新卒社員や中途入社組が証券会社が入社し、リテール営業(個人向け営業)に配属されて、まずやらされることと言えば、「新規開拓」です。個人宅へアポなしで飛び込み、顧客を獲得していくのですが、控えめに言ってかなりしんどいです。僕は新卒で証券会社に入 新人は、このプレッシャー、追い込みを耐え凌ぎながら新規開拓をすることになります。インターホンを押すごとに一喜一憂を繰り返すことになり、肉体的にもしんどい中で、精神的にも追い込まれて参ってしまいます。例えば、定期預金の満期待ちや、新発債券の募集待ちなど、「その時」がやってくれば確実に顧客になってくれる客です。僕のいた支店では手紙はあまり重視されてなかったのでほぼ活用しませんでしたが、手紙は年配の方を中心に有効とされています。そして、関係性は作れていなくても、お金の匂いがしそうな客はそこそこ見つかってくるため、100件程度はCランクに位置づけられます。営業によっては、テリトリーへの飛び込みが一巡して、ニーズや手応えがつかめなければ、次のテリトリーへさっさと移ってしまうことがあります。必要なノウハウは配属されてから先輩や上司に教えてもらえますので、一から考える必要は特にありません。同じ個人宅を何回か訪問するにしても、時間帯を変えて訪問してみることです。インターホンを押して返答があるのは、割合として10軒に1~2軒あれば良いぐらいです。インターホンを押して仮に反応があっても、返ってくる返事は「うちは結構です」「営業はお断りです」「お金がない」などと、にべもなく切られてしまうケースがほとんどです。結果が全ての新規開拓のミッションにあって、そうしたプロセスはあまり重視されません。後にも書きますが、不在宅であっても定期的に訪問することが新規開拓のミソです。新卒で入社した証券会社(リテール→リサーチ)を辞めて、東南アジアで海外就職したことをきっかけに新たな人生を切り開く。元編集記者。現在はライター兼編集者。世の中の「のびしろ」あるかも。に目を向け、人生の"のびしろ"を養うブログを運営中。バンコク時代にソムタムの味に惚れ込み、脱サラ(死語?)してソムタム屋さんを開くのが夢。インターホンを押して、在宅を確認し、どうにかこうにか玄関先に出てくれただけでも奇跡です。新人教育担当は、「メンター」や「コーチャー」などの名前で呼ばれ、新人の新規開拓をフォローする役目を担います。ノルマが途方もないと感じられるほど、競争が激しいのが、この証券界隈です。また、新規開拓営業やリテール営業を辞めたい、証券会社から転職したいという方は、以下の記事を参考にしてください。今回はそのリアルな実態についてまとめてみようと思いますが、個人的な経験によるものですし、主観がかなり入ってます。そうしたキーマンに会うのが至難の業であることも、この新規開拓の難しさ、辛さ、しんどさに拍車をかけています。雨の日に大量の配布資料を抱えて傘をさすのは骨が折れますし、暑い夏には真っ黒に日焼けしながら(水分補給だって相当なものです)、寒い冬は手がかじかみ、震えながら取り組みます。こうした訪問ノートを元にして、今度は「見込み判断」をしていきます。「本日午前中に▲▲様のお宅にご挨拶で伺ったのですが、あいにくご不在でした。」例えば、学習教材や化粧品、太陽光パネルなどの営業は、ニーズがあるかないかを把握することが全てです。また、地方都市であっても大都市圏に比べて幾分ましぐらいで、地場証券なども混ざって競争は激しいです。この軒数自体がすでに物語っているのですが、お客さんにまず持って会えないのがこの新規開拓の大変なところです。次から次へと飛び込みを繰り返していくことになり、軒数ばかりが膨らんでいきます。田舎で家と家の間隔が広かったり坂道ばかりだと、効率が悪いため100軒を超えるのは結構やっとです。運良く繋がれば、次のような感じで会う努力をします(あまりこなれていない新人モードです)。こんな感じで会う努力を重ね、運が良ければ在宅のタイミングを教えてもらうのです。この辛さを知っているからこそ、後に異動したリサーチの内勤(つまりは、デスクワーク)の仕事は天国に感じるものでした。モチベーションを落とさずどう飛び込みを続けるのか、自分自身との孤独な戦いをシイラ得るのが新規開拓営業です。むしろ、なかなか顧客が獲得できない時に、自分を正当化する手段としてプロセスが重視される程度です。こうした努力をするのも、近い将来に実を結ぶ見通しがあってこそです。関係性が徐々に築けて、訪問すれば会ってくれるようなBランクのお客さんは、5~15件。とは言っても、こうした会うための手法は、先人の新規開拓経験者たちによってだいたい開発されています。心を折らずして飛び込み訪問を続けるには、証券会社のソルジャー(兵士)になり切るほかありません。