考を絡めとってゆくのです。そして、観客たちに「ある問題に対する答え」を提示するのは、前線に立つ人々だけではありません。映画『パティ・ケイク$』は、4月27日(金)より、HTC渋谷、新宿シネマカリテほかにてロードショー! 2018年日本公開される映画で、文句ナシおすすめで面白い作品は、サンダンス映画祭発!ラップ女子の感 … 第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュに選出されたイッセー尾形主演『漫画誕生』。 “近代漫画の父”と呼ばれ、いま現在に至る漫画を職業として確立し、歴史から忘れられていった男・北沢樂天。 新進気鋭 …9月16日に公開される『散歩する侵略者』に出演し、宇宙人になったような夫役を演じた松田龍平の主演作『舟を編む』。 公開から話題を呼び、松田龍平の高い演技力を初め、多くの賞を受賞した今作は「辞書作り」と …被爆75周年を迎えた今日において、若い世代に向けた平和への新たな訴えを描いた『おかあさんの被爆ピアノ』。彼は1945年の広島への原爆投下で被爆したピアノをさまざまな所有者から任され、自身の手で修理し、全国各地より依頼があればどこにでも持参してコンサートを開き、その音色を人々に聴かせる平和運動をしていました。一方で、年を経るごとに歴史の証言者は減りつつあります。重大な事実をどのように語り継いでいくかが大きな課題とされる時期にきており、近年平和運動を取り巻く状況は大きく変化を遂げつつあります。監督は『美しすぎる議員』(2019)などを手掛けた五藤利弘。五藤監督は本作と合わせノベライズ作品を執筆しました。役者陣の演技に対する演出は、微妙な表現ニュアンスを役者に依存し非常に間を持たせているものの、それぞれのシーンで役柄一人一人が抱く感情が明確に表現されており、本作が抱える問題はダイレクトに示されています。自身も被爆二世であり、平和に対する並々ならぬ思いを募らせるピアノ調律師・矢川。役柄の葛藤の日々をまさしく“生きた”ように俳優たちの表情を非常に印象深く撮り切っており、作品として非常に高く評価できるものです。Copyright © 2020 Cinemarche菜々子は自分の母親が祖母から受け継いだという被爆ピアノを矢川に寄贈したことを知り、このコンサートに訪れたことを明かします。映画『サラバ静寂』は、2018年1月27日より渋谷ユーロスペースほか順次全国公開。 キャスティングは『太陽を掴め』の吉村界人を主演のミズト役を務め、共演に『葛城事件』の若葉竜也をトキオ役で起用。なかで …主人公・矢川光則役はもともとベテラン俳優の大杉漣にオファーされていましたが、大杉との共演も多かった佐野が引き継ぎ演じています。そして被爆ピアノの経緯から自身のルーツを知る旅の中で、矢川に出会うヒロイン役をAKB48の武藤十夢が担当します。本作を手掛けたのは、『レミングスの夏』『美しすぎる議員』などを手掛けた五藤利弘監督。五藤監督が近年手掛けた『花蓮~かれん~』(2014)『レミングスの夏』(2017)といった作品は、自身の歩む道に迷う若者の姿をピュアに描いた物語。そこには矢川光則さんという、被爆ピアノを語り継いでいく上で重要な人物の姿を真摯に見つめ、丁寧に脚本として仕上げた五藤監督の熱意があったのでしょう。物語は人々が共感することに重きを置き、芯となるものを語り継いでいけることを目指し、それぞれのキャラクターも非常にシンプルで共感しやすい人物像で描いています。本作でもそういったセンスが発揮され、武藤が演じる主人公・菜々子の「自分を知る旅」の中で見せるさまざまに複雑な思いを込めた表情を余すところなく映し出し、歴史上の大きな悲劇と、それを知らない若者たちの意思をうまく結び付けています。広島の原爆投下という歴史上の大事件について、かつて映画では漫画家・中沢啓治の原作物語を実写化した映画『はだしのゲン』(1976)や、橘祐典監督が手掛けたドキュメンタリー映画『にんげんをかえせ』(1982)といった戦争、そして原爆投下という行為で生み出される悲惨な状況をリアルに描いた作品で、その事実は長く世に訴え続けられました。被爆75周年を迎えた本年は、先述の被爆体験者の減少などとともに、コロナ渦の影響により今年も広島で行われる予定となっている平和祈念式典の縮小開催など、平和を訴える活動に対してさまざまな制限が現れ、平和に対する危機感も見られる年となりました。映画『朝が来る』は2020年10月23日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。 世界で高い評価を受け、東京2020オリンピック競技大会の公式映画監督にも就任した河瀨直美監督が、直木賞・本屋大賞 …ピアノ調律師・矢川光則役を、近年ドラマ『限界団地』での怪演で話題となった佐野史郎、ヒロイン江口菜々子役をAKB48の武藤十夢、その母役を森口瑤子、父役を宮川一朗太らが担当。さらに広島出身の俳優・栩野幸知らも出演に名を連ねています。歴史上の大きな悲劇とともに平和を考えるきっかけとなっているのです。劇中での被爆ピアノによるコンサートのシーンで、峠三吉の詩集『原爆詩集』の序章部分の朗読やベートーベンのピアノ・ソナタ 第14番 「月光」など、どちらかというと重々しく胸が苦しくなるようなメッセージとは対照的に、物語の展開に一つの平穏な空気をもたらしています。そんな中で、本作は現代の人間が平和について考える一つの新たな方向を見出しています。また本作の一つのポイントとして、要所で響きを聴かせるベートーベンのピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13『大ソナタ悲愴』の第二楽章のメロディーがあります。物語の上でもこのメロディーは印象的なアイテムとして用いられ、本作の結末をポジティブな方向に導く鍵としており、物語自体の重要なキーとして存在させています。自身のこれからの進路を考える中で、菜々子は自分が被爆三世でありそのルーツを知りたいと思っていましたが、それを母は執拗に隠そうとしており、いつも不審に思っていました。性差別撤廃に奮闘した女性弁護士ルース・ベイダー・ギンズバーグの伝記映画『ビリーブ 未来への大逆転』。 泣く子も黙る法曹界のレジェンドであり、女性解放運動のパイオニアでもある女性、ルース・ベイダー・ギン …本作は被爆ピアノを巡る平和運動で知られる実在のピアノ調律師・矢川光則さんをモデルにピアノにまつわるストーリーを構築、「戦争」「原爆」を知らない人たちへの切なるメッセージを描いた物語です。このメロディーはCMなどでも使われたりして、日本人にとっても非常になじみのあるものです。主演を務めた武藤十夢、佐野史郎それぞれが演じた役柄は、さまざまな事実が明らかになっていくことで心情に揺らぎを見せますが、それがかえって見るものにとって深く共感できるものとなり、作品のテーマでもある「平和」について深く考えさせられました。矢川と菜々子の出会いは、そんな知られざる彼女のルーツを明かしていくきっかけとなっていきました。その日も自ら運転する4トントラックに積んで全国を回っていた矢川は、コンサートの後片付けをしているときに、東京で暮らしているという一人の女子大生・菜々子と出会います。