第2045回は、「trickトリック シーズン1最終話 黒門島、ネタバレ」(思考実験コメディ)です。ドラマの冒頭、沖縄のシャーマン・ユタが紹介されます。ウ… 『 ・・・・ 千鶴子の透視能力を確信した(帝大教授の)福来は、この実験結果を心理学会で発表した。これにより、「透視」という言葉が新聞で大きく取り上げられ、真贋論争を含め大きな話題となった。千鶴子のもとには、透視の依頼が殺到したほか、長尾郁子を初めとした「千里眼」の持ち主だと名乗る者たちが続々と現れた。さらに、北見自身、縫い針を心臓に実体化させると脅迫されています。そのことも、依頼の一因になっています。そして、千賀子が予言した時間どおりに亡くなります・・・・。検視の結果、外傷もなく、針が突如、心臓に実体化したとしか思えません。若き日の剛三(山田奈緒子の父親)は、この漢字について、こう言っています。「誰も読めないのであれば、これから訓(よみ)を作ればいいではないか」、それが里見(野際陽子さん)へのプロポーズになりました。五文字です・・・・。大きな伏線です。そんな千賀子が、25年ぶりに復讐のために村に戻ってきたのです。千賀子は豪語します。「私は、いかなるものも念力で実体化できる」と・・・・。しかし、千賀子の物体化には、死が伴います。第4728回は、「TRICKトリック、第3シーズン、第5話(最終話)、念で物を生み出す女~黒門島の謎Ⅱ、ストーリー、ネタバレ」です。黒門島が、ドラマに初登場したのは、第1シーズン最終話「黒門島」のことです。当時書いたブログから、冒頭部分を再掲します。② 金井源三・・・・ 何故か、ガッツ石松蟲(ガッツいしまっ虫)とか、実在の人物・ガッツ石松さんに瓜二つの村の有力者です。千賀子から、毒死すると告げられ、その予言どおりに亡くなります・・・・。単なる水が、毒物に変じていたのです(事前に毒見しています)。奈緒子の父親が、里見にプロポーズに使った言葉とは・・・・。今まで試みていたのは、すべて日本語でした。英語の「アイラブユー」は6文字です。フランス語の「ジュテーム(Je t'aime 愛してる)」とたどたどしく話すと、瞬間的に扉が開きます。ふたりは、声を合わせて「ジュテーム」と唱えます。扉が開きます・・・・。以降、黒門島については、第2シーズン最終話「妖術使いの森」とか、劇場版第三作「霊能力者バトルロイヤル」などでも触れられています。そして、・・・・。③ 金井省吾(久保田篤さん)・・・・ 親(②)の権力の七光りで、生意気に育った青年です。千賀子を襲撃した仲間10人と共に、行方不明になっています。千賀子は、山田奈緒子から全員の名前を聞き出し、各人の名前を書いた紙を、10枚の"呪"の封筒に入れました。それを奈緒子本人に選ばせた経緯があります。そこに警官隊と、千賀子の実子である誠一(成宮寛貴さん)が乗り込んできます。誠一は、母親の復讐だといって洞窟の床にガソリンをまき、火をつけます・・・・。奈緒子は、箱を開きます。箱に入れられていた液体と、砂地のカルシウム分が化学反応し、毒ガスを発生させます・・・・。②のトリック「毒見している水が有毒化」に対する解答・・・・ 金井源三が別の水を用意していたことを、千賀子は心理的に見抜いていました。その別の水に毒を入れていたというものです。ここから、物語は一挙に進みます。黒津分家の者たちがやってきたのです。ですが、洞窟の奥に置かれていたお宝の箱には、「この箱を開くと全員助かる。しかし、最初にこの箱を開いた者は死ぬ」と書かれていました。山田奈緒子(仲間由紀恵さん)の父親・剛三は、15年ほど前、マジックの練習中に亡くなっています。水中から脱出しようとして失敗したのです。その父が、現われたのです。しかし、死んだ人が蘇るわけがありません。奈緒子が幼少期を過ごした"黒門島"の住人、黒津次男、黒津三男の策略でした。・・・・ 』1910年9月15日、物理学の権威で東京帝国大学の元総長の山川健次郎が立会い透視実験を行った。千鶴子は鉛管の中の文字の透視を「成功」させたものの、それは山川の用意したものではなく、福来が練習用に千鶴子に与えたものであったことが発覚。この不審な経緯に、新聞は千鶴子の透視能力について否定的な論調を強めて行った・・・・ 』③のトリック「被害者の名前を奈緒子が何故引いたのか」・・・・ 奈緒子から全員の名前を聞き出した時に、千賀子はすべての紙に"金井省吾"と書いていたというのです。どれを引いても、"金井省吾"だったはずだと・・・・。公開実験の後、マスコミのバッシングの中、御船千鶴子は服毒自殺します(享年24歳)。御船千鶴子と同じような人生を送った女性が、最終話に登場します。長谷千賀子(大谷直子さん)です。25年前、御獅舞村(おしまいむら)を、御船千鶴子がたどった人生のごとく、贋超能力者として"石もて"追われました。その後、9人は縛られた状態で森で発見されますが、省吾だけは、串刺しにされていました。以上3件すべてが、千賀子の超能力を実証しているように思えるのですが・・・・。奈緒子が書いたメッセージは、「何故ベストを尽くさないのか」でした。