直接的には、やはり、同じ支店、同じ部署の先輩、上司がプレッシャーをかけてきます。なので、こうしたノルマについて、新規開拓に携わる新人へ期待がかかり、自然と締め付けが強くなるのです。しかし、努力が必ずしも報われるとは限らないのが、リテール新規開拓の特徴です。Cも明確な基準はあるわけではないですが、例えば、家の外観や所有している車などの情報を総合して、明らかに金持ちだと判断できればC基準にしていました。ただ、プロセスも含めて見てくれる奇特な上司に恵まれたようで、その後、先輩から顧客や資産を引き継ぎながら、次のステージで結果を出すことになりました。希望通りに基準に達したとしても、もう少し下がるかもと、基準をさらに引き下げたり、様子見を決め込む客も少なくないです。不在宅であっても、先ほどの「会う努力」をひたすら続けながら、キーマンへの接触を図ります。Cランクは資金ポテンシャルはあるので、最低限の関係性を構築し、自分や自社を認知してもらうことが先決となります。以上、「【元証券マンが語る】リテール営業の新規開拓が辛過ぎる7つのリアル」をまとめました。プロセスを丁寧に踏んでいても、結果が伴わなければ意味はないのです。銀行の預金や自宅のタンス預金、他の証券会社など、出所はどこであろうと新しい資金が入金されればOKです。ただ、証券リテールで新規開拓を経験されている方にとっては、共感してもらえる部分が多いかと思います。手紙を手書きで書くプロセスは立派なものですが、その努力はほとんど報われません。顧客転化(口座を開設してもらい、入金してもらうこと)への可能性という観点から、私は高い方から順にS、A、B、Cの4段階で評価してました。また、今のところ運用ニーズは明確になってなくても、自分に対して関心を持ってくれてることも、Bランクの基準です。ひどい時には10軒飛び込んでも軒並み留守!ゼロ!ということもあり得ます。玄関先に出てきてくれるのは稀で、たいていはインターホン越しのちょっとした会話で終了です。ただ、Sに比べて自社で口座を開設してくれるかどうかの確証が今一つなのが、Aの基準です。ただ、出身地や趣味に興味を持ってくれるお客さんもいたことは事実です。毎日インターホンを押し続ける行為は、繰り返しやっていれば、徐々にですが慣れてきます。しかし、こうして出会えたお客さんであっても、その家庭のキーマンでなければ話になりません。先輩証券マンも新人時代には皆、新規開拓営業を通じて育ってきたプライドがあり、支店の稼ぎ頭ほど、新規開拓時代の武勇伝を語りがちです。「これはあんまりだ」という同情の声も聞きたいくらい、現実は悲惨です。新規開拓は新人のための伝統的な教育システムにもなっており、会社全体で新規開拓を行う新人を追い込んできます。支店全体として、日々のノルマに追われながら一杯一杯でやっているので、新人と言えどもその空気を読みながら、ノルマをやらざるを得ない雰囲気に追い込まれていきます。新規顧客として5件獲得し、一人当たり1,000万円を導入すれば、口座開設数、資産導入額ともに月のノルマは達成となります。1日200軒の飛び込み訪問を50日間こなしつつ、1軒当たり3回ぐらいの訪問を繰り返したところで、不在宅やインターホン越しの「結構です」の断り文句ばかり。そうした関係性ができてる客には、上司に同伴訪問してもらって運用ニーズを引き出してもらい、あっという間に口座開設に至るというケースもあり得ます。インターホンを押す家の軒数は、1日当たり200軒近くになります。飛び込み訪問するにあたって、僕はA4ノートを持ち歩いて、リストを作りながら訪問情報を管理してました。「ポストに名刺と資料を入れたのですが、ご覧いただけましたでしょうか?」かける労力と時間に対する効果がはっきりあるかというと、非常に微妙です。新卒社員や中途入社組が証券会社が入社し、リテール営業(個人向け営業)に配属されて、まずやらされることと言えば、「新規開拓」です。僕は新卒で証券会社に入社し、関西の地方支店でリテール営業を3年半やりました。電話帳には若い世帯の電話番号こそ少ないものの、古いお宅ほど掲載があるもので、テリトリーによっては結構使えます。これまでの訪問によってどれだけ自分に興味を持ってくれているか、信頼関係が築かれていることが前提です。では、どうしたら良いのかというと、キーマンに「会う努力」をすることです。言い換えると、同じテリトリーをめぐって歴代の担当者があの手この手でアプローチした結果と言えます。また、自社で買い付けはほぼ確実に見込めるものの、条件を提示してくる客もAになります。なんの解決にもならないような解答ですが、それ以外に解答は特にありません。関係性をさらに深めていく中で、運用ニーズや余裕資金の有無を聞き出せれば、見込みランクはAに引き上がります。証券マンへの断り文句としての「他社でやってます」がよくありますが、これは「運用ニーズあり」「資金ポテンシャルあり」「生活に余裕あり」と翻訳されます。お金のことは主人に任せてある話好きなおばちゃんに出会ったところで、顧客獲得につながる道は開けません。他の証券会社で取引をしている、銀行でも勧誘を受けている、などです。達成不可能と思えるほどに高すぎる目標(という名のノルマ)を与えられて、苦しむのが、この証券リテールの新規開拓です。ただし、Bランクのように関係性はできてませんので、上司の同伴訪問先にはなりません。株式や債券、投資信託などの購入資金として入金してもらいますが、その金額です。家がボロボロ。庭が広い。ドーベルマン飼っている。BMWが2台。世界一周クルーズから帰ってきたばかり。ノルマであるからには、会社からのプレッシャーがあり、これがとても辛いです。結局は、自分や自社へまだ関心が向き切っていないということです。1日に200軒近くの個人宅を訪問することになりますが、大量の資料を持ちながらテリトリーをくまなく飛び込みしていくのは、文字通り体力仕事です。特に手書きで書いた手紙は目に留めてもらいやすく、証券会社の新規開拓ツールとして今もメジャーなツールの一つです。ただ、大口顧客はもちろんのこと、小口顧客であってもそう簡単に獲得できるものではありません。そうした武勇伝を浴びせられながら、「自分の時はこうだった」「自分だったらこうする」などの時代錯誤のアドバイスを聞かせられることになります。「とんでもないお客が出てくるかも」「怒られるのかも」「怒鳴られるかも」と思いながら、恐る恐るインターホンを押すことになります。一方で、証券リテールの営業は、テリトリーの変更や移行は原則としてありません。証券リテールの飛び込み営業は、同じテリトリー、同じお宅への訪問をひらすら繰り返すのが特徴です。これがなかなか大変で、しんどいです。そうした条件は明確に聞き出しておいて、条件がそろったら速攻で口座開設してもらいに行きます。どんな出会いも無駄にはできないのですが、キーマンに出会って初めてスタート地点に立つようなものです。見込み客の管理の仕方、顧客転化の手順について、解説していきます。支店長や部長、課長などの管理職のほか、新人教育担当の先輩です。証券マンからの勧誘攻勢を受けたくないのであれば、余計なことは言わずに「営業は一切お断りです」の一言に尽きます。より重要なノルマとして株式などの「売買手数料(仲介手数料)」や、投資信託などの「販売額(販売手数料)」などがあるものの、口座開設数、新規導入資産も重要なノルマです。肉体的というのは、大量の資料を営業カバンに詰め込んで、雨の日も雪の日も、暑かろうが寒かろうが、新規開拓をしなければならないしんどさを指します。名刺と合わせてポストに投函するものとして、「自己紹介用紙」を手作りするケースがあります。これ以外にも手法はいろいろありますが、こうして会う努力を際限なく繰り返していくのが、新規開拓営業です。のちにリサーチ部門(内勤)に異動し、その後何回か転職して今は別の仕事に就いていますが、新規開拓の思い出は総じてしんどいものでした。このように、新規開拓を命じられていながら、そもそもお客さん(キーマン)に出会えないジレンマがあります。もちろん、そうしたおばちゃんとの関係が深まれば、キーマンである主人を紹介してもらえるかも知れません。なので、A4の用紙に出身や趣味、意気込みなどのメッセージを書いて大量に印刷し、名刺とともに配り歩いていました。こうしたお客に対して、午前ばかり狙って訪問していては会えないのも当然です。一方、「資産導入額」は、そうして口座を開設してくれたお客さんから、どれだけ金額を預けてくれたかの総額です。言葉を選ばず言えば、すでに社内で食い散らかしてきた結果がこの状態であり、残飯しか残っていないエリアを割り当てられているようなものです。あと、新規開拓を実際にやってみて盲点なのが、テリトリー内に自社の顧客がたくさんいることです。スーツ姿の営業マンが平日の日中にノコノコやって来たら、居留守を使うか冷たくあしらうのが普通です。訪問ノートを元にして見込み管理を行い、Cランクを集めながら、BやA、そしてSランクの見込み客を積み上げていくのがリテール営業です。証券リテールの新規開拓ノルマとしては、基本的には次の2つが課されることになります。特に政令指定都市レベルの大都市圏であれば、大手から中小までの証券会社の本支店が集まっており、同じテリトリーを狙って証券マンが激しい競争を繰り広げています。