一方、上田のメッセージは、"門構えに炎"(ジュテーム)でした。上田は、島を離れていませんでした。これが描きたくての最終話のようです。黒津分家のリーダー格を、でんでんさんとつぶやきジローさんが演じています。この場を取り仕切ったのは、つぶやきさんでした。最初すべて赤色を取りだし、その後、すべて青色を取り出しました。奈緒子の指示によって、入れるコップ(不透明)を変えていたのですが、当然ですが、ふたつのコップには全て赤が入っています。青に切り替えた段階で、別のふたつのコップ(やはり不透明)を取り出しています。すべて、つぶやきさんのトリックでした。(追記) 「トリック 第3シーズン」に書いたブログは、次のとおりです。肝心の「神の象の像」の呪文は5文字です。島にやってきた上田の指示で、「あああああ」から「んんんんん」までを実行しようとしますが、そのことは事前に黒津分家が実施していました。上田と奈緒子は、悩みます。熟慮の果にたどり着いたのが、"門構えに炎"の読みです。これも5文字です。しかも、外国語ではないか・・・・。警官隊も黒津分家も逃げ出します・・・・。「最初に開いた者は死ぬ」は嘘だったのです、勇気と自己犠牲が試されていたのです。箱は高い位置に置かれていました。空気より重たい毒ガスは、下へ下へと流れました・・・・。黒津分家の者たちは、奈緒子の能力を試すテストを行います。壺に入った赤と青のビー玉、手の中に隠したビー玉の色を全て当てろというのが課題です。誰が考えも不可能です。ですが、奈緒子は32個取り出したビー玉全ての色を当てます。こうして、意味不明、ストーリー破綻しまくりの状態で、事件は集結します。上田は本土に帰り、奈緒子は島に居残ることになりました。別れる際に、上田の提案で、お互いにメッセージを渡すことにします。ただし、上田が完全に島を離れるまでは、封筒の中を見ないこと・・・・。①のトリック「心臓に、縫い針が実体化」に対する解答・・・・ 千賀子の共犯者である北見は、事前に縫い針を心臓近くに外科的に埋め込んでいました。上田教授(阿部寛さん)の崇拝者を装い、予告時間の寸前に、「どんと来い!」と何度も叫びながら、左腕を振り上げていました。その物理的な振動によって、針が心臓に突き刺さったと・・・・。『 ドラマの冒頭、沖縄のシャーマン・ユタが紹介されます。ウィキペディアから、一部引用します。「 ユタはいわゆる霊能力者であるが、迷信と考える者も多い。だが、一般にユタの力は古くから広く信じられており、凶事に当たった場合や原因不明の病気、運勢を占いたいとき、冠婚葬祭の相談など、人が人知を超えると考える問題を解決したいときに利用される。・・・・ 」さらに、このエピソードでは、黒門島に伝わる不思議な漢字について触れられています。門構えに"炎"、決して口にしてはならないと言い伝えられており、現在ではどう読むのか分からなくなっています。④「千賀子は本当に超能力者だったのか」に対する解答・・・・ 千賀子は、奈緒子が自分の名前を書くことを予測していました。千賀子も、北見(①)も、最初から、ある大義のために死ぬ覚悟で望んでいたのです。千賀子は自らの能力を証明するために、さらなる提案をします。「殺したいと思う人は、誰にも一人や二人はいるはずです。あなたが殺したいと思う人の名前を書いて、"呪"の封筒に入れなさい」 優れたミステリ・コメディになっています。① 北見紀明( デビット伊東さん)・・・・ 今回の依頼者です。中学校教師なのですが、何故か上田を尊敬しています。金井省吾(③)たち10人が、千賀子を襲撃しようとしたのですが、そのまま行方不明となっています。失踪の理由判明が、最大の依頼内容です。ドラマは、実在の超能力者・御船千鶴子を紹介するところから始ります。「リング」貞子のモデルになった女性です。ウィキペディアから一部引用します。―――――――――――――――――――――――――――――――山田奈緒子(仲間由紀恵さん)が書いた名前は、千賀子本人(大谷直子さん)でした。千賀子に超能力がなければ、千賀子本人に影響はありません、それは千賀子に能力がなかったことの証明にもなります。千賀子に能力があれば・・・・。その千賀子が、血を吐いて亡くなったのです。その大義こそ、"黒門島"でした。ここで、一挙に数十人に上る黒津分家が登場します。かれらは、黒門島を追放されたグループです。奈緒子を拉致し、南方の島に連れて行きます。奈緒子に科されたのは、「神の象の像」の扉を開くことです。黒津分家の命運を分けるものが奥に隠されていると、彼らは信じていたのです。前半(第9話)は、非常に面白い展開です。ぐんぐん視聴者を引っ張っていく優れたミステリ・ドラマに仕上がっています。ですが、後半(第10話)、ドラマの方向性が大きく変り、そのパワーを失います。奈緒子が書いた名前とは・・・・、以下、最後まで書きますので、ネタバレになります。仲間由紀恵さんも、山田奈緒子も沖縄出身です。沖縄には、霊能力者、ユタが存在する、それが第1シーズン最終話の背景となっています。山田奈緒子も、超能力者でしょうか。