このように、どのテリトリーもレッドオーシャンであり、月5件以上の口座開設も、月5,000万円以上の資産導入も、途方もないノルマなのです。ノルマとしては、例えば「月当たり5件以上」などの目標が与えられます。正確に言うと、新興住宅地などの整備されたテリトリーであれば訪問効率が良いため200軒近く。例えば、午前中は趣味のお稽古で外出しているお客も、午後には帰宅して家にいるかも知れません。ただし、現実はそんなに綺麗にノルマは達成できないので、数百万単位の資産を導入してくれる小口の顧客で数を稼ぎながら、数千万単位の金額で資産導入してくれる大口顧客で大きく積み上げていく格好になります。新規開拓を始めた当初はインターホンをどうにか押すことができても、「頼むから留守であってくれ!」とひたすら願ったものです(笑)。あまり考えても仕方のないことなので、留守宅連続記録をカウントしながら気を紛らわしていたものです(笑)。飛び込み訪問による新規開拓営業は、肉体的にも精神的にも大変で、本当にきついです。最近は銀行や郵便局でも投資信託を扱う時代ですので、もはや競争の少ないブルーオーシャンは残されていないと見ていいです。というのも、個人宅のインターホンを押す行為だけでも、結構勇気がいるものだからです。人柄も人相も分からない赤の他人の家をアポなしで飛び込んでいくわけで、どんな人が出てくるか想像もつきません。来る日も来る日も、担当エリア(テリトリー)を一軒一軒、文字通り飛び込みで訪問するからです。会社のソルジャーとして肉体的・精神的にたくましくても、このジレンマはボディーブローのように効いてくるため、なかなかしんどいです。ポイントは、運用ニーズがハッキリしていることに加えて、他の証券会社や銀行ではなく、自社で買い付けてくれることが確実視されていることです。他社で口座を持っていたり、投資経験があることのほか、将来的な運用ニーズがあったり、老後に備えて色々と勉強中であったりするのが、僕のB基準です。ノルマとしては、例えば「月当たり5,000万円以上」などの目標が与えられます。「ニーズは作り上げるもの」とばかりに、同じテリトリー、同じお宅へ訪問を繰り返します。タウンページなどの電話帳を使って、夕方以降の時間を狙って電話をかけてみます。また、支店全体で抱えるノルマとしても、口座開設数、資産導入額があります。「口座開設数」は、お客さんに口座を新たに開設してもらう件数で、証券会社にとっては顧客を獲得した瞬間になります。例えば、日経平均が20,000円を下回ったら、為替が105円台まで円高に進んだら、基準価格が9,000円を割り込んだら、などです。いわゆる「見込み客リスト」を作成して、確度の高い見込み客から順に顧客転化を目指していきますが、果てしない道のりです。そこをどう自分や自社へ目を向かせるかが、AからSへのランクアップのポイントです。学習教材であれば、対象となる小・中学生がいるかどうかがニーズ見極めのポイントであり、そうしたニーズがないお宅へ何度訪問しても道は開けません。僕の経験に基づくものですが、「10,000軒」を飛び込み訪問したとして、見込み客の分布は、以下のような具合になろうかと思います。飛び込み訪問を繰り返すのを大前提として、それだけでは顧客は獲得できないので、会えない客にどうしたら会えるか知恵を絞って、試行錯誤を繰り返します。世の中非情なものだと思いたくなりますが、逆の立場になれば分かりきったことです。ニーズがありそうなら商品説明や金額の提示などして、クロージングします。来る日も来る日も同じテリトリーを回ることになるため、「飽き」や「マンネリ」「退屈」などと戦いながら飛び込みを続けることになります。その後は、本社のリサーチ部門に異動することになりますが、今振り返っても、新規開拓の仕事はかなりきつかったです。顧客転化が間近のSランクは、1件あるかないかの世界となります。そこでの結果や姿勢で、リサーチへの異動の道が拓けましたが、その辺りについてはまた今度まとめてみたいと思います。アンダーラインを引いたような情報が得られるだけでも、「収穫あり」と判断します。コーチャーやメンターは、日々の行動計画や行動結果を逐一チェックし、時々一緒に飛び込みを行なって、所作確認などをします。「ぜひ改めてご挨拶に伺いたいのですが、少しでもお時間いただけますでしょうか?」結果が全ての世界にあって、結果にたどり着くまでのステップが途方も無いことのも、新規開拓の辛いところです。ちなみに、僕の新規開拓の成績はというと、上位40%に入るかどうかの微妙なところにいました。あくまで主観的な統計ですが、リアルな実態としてはこんなものです。訪問すれば必ず家から出てきてくれる、家の中へ招いてくれてお茶を出してくれるなど、世間話が気軽にできる関係性は非常に重